おもしれー女とやべー女と変態と⑦-こういうのも、そそります……♪
「それで小音。その露出狂の特徴……って何なんでしたっけ」
「……?綾ちゃんが他人に興味を示すなんて……!」
小音は驚いたような仕草を、大袈裟にした。
「失礼な、私だって他人に興味を持つことはありますよ」
「露出狂レベルじゃなきゃ関心がひかれないってのは、人間としてどーなんよ?」
「……………………………………」
「ははは。綾ちゃんの好き好きやけどなあ」
「その言葉じゃ私、露出狂に惹かれた変態みたいになりません?」
「綾の場合は変態というより偏愛者なんやろうけど」
「……仮に私が偏愛者だとして、それを私が誰に向けるって言うんですか」
「ベスちゃんとか?」
「……そんなもの向けません!」
小音の発言は、冗談なのか本気なのか。
小音の性格というのは、かなりに真っ直ぐとしていて社会的に見ても良い性格と表される性癖だろう。しかしどうも、察しが悪い私を大分にからかっているのではないだろうか?と思う時がある。
ちらと後ろ右を見れば、小音はいつもの調子でにこやかな笑みを浮かべている。
「露出狂の話から脱線しとるな、そういえば」
「あ……そうですよ。それで、目撃情報があるんでしょう?私も……確かに少し気になりまして」
出くわさないのが一番のような気配はする。のだが、小音の言う通り何か引っかかる。
「まあ……情報の限りやと。先ず、金髪」
「はい」
「ヨーロッパ系の女性らしいな。日本人じゃないのは確からしいのよ」
「ふんふん」
「それで緑色の眼をしていて――――美人」
「…………美人?」
「いやね?目撃者はみんな口を揃えて言う、らしいのよ」
「美人、と?……美の価値観なんてそれぞれでしょう、それにそんな露出狂に……目撃者はなぜ美人という言葉選びを?」
「だからこそ、そこもおかしな点なひとつ。なんやよ」
そんなことを話しながら歩いていれば雀荘、雀猫のビルの前まで着いていた。学校から徒歩で15分程度の距離。私が本気を出したら三分くらいで走りきれる距離だが、存外に小音との会話が弾んだからなのか、小音のためにペースを落としていたからなのか、学校を出た時よりも時計の針は25分程度も進んでいる。
「到着です。ここが私の家ですよ」
「はえ〜……流石に雀荘は初めてや……」
「漫画は入ったら向かいの本棚にありますよ。……あれ?」
「どうしたん?」
鍵が開いていない。森さんが外出しているのだろうか?
「大丈夫です」
そう返事を小音にしておいて、鍵を取り出しシリンダーに差し込む。鍵を回すと、いつも通りのカチリという心地の良い音が耳に届いた。
錆びたそのドアを開ける。
そして私は、そこに立ち尽くした。
「ベス……………………」
「綾……………………!?」
「お盛んですね、私は3階にいきますから…………」
「違いあああああああああああぅ――ッ!!!!誤解じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――ッ!!!」
ベスは手をこちらに伸ばすが、むなしくその細腕はがしりと掴まれる。
そこには、ふたり。
薄く、赤色のキャミソールドレス1枚きりのベスが床に。
そして、ベスに被さっているそれは、半裸の女だった。
「誤解じゃ……ありませんよ♪」
その女は、そう、いやに官能的な声でそう言った。




