表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二択鬼〈ギルティ〉  作者: 魔神


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/7

~第四幕~ 「美星 味子の章」

私の名前は、美星味子(みほしみこ)

成績も並、運動神経も並、器量も並。特に目立つ存在でも無ければ、悪い噂も無い。

……そんな極々(ごくごく)平凡な高校生が私、美星味子である。


私達がこの学校に閉じ込められてから、丸一日が経過していた。そして、私達がデス・ゲームに巻き込まれて初めての朝を迎える。


「お腹、空いたなぁ……。」

学校なので一応水道は通っている、水分補給の心配は特に問題無い事だろう。

トイレもある。夜もそんなに寒くは無いので、誰でも問題無く体育館で睡眠も取れ夜を過ごせている。


問題は他の所にあった。……つまり、食料事情である。

二択のデス・ゲームなのに、餓死ってどうなのだろうか?普通こういうデス・ゲームは、食料とかはある物なんじゃないの?


……まあ、デス・ゲームなんて初めてだし。普通が何か、分からないけどね。


「腹減ったー!食い物、何かねーのかよ!?」

「私も、お腹空いたー。」

……やはりと言うか、皆同じ意見の様だ。


クラスの皆は、一斉に校舎に何か食べ物は無いかと探しに出掛けて行った。

「確かにこのままだと、二択鬼に殺される前に飢え死にしちゃうよね。」

……私も皆と同じく、校舎に食べ物を探しに向かう事にした。


食べ物はすぐに見つかった。教師の宿直室にカップラーメンが五十個程度。そして、家庭科室には大量のお米、お肉、お野菜と。かなりの食料が備蓄があり、これでこの先一ヶ月は食料に困る事は無いだろう。


「でも俺。……料理何て、出来ないぞ。」

「……俺も。」

食料はあるのに、げんなりする男子生徒一同。


「私に任せて!和洋西中、()れが良い?」

私には、何の取り柄が無いのかも知れない。……でも、料理だけは自信があった。


「美星さんて、確か料理得意だよねー。」

私が料理が得意なのは、友人の中では有名なのである。他にも、料理が得意な女子も勿論居た。

……しかし、次々と私の作る料理にクラスの皆は目を丸くする。


「どうやって、料理覚えたの?」

「本かなー?」

大型の中華鍋で作る、本格的炒飯。


「苦手な物がある人は、言ってね。」

「……腹減ってるから、何でも食べるよ。」

お肉たっぷりの、ビーフシチュー。


「この前のテレビ、見た?」

「んー、私は見ていないかなー。」

料理に集中する私だけど、何気無いお喋りを楽しみながら作る料理はやっぱり楽しいね。


「朝は、ご飯派?それともパン派?」

「んー、ご飯かなー?パンも好きだけどねー。」

デザートには、プリン。


──トントントン♪

──ザクザクザク♪

──ジュウジュウジュウ♪


私は何気無い会話を楽しみながら、踊る様に次々と様々な料理を完成させていった。

「皆、出来たよー!」

……そして魔法の様に出来上がる、多彩な世界の料理達。

「さあ、召し上がれ!」

私は皆に手を広げ、にこにこ笑顔でポーズを決める。


「…………。」

「…………。」


「……あれ、どうしたの?皆。」


何故かクラスの皆は、静まり返っていた。

「……どうしたの?」


「……いや、凄いと思って。」

「うん、滅茶苦茶凄いよ。」


「そんなー、大袈裟だよ皆ー。皆も一生懸命手伝ってくれたしね。皆、食べて、食べてー。」


「じゃあ、私これ貰いー!」

「あ、ずるいぞ!それは俺のだ。」

「沢山あるから、大丈夫だよー。」


私の料理は、大盛況でした。

……おしまい。

〈男子生徒〉

仁科択一(にしなたくかず)、一問正解。

猛虎大河(たけとらたいが)、一問正解。

早乙女大好(さおとめひろよし)、一問正解。〈社会的に死亡。〉

〈女子生徒〉

美星味子(みほしみこ)、八問正解。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
えっ、え? 仲間?敵……? クラスメイトからの質問で正解になる、の?
美星さん最強じゃないですか?(*^▽^*) 50人分って凄いですー!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ