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『紅蓮の魔女』と『神速の配信者』  作者: 我王 華純
第一章 誕生『神速の配信者』
20/118

第20話 『星崩の大魔宮』⑩ 多分一億超えてる

ちょっとストック尽きたので書き溜めておりました。

久しぶりの更新です!

よろしくお願いします。

 先ほどまで『セプテントリオン・メラク』と激戦を繰り広げていた空間には今は何もない。

 とどめに使用した大量のジェムによる大爆発の影響か、焦げたような臭いを残すのみとなっている。


 「っしゃぁ!やったぜみんなぁ!!!!」


 俺はその何もない空間に向かって全力でガッツポーズを見舞う。

 もちろん、その相手は……


 〈よっしゃぁぁぁ!!!!〉

 〈やったぜちくしょう!!!!〉

 〈さすが『神速』さんだな!〉

 〈ちょっとかっこよすぎるんじゃねw?〉

 〈まあ俺たちの応援のおかげでもあるけどな!〉


 コメント欄が俺への称賛で溢れ返っている。

 いや、本当に助かった。俺一人じゃ勝てなかったかもしれない。

 視聴者の皆には感謝しかないわ。


 〈でも、この戦闘でいくら散財したんだ?〉

 〈考えたくもねーなw〉

 〈エリクサー3個に超衝撃爆弾(スーパーインパルス)に大量のジェムに……〉

 〈えーと、何千万で済むのかこれ?〉


 ……嫌な事を思い出させるね君たち。


 まあそのなんだ、大金星をあげるためには必要な犠牲だったんだよ。

 だからあまり思い出せないでくれるかい?

 この通りだから。


 〈計算してみたら多分1億超えてるぜw〉


 黙れぇぇえええ!!!!

 言われなくともわかっとるわボケェエ!!!!



 心の中で燃え盛る殺意を必死で抑え込み、俺は次の行動に移る。


 そう、他の仲間たち……もといアイリーンさんの無事を確認することだ。


 俺は右手に身に着けている腕時計を操作する。

 そう、これはAランク神器『バグスカメラ発生装置』。

 『愚蟲の樹海』踏破の報酬として入手したもので、一体のみだが蟲型の小型カメラを操作できるというものだ。

 俺は異空間へ飛ばされる前にこの装置を操作し、蟲型カメラを既に放ってある。

 

 もちろん目標は俺の相棒、アイリーンさんに決まっている。


 壊れてさえいなければアイリーンさんの現状を確認することができるはず。


 俺は腕時計を操作し、蟲型カメラが現時点で撮影している映像をヘッドセットへ転送するように設定した。


 多少画質は粗いが、何とか見れる状態の映像がヘッドセットへ送られてくる。


 

 「……こ、これは!?」


 俺が蟲型カメラを通して見ることが出来た映像は、想像とは全く違うものだった。



 ◆◆◆◆



 その頃、『星崩の大魔宮』の最奥部では、『七星衆(セプテントリオン)』の首魁たる『セプテントリオン・アルカイド』が腕を組みながら険しい表情をしていた。


 「……どうやらメラクの奴がやられたようだな」


 アルカイドの言葉にそばに控えていたミザールがその言葉を聞いて頷きながら答える。


 「はい、メラク用に用意していた空間内にでメラクの反応が消失したのを感知しました。恐らく冒険者に敗北したのかと……」

 「ふん、あいつの相手には一番弱い奴を当てがったはずだ。メラクの奴め、油断……いや慢心しおったか」


 仲間の敗北にもアルカイドの表情は険しいどころか、怒りすら垣間見えた。


 「あのような雑魚冒険者に敗北するなど『七星』の恥め……せめて耐性だけでも獲得できておれば……」

 「アルカイド様、耐性に関しては何とかなるかもしれません」

 「何?それは一体どういうことだ?」


 眉間に皺を寄せながら問うアルカイドに対してミザールは手の平に魔力を纏わせ次元の歪みを作り出した。

 そして、手の平には一匹の漆黒の蜘蛛が出現する。


 「アルカイド様、こちらの蜘蛛はメラクの眷属の一匹です。眷属といってもメラクの体から派生して作られておりますのでその体はメラクと同一といってもよろしいかと……」

 「……なるほどな、その蜘蛛を取り込めばメラクの分も耐性を獲得できるということか」

 「はい、その通りでございます、こんなこともあろうかとメラクが消滅する寸前に一匹だけ抜き取っておきました」

 「良くやったミザールよ、これでメラクの耐性も取り込むことができる」


 そう言いながらアルカイドはミザールの手から蜘蛛を受け取る。


 「メラクの奴め、敗北したのは許すことは出来んが、同じ『七星』として敵はとってやる」


 そう言いながら手の平の上に置いた蜘蛛を握りつぶすとそのまま吸収してしまった。


 「……これでメラクの分の耐性は手に入れることができた。ミザール、他の空間はどうなっている?」

 「はい、他の空間に関しては未だ戦闘は始まっておりません、しかしアリオトがもう少しで相手と接触しそうですわ」

 「……アリオトの奴がか、アリオトならばメラクのように万が一にも不覚を取ることは有り得まいな」

 「アルカイド様の言う通りですわ、アリオトならば間違いなく相手を仕留めるかと……」


 グランドダンジョン『星崩の大魔宮』のボス『セプテントリオン』との戦いはまだまだ続いていくことになる。

 

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