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「スライム倒して300年」ハルカラ誕生日記念SS ハルカラの誕生日を祝った

作者: 森田季節

数か月前、「スライム倒して300年」の誕生日が決まってないキャラが、なぜかピクシブ百科事典にて誕生日が設定されているということがわかりました。個人で二次設定を作っていただく分には同人活動みたいなものでご自由にしていただければと思うのですが、やっぱりああいう場に書かれていると公式設定と誤認されてしまうので、その際にSNSのアンケート機能で別途に誕生日を決めました(まだ決まってないキャラもいます)。


せっかく誕生日を決めなおしたので、短編をアップいたします。

 風が涼しくなってきたなと感じた頃、ナスクーテの町のほうまで買い物に行った。帰り道、せっかくなのでハルカラ製薬の前を通ることにした。元々、ロザリーの家が建っていた場所なので、ある意味古くからの家族ゆかりの地だ。


 通りと会社を隔てる塀がやけにカラフルになっているのが遠くからでもわかった。リボンや布で彩っているらしい。感覚としてはクリスマス前の飾りつけに近い。


 本来なら武骨なはずの工場の建物にまで赤や緑の布が上から垂れていて、巨大すぎるクリスマスプレゼントのようになっていた。事務棟は言わずもがなで、どことなく縁起がよさそうな仕様になっている。



「なんだこれ……」



 思わず声が出た。




 夕飯の時にでも本人に聞こうかと思ったが、ここまで来てしまったのだし、事務職の人に尋ねて「忙しいなら何も言わないでいいから」とことわったうえでハルカラを呼んできてもらった。ハルカラは手が空いていたのか想像よりかなり早くやってきた。



「お師匠様、どうかしましたか?」

「いや、建物がやけに飾りつけられてるからさ、これ、いったい何なんだろうなって」


「もうすぐわたしの誕生日ですからね。この装飾はハルカラ生誕祭をイメージしてみました!」

「自分で祝うんかい!」



 そういえば、ハルカラの誕生日は十月二十三日だった。



「それはそうですよ。誕生日というと商機ですからね。商機は逃してはいけません」

「あんまり自分の誕生日を商機、商機と言うべきではないと思う」

「いえいえ、自分の誕生日を商売に利用しても絶対に苦情は来ませんしね。ある意味、便利なコンテンツですよ」


 誕生日をコンテンツって呼ぶのもやめてほしかった。あと、コンテンツって表現、この世界でも使うんだな。









 事務棟の前だからか入り口に直売のコーナーが設けられていて、『栄養酒』その他が並んでいた。一種の産地直送だ。


「生誕祭にはこういうのもどーんと売り出すわけか」


 あんまり医薬品のセールって聞かないが、やってやれないことはないよな。


「ですよ。しっかりと祝ってもらうつもりです。そのための特別なラベルも作っていたんです」


 ハルカラがビンに貼る紙みたいなものを見せてきた。


「なるほど。『今だけ特価』みたいなことが書いてあるのか」





===

十月二十三日は社長の誕生日

社長の生活応援キャンペーン期間は値段が二割増しになります。ご容赦ください。

二割増しの値段は社長の誕生日祝いになります。

===





「誕生日で値上げするなんて聞いたことないぞ!」

「え~! だって、わたしの誕生日を祝ってもらう日ですよ! わたしが商品を安売りしてどうするんですか。そういうセールはほかのタイミングにでも行いますって!」


 理屈はわかるけど、商売の方法としてはおかしすぎる!







 当たり前ですが、ハルカラの生活応援キャンペーンの期間はハルカラ製薬の売り上げは大きく落ち込んだそうです。

 ハルカラの誕生日はちゃんと家族でお祝いしました。

ライカやロザリーの誕生日もまだ決まってないと思うので、またなんらかの形で決定したいと思います。よろしくお願いいたします!

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