第二十三話 話
「娘、話がある」
いきなり現れたドワーフがいきなりな事を言い出した。
腕足も太く、ずんぐりむっくりした体型、ゆたかな口髭をたくわえている。
なるほど、はじめの村でドワーフと間違えた兵隊さんに比べれば、ずいぶんドワーフらしい。
当たり前か………
物言いはぶっきらぼうだけど、敵意は感じない。
「あなたは………」
「ドワーフが何のようだ!」
私の言葉に被せるように、リュトが叫んだ。
敵意をむき出しにて、凄く怒っている。
このドワーフと何かあったのだろうか………
「お主には関係ない事じゃ」
「アアッ! なんつった聞こえねぇよ!」
ドワーフは珍しい種族だけど、人間と敵対しては無いと教えてもらってたんだけど。
「オメエらは、この街にいる資格なんか無いんだよ!」
どう見ても敵対しているようにしか見えない。
「ワシはその娘に聞きたい事があるだけじゃ」
「残念だな、今は取込み中だ!」
ドワーフの方は冷静だけど憮然として扱いにくそう、リュトは完全に話を聞くようではない。
って言うか、私を巻き込んでほしく無いんだけど………
「………… わかった」
憮然とした表情はそのままに、そのドワーフは言った。
そして私の方を向く。
「えっ!?」
「また来る」
ドワーフはそれだけ言うと踵を返し立ち去っていった。
「一昨日きやがれってんだ!」
隣のリュトは吐き捨てるように悪態をつく。
(何でこんなにも憎んでいるのだろう………)
リュトの横顔と立ち去るドワーフの背を見比べながら、考えていた。
(そして、なぜあのドワーフは一瞬だけ寂しげな表情を浮かべたのだろう………)
リュトはまだ立ち去るドワーフを睨みつけている。
ドワーフは気難しいところもあるが、陽気な種族で人族との交流も昔からある。
リュトはさっきのドワーフに対してと言うより、ドワーフ全体に対して憎しみを持っているみたいだ。
私はそんな風に感じた。
疑問をリュトに投げかけた。
「ねぇ……… リュト………」
静かな黄昏に差し掛かろうとする墓地の一角で、旅に出て初めて出会った男の子に私は問いかける。
その彼は少し戸惑った様子だったが、やがて1つの墓標に目を向け口を開いた。
「俺の……… 母さんだ………」
そう呟くようにリュトは言った。
その墓標はそんなに古いようでは無い。
「向こうの方に、父さんがいる」
古い墓標が並ぶ方に顔を向けて、続けざまに呟いた。
私はリュトに顔を向けると、リュトは寂しげに微笑む。
柔らかな風が小さな木の葉をはこぶ、私はリュトに向き合い目を背けることなく、心の中で思う………
(ダメだこれ……… 面倒臭い話だ………)
ギャグを入れるか入れないか………
どんな作風にするかも決まっていない………
とりあえず入れる方向で………




