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二択鬼〈ギルティ〉  作者: 魔神


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2/7

~第一幕~ 「仁科 択一の章」 其の弍

「……問おう。」

──ごくり、俺は生唾を飲み込み死の二択を突き付けられる。

──生か死か、命を賭けた二択を!

俺は死の恐怖に、怯える事しか出来なかった。


「お笑いコンビのザ・○っち、"たくや"と"かずや"どっちが好きだ?」


…………。

──!?

「……は?」

……なんだ、そのふざけた問題は!?俺は頭に来て、奴を怒鳴り付けた。


「んなもん、誰も気にしていねーんだよ!そもそも誰も、見分けが付かねーだろ!?そんなもん好きか嫌いか気にしてる奴は、日本に一人もいねーんだよ!!だいたい、親も見分け何か付いてねーよ!!この変態全身タイツ野郎!!」


……はぁはぁ。

俺はあまりにも頭に血が登り、ついつい叫んでしまっていた。

よく考えれば、俺は殺されるかも知れないと言うのに……。

……俺は、そう考え頭に恐怖が過る。


「お前、早く選べ……。僕、定時には帰りたいから。」

……あまり、怒っていなさそうで安心した。

「早くしろ!さもなくば、死へのカウントダウンが始まる!!」

二択鬼〈ギルティ〉は怒り、俺を睨み付けた。

死のカウントダウン……だと!?


「せーん、九百九十きゅー、九百九十はーち……。」

……あ、意外と待ってくれてる。


……しかし、俺は何かどうでも良くなっていた。

「……じゃあ、たくやで。」


「何っ!?たくやだと!!」

ぬっと、俺に顔を近付ける二択鬼〈ギルティ〉。


「だよなー、たくやだよなぁ……。それに引き換え、かずやの奴め!!」

……そんな差、あるか??俺には、全く理解が出来なかった。

体育館に戻った俺は、まるでヒーローインタビューの様にクラスの皆が俺に集まってくる。

どうだったんだ?と質問攻めに会う俺。

「こうでさー。」

俺は、事の一部始終を説明した。

「そんなに、差が無いよなー。」

ははは、と俺は笑いながらそう話した……。


──しかし。

「やはり、たくやが正解だったって訳か……。」

「やっぱり、たくやだよねー。」

「あー俺、かずやはちょっとなー。」

「あいつの顔は、見るだけで虫酸が走るよなぁ。」


……だが俺の思惑とクラスの皆の意見とは、かなりかけ離れている物だった。

……え?そんなに差があるのか?え?見分け付いてるの?ねぇ、皆。てか何でそんなに、かずやだけ嫌われてるんだよ……。

あれ?俺がおかしいのか?いや、うん?


……俺には、訳が分からなかった。しかし、そこに意思……。いや、答えなど無いのかも知れない。


──"赤"が好きか?それとも"青"が好きか?

五十パーセントで訪れる死。全く他意の無い問題を出す、それが二択鬼の狙いなのだから……。

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― 新着の感想 ―
かずやが可哀想だろ〜〜(ToT) あれ?ホラー要素が今のところない…w でも、僕にとってはよかったかもw
 二者択一の死の問題、でも考え方によっては常に確率は二分の一。  ただそれを回数繰り返すだけ。  ……って、やってられるかーっ!  まあ、それでも運が悪ければ死ぬだけの話。  そして運が良くても人間…
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