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きゅうけつきさん⑤-身体をさわさわ
「…………ふう」
きゅうけつきさんは土手のダンボール箱の上に腰を下ろした。
…こんな寒空の下で、少女(部分的にそう)がこんな河川敷で暮らしているのは、少々気にかかる。いくら吸血鬼だからと言っても、先日のような不埒者ズが現れないとも限らない。彼女はこのままで…大丈夫なのだろうか?
――と、考えていれば、きゅうけつきさんの身体について、あることに気づいた。
「…………………………」
「どうした?黙り込んで」
「――あれ、また魔力不足……ですか?」
その姿を見れば、一目瞭然。
肌が荒れているし、髪も艶が無い。
そしてその紅い目――が、濁りを見せていたこと。
「分かるのか?それが顕在化するなど、それなりに微細なる変化じゃぞ」
「………………いや?分かりますよ。それに貴女、見ていて飽きないほどに端麗ですし」
「…………………………」
「……顔を赤くして、もしかして照れてます?」
「…………うっさいぞ。」
「照れてます?」
「……あーもー何度も言うなっ!」
……怒られてしまった。




