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召喚ボッチは、サクッと強くなって、サクッと魔王を倒して、速攻家に帰りたい!~クラスみんなで魔王を倒す? そんな修学旅行&体育祭みたいな地獄のイベント、無理無理無理!~  作者: 優木凛々
第4章 ボッチ、最大のピンチを迎える

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02.居たたまれないボッチ vs フィールドワーク(2)

 

 馬車が森の入口で止まった。

 降りて周囲を見回すと、前方には日本では見ないような深い森が広がっていた。

 中は昼間だと言うのに薄暗く、妖精や魔獣が住んでいそうな雰囲気がある。



(ファンタジーの森って感じだな)



 少しわくわくしていると、リリアが声を張り上げた。



「じゃあ、入って行きましょうか。まずは順番を決めるわよ」




 話し合った結果、


 先頭は、『拳闘士』の梨花、

 次は、『魔法剣士』であり回復魔法も使える結衣、

 その次は、『魔術師』の萌、

 そして、一番後ろに、気配察知に長けた『狩猟師』の太一。


 となった。

 リリアは引率と言う形で、萌の横に並ぶらしい。



「よーし! じゃあ行きましょう!」

「はいっ!」



 リリアの掛け声を合図に、5人は森の中に突入した。


 入ってみると、森は想像以上に生い茂っており、地面は木の根でボコボコしていて歩きににくい。


 そんな中、梨花は、散歩でもするような感じで楽しそう進んでいく。

 その後ろに眠そうな萌が続き、リリア、萌、太一が警戒しながら歩く。


 同じ狩猟師であるリリアが、太一を振り向いた。



「ミナミダ、気配察知できてる?」

「はい、大丈夫です」



 どうやら狩猟師である太一の持つ気配察知スキルは優秀らしく、半径10mくらいの範囲が手に取るように分かる。

 これならば不意打ちなどにも対応できそうだ。



(狩猟師って、思った以上に優秀な職業なんだな)





 ――と、そのとき。


 太一は前方から何か向かってくる気配を察知した。

 まっすぐ梨花に迫ってきている。



「前方から何か来ます!」



 そう声を張り上げると、梨花が立ち止まって臨戦態勢を取った。


 藪の中から、ガサッと音がして、猫くらいの大きさの角の生えたウサギが飛び出した。

 地面を蹴って梨花に襲い掛かる。



「はっ!」



 梨花がウサギにケリを食らわせた。

 ウサギが物凄い勢いで吹っ飛んで太い木の幹に激突し、一瞬で黒い煙となって消える。



「……え?」



 パーティメンバーが呆気に取られている中、

 リリアが、ウサギの消えた場所から何かを拾い上げた。



「これが魔石よ」



 それは、赤くて透明な、まるでルビーのような石だった。

 大きさは2センチほどで、形は細長だ。


 梨花が目をぱちくりさせた。



「ええっと、あのウサギは……?」

「魔獣は魔素から出来ているから、魔石しか残らないわよ?」



 え、そうなの? と、太一は目を見張った。

 魔素からできているのは習ったが、まさか魔石しか残らないとは思っていなかった。


(さすがは異世界、これは真面目に考えちゃダメなやつだ)




 その後、一行は森の奥へと進んだ。


 次に、イノシシのような魔獣が2匹出だ。

 太一が気配察知をして知らせると、

 1匹は梨花が、もう1匹は結衣が双剣でシュパシュパッと切り刻む。


 その華麗な双剣さばきに、太一は「おお!」となった。


(やっぱり剣士はカッコいいな~、双剣とか憧れるよな~)



 その後、ネズミの群れが現われた。

 チュウチュウと鳴き声を上げながら迫ってくる。


 その時、萌が杖を掲げた。

 なにかボソッと唱えると、上空に雷の玉が発生し、ネズミたちを一網打尽にする。


(おお~! 魔法もかっこいいな~!)


 太一は楽しくなってきた。

 ファンタジーな森で繰り広げられるファンタジーな戦いに、ゲームの中にいるような気持ちになる。



 しかし、しばらくして。

 太一は重大な事実に気が付いてしまった。


(……もしかして、自分って出番なくね?)


 最初の襲撃に気が付くのは太一だが、


「来たぞ!」


 と教えるだけで、以降まるで出番がない。

 ただ突っ立って、3人の華麗な動きを見ているだけだ。

 矢を一本も使っていないし、ナイフすら抜いていない。


 太一はため息をついた。

 とても楽しいが、これでは死ねない。



(せめて死ねるポジションを取らないと)



 そう思って、さりげなく前に出ようとしたが、リリアに


「ミナミダ、前に出過ぎ、あなた後衛よ」


 と注意されてしまう。


(うーん、これは困った……)





 ――と、そのとき、リリアが口を開いた。



「そろそろ休憩にしましょう」







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