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召喚ボッチは、サクッと強くなって、サクッと魔王を倒して、速攻家に帰りたい!~クラスみんなで魔王を倒す? そんな修学旅行&体育祭みたいな地獄のイベント、無理無理無理!~  作者: 優木凛々
第2章 ボッチは何としてでもパーティを組みたくない!

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(閑話)ボッチvs ボッチに優しいゲーム的な訓練施設

 

 召喚されてから、約2週間。

 実地訓練が始まってしばらくして、


 教官たちは、生徒たちを訓練場の一角にある大きな倉庫のような場所に案内した。


 なんでも、50年前に召喚された勇者たちが作った施設らしく、楽しく効率的に強くなれるようになっているらしい。



「うちの騎士団にも同じような施設があるんだ」



 そして、倉庫の扉を開けて中に入ると、そこは天井の高い体育館のような場所だった。

 どうやら何区画かに区切られているらしく、四方に高い壁が見え、真ん中には赤い円が描かれている。



「見ていてくれ」



 騎士団長が、端の方に掛けてあった大きな木刀を手に取った。

 そして、壁に並んでいるスイッチのうちの1つを押すと、



「ピッ! ピッ! ピッ!」



 どこからか時報のような音が聞こえてきた。

 その間に、騎士団長が真ん中の赤い円に立つと、剣を構える。


 そして、


「ピーン!」


 という音を合図に、横から人型の何かが飛び出して来た。



 ザシュッ!



 騎士団長がすかさず剣を振ってそれを破壊すると、



 ピシュッ



 どこからかボールのようなものが飛んで来るのと同時に、再び人型が現われる。

 騎士団長は体を捻ってボールを避けると、すかさず剣を振るって人型を破壊した。



「おお!」

「すごーい!」



 その人間離れした動きと技に、生徒たちから感嘆の声が上がる。


 皆が見守る中、騎士団長は、床がせり上がったりボールが飛んでくるのを回避しながら、次々と飛び出してくる人型を倒していく。


 そして、数分後。



 パンパカパーン!



 ファンファーレのような音が鳴ると、人型や地面が元通りになった。


 騎士団長は「ふう」と息を吐くと、全員に向かって笑顔を見せた。



「こんな感じで、戦闘訓練を積むことができる」



 生徒たちが歓声を上げた。



「おおおお! すげえ!」

「なんかゲームみたいだね!」



 ちなみに訓練施設は4つのエリアに分かれていて、近距離攻撃用が3スペース、遠距離攻撃用が1スペース。

 用意されているレベルは30までで、下級騎士だとレベル15、上級騎士だとレベル20が平均で、最高レベルは24らしい。



「かなり難しくはあるが、何度もやれば確実に力になる。終日開放するから、どんどん鍛錬するように!」



 騎士団長の言葉に、みんなが、わあっと歓声を上げた。


 太一も目を輝かせた。

 1人で黙々とできるなんて、なんてボッチに優しい施設なんだ!



(いつでも来ていいっていうのがいいよな!)



 ここに来て、太一は休み時間の使い方に少し困っていた。

 学校に居た頃は、長めの休み時間には図書室に行ってラノベを読むなどして時間を潰せていたが、異世界にはそういうものがなかったからだ。


 でも、この訓練施設ならば、図書館のように通うことができる。

 いや、それ以上かもしれない!



(訓練もできるし、時間も潰せる。一石二鳥だ!)



 その後、通いまくった太一が、前代未聞のレベル25をクリアして大騒ぎになるのだが、それはまた別の話である。






次第3章スタートです

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