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天使の前髪  作者: 春隣 豆吉
天使の前髪
65/73

1.

挙式前の一場面。の巻

 隣に寝ている和哉さんの腕を起こさないようにそっと外してベッドから出た。

 披露宴を終えるとホテルで一泊して、そのあと新婚旅行に出かける予定だ。

 うふふふー、憧れの雑貨ブランドの直営店が楽しみすぎる~。あとは国民的キャラクターのテーマパーク行って季節はずれだけどサンタさんに会って、あとは好きな映画に出てきた場所も巡るんだ~。

“董子の行きたいところに行こうよ”って和哉さんが言われて調子に乗ってしまった感たっぷりだけど、“楽しみだ”って言ってくれたからよしとしよう、うん。

 カーテンを開けると、きれいな青空が広がっている。

「天気がよくてよかった~」

 思わず独り言がでたとき、後ろから抱きしめられた。

「おはよう・・・目が覚めたら隣にいないのは寂しいなあ」

「おはよう、和哉さん。ごめんね、目が覚めちゃったの」

「天気がいいなあ」

「ほんとね」

 和哉さんは私を後ろから抱きしめたまま離そうとしない。私も何となく離れたくなくてそのまま二人で空を見ていた。



「はい、完成しました。おきれいですよ」

「ありがとうございます」

 角隠しと黒引き振袖を身につけると、普段とは違う私が鏡に映っていた。

 係の人から許可が出たのか、うちの両親や弟たちが入ってくる。

「うわー、姉さん。別人みたいだ、化けたなあ」

 理斗が感心したような口ぶり・・・自分でも変わったなあ~とは思うけど、第三者に言われるとムッとするのよね。

「姉さんが違う・・・」

 文斗もなんだか驚いてるし。つくづくうちの弟たちは姉に対して失礼だわ。

 一方、両親たちはというと・・・母は「董子、似合うわよ~。黒引き振袖、いいじゃない」と写真を撮影しまくり、父はなんだかため息をついていた。

「お父さん?」

「な、なんだい?」

「ちょっと、お父さん。今日は娘のおめでたい日なんですからね。ため息なんかつかないでちょうだい」

「父さん、泣くのはまだ早いと思うよ~?」

 母と理斗に言われた父は「お、俺は泣いてないし、ため息もついてないっ・・・そ、そろそろ写真撮影だろ?ちょっとうちの人間を集めてくるから」とそそくさと外に出てしまった。

「あ、父さん。俺も行くよ。理斗もつきあえ」と文斗も理斗を連れて父に続いて外を出てしまう。

 母はそんな2人が出て行くのをみると、やれやれと肩をすくめた。

「しょうがないわねえ・・・ま、今日はハンカチ3枚持ってきてるから大丈夫か。じゃ、董子。母さんもちょっと顔出してくるわ。最初は宮本さんと2人で撮影するんでしょ?」

「そう。そのあと集合写真になるよ」

 そのとき、ドアが開いて和哉さんが顔をだした。

「董子、そろそろ・・・あ、こんにちは」

「こんにちは宮本さん。袴がよく似合ってるわよ。じゃあ董子、またあとでね」

 確かに和哉さんの黒い紋付袴は眼福だけど、洋装だって素敵だ。光沢のある黒のロングタキシードにライトシルバーのインナーとネクタイ姿は思わず見入ってしまった。ふふふ、驚くなよ、母。

「和哉さん、紋付袴が似合うね」

「董子だって似合ってる」

 すいません、今だけちょっとバカップルさせてください。緊張がほぐれていくんです。

 新郎新婦だからしょうがないわよね~という感じで周囲の視線も温かい・・・いや生ぬるい?


三々九度の盃をいただき、誓詞を読み上げ玉串を捧げる。指輪の交換のときは、緊張してしまって、互いに最後まで指輪が入らなくてちょっと焦った。

 けれど厳かな雰囲気で式は進行し、斎主様から終了の報告を聞いたときには心底ホッとしたのだった。


読了ありがとうございました。

誤字脱字、言葉使いの間違いなどがありましたら、お知らせください。

ちょっと感想でも書いちゃおうかなと思ったら、ぜひ書いていただけるとうれしいです!!


大変お待たせしました。

3話プラスおまけの更新です。

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