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恋の歌
使用お題ひとつ
恋の歌はどこに居ても聞こえてくる。
命にはぽつんとひとつはさびしすぎるから。
一人であっても独りではない。
独りで終わる世界を知らない。
離れるには結びつきがあり、一人でないから独りを知る。
知らない独りを怖れることがないように。
独りでないからさみしさを知る。
恋の歌がきこえる。
結びつき、戯れてまた離れていく。
繰り返される離別こそが孤独から遠き証。
恋の歌がきこえる。
眼差しをむけられたその心のざわめきをもてあます。
教えられる甘さも離別の苦さもひとりでは知らないままだった。
変わらず、独りではない。
それなのに、なぜここまで独りなのだろう?
変わらずに恋の歌が満ちている。
変わらずひとりではないはずなのに、どこまでもひとり。
恋の音を鳴らしても、ただどこまでも流れて消えてく。
恋の歌がきこえる。
お題は〔恋の音〕です。
〔二人称(君、あなた等)の使用禁止〕かつ〔味の描写必須〕で書いてみましょう。
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