不思議な夢②-こいつ直接脳内に
その本は、周りの本棚に収まっている無数の個性のない――まるでだだ事実だけを記録する――事務のファイルのような本とは、雰囲気からして違っていた。
洒落ている木製のテーブルの上にあったその本を、私は不思議と読みたいと思った。ただ、恐怖も感じていた。
「……………………」
手に取って見た。――そうしたら、手が焼けるような痺れを感じた。
「………………!?」
痺れからつい手を放し、バサリとページの擦れる音をたて、カーペットの上にその本が落ちた。
「……………………」
はっと手を見て、見た目には異常が現れていないことを確認する。いつもの自分の白めの手であり、そこに何も変わりはなかった。
「………………ウ」
しかしその数秒あと、酷い頭痛がした。心臓から首の後ろをつたい、まるで頭を蹴られているような頭痛――そのついでと言わんばかりに、また、意識も混濁していた。
そしていつの間にか、私は頭を抑えてずるり――と、本棚を背に、地面にへたり込んでいた。自分の手は――この空気で冷えていたようで、冷たかった。
「……何…なの…………………」
口から出た私の言葉は、思わずして発生したただの声。私を囲うのは本、本、本。図書館には入り口は無く出口も無く、薄暗く埃だらけで灰色の空間に、私はひとりだ。
だからここで倒れても――誰にだって、知られないまま……。
「……………………」
「死ぬのは怖い?」
声が――聞こえた。




