~第五幕~ 「二択鬼〈ギルティ〉の章」其の弍
翌日。生徒の皆さんが僕の真似をして、全身白タイツで歩いている事に気が付いた。
……何か変だと思ったんだ。僕が沢山居るなんて、おかしいよね。
僕は放送室で、生徒の皆さんに止めるように呼び掛けた。生徒の皆さんは皆良い子で、すぐに止めてくれたよ。……良かったぁ。
……と、言う訳で。
「今日も元気に頑張ろう。おー!」
──ガラッ。
扉を開けると、そこには又……僕が居た。
……わなわなわな。
僕は怒りに震えていた。あれだけ注意したのに、まだ全身白タイツを着ているなんて……。
「有罪〈ギルティー〉!!!」
──スパーン!!
「ギャース!!」
僕は怒り、持っていた斧で頭を叩き割った。……辺り一面が真っ赤に染まり、血の海と化す。
……フーフー!
「許さない!……許さない!ユルサナイ、許サナイ!……僕はお前を、決して許さないぞぉ!!」
──ガスガスガス!!
僕は持っている斧で、必要以上に叩き付ける。
「僕は、お前を絶対に許さない!貴様に、明日を生きる資格なんて……無い!!」
僕はポーズを決め、偽物に言い放ってやった。
「…………。」
やってしまった。つい、カッとなってやってしまった。……後で、上司に怒られないかなぁ。ちょっと心配だなぁ。
「ま、大丈夫か。上司アホだし、大丈夫♪大丈夫♪」
僕は小躍りをしていると、僕の偽物はすくっと立ち上がった。
──!?
「ギャアーー!?」
あれ?頭砕いたよね?あれ?人間って不死身だったっけ?……あれ?最近の人間も、不死身なのかな??
僕の偽物は、僕を恐ろしい目で睨み付け激怒していた。
……上司だった。
僕は、しこたま怒られた。正座をさせられ、長時間説教を食らった。……うーん、そう言えばタイツの色が違ってるや。
この上司は、妖魔界の王──。
……の部下で中間管理職、"七つの大罪"の一人。日本に古来から伝わる、伝説の七人の呪いの一人である。
日本にまだ、神々が居た神話の時代より。二千年以上の刻をへて尚、日本を呪い続ける恐ろしい呪い達。
この上司の名は、日本"七つの大罪"の一角。
──カーネルサ◯ダースの罪、ドウ・トンボリ。
二千年前、伝説のあの時代に阪神タイ◯ースが優勝した刻。神ノ川、ドウ・トンボリに特級呪物であるカーネル◯ンダースを投げ込んだ事により。恐ろしい怨念と共に生まれ出た、七つの大罪の一つである……。
──その呪いは、二千年の刻を越えて尚も。この日本と阪神タイ◯ースを呪い続けると言う世にも恐ろしい物である。
「……何て、恐ろしい。」
……ガクガクガク。
僕は恐怖に、震えるしか無かった。
「……誰が、アホだって?」
「はい、すいませんでした。」
僕は、ひたすら謝った。
「よくも頭、かち割ってくれたね?時給二十円、減らしとくからね。」
「うわーん、そんなー。……ご無体な。」
「それより君さぁ。まだ一人も殺して無いじゃないか?どうなってるんだよ?これじゃあ、観客は喜ばないよ?数字、取れないよ?11問出して、11問連続正解って、一体どうなってるの?確率0、05パーセントだよね?有り得ない、よねぇ?」
……僕は、しょんぼりするしか無かった。
そうなのだ、この前もこの上司に怒られた為。僕は家庭科室で、ある一人の女子生徒に狙いを定め問題を出し続けた。
……その女子生徒は、事もあろうに料理を続けながら、僕に驚く事無く二択を次々に当て続けた。
……僕は恐怖を感じ、その場から逃げ出してしまったのである。
「……あの女生徒。多分、エスパーだよね。」
……おかしいよね、二択を八回連続正解だなんて。確率は0、4パーセントだよ。……きっとエスパーか何か、だったんだろうなぁ。
僕は説教をくらいながら、ガタガタと恐怖に怯えていた。
……万年Bクラス、怖いよ。この呪いさえなければ、きっと阪神は毎年優勝していたに違いないのだから……。
〈男子生徒〉
仁科択一、一問正解。
猛虎大河、一問正解。
早乙女大好、一問正解。〈社会的に死亡。〉
〈女子生徒〉
美星味子、八問正解。〈多分エスパー。〉
〈妖怪枠〉
二択鬼〈ギルティー〉、メンマを割り箸と思っていた為、死亡。〈ただし、不死身なのでセーフだが。……時給二十円、減給処分〉




