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自称、姉妹百合の女③-テスト0点
「しかし、森さんはいずこです。先程から姿を見ないんですが」
「…ふふ……あのお方は森さん…という名…なのですね……」
「…………………………?あのお方?」
「綾ちゃん……あの戸棚なんか動いてへん?」
若干の震えた声で小音がそう言うので、棚を横目で見る。
その落ち着いた色の白い戸棚は、微妙にガタガタと震えていた。
昼間の雀荘『雀猫』にいる筈のものはただひとり。しかしその者の代わりにいるのは、変態不審者自称姉妹百合夢魔の女。
「うふふ………………♪」
その女、その戸棚の方を向いて微笑んでいる。成人女性ひとり分くらいなら、軽く収納できてしまいそうなその棚を。
さて、その棚の中にいるものは何、でしょう?
テストならこう問われるかもしれない。
「……………ポルターガイスト……ってやつですかね」
「な訳ないやろ!!現実から目ェ背けたらアカんよ!!!」
「このテストは、正解だけが正解じゃないんですよ……小音……」
「なんの話しや――――っ!!!」
流石に察してもらえなかった。




