夏空ネオン
使用お題ひとつ
なかなか闇の訪れない夏空に気の早いネオンが薄ぼけた色を添える。
ポタリとコンクリートに吸われる汗にドロドロと溶けていくアイスが足されていく。
純白の雪原を思わせる白が溶け落ちて汚れていく。
友人は忽然と姿を消してしまった。
最後に会った時、幸せそうに「さよなら」と言っていた。
なにかを見ていけるようになったんだと私は安心していた。
またねと返した私に困ったように「さよなら」を繰り返したのに不安がなかった訳じゃない。
「真実?」
空を見上げる。
闇がネオンをくっきりと見せはじめ星の輝きなど見えやしない。
「そんなものどうでもいいわ。貴女が幸せなら」
最後に会った人物が私だと言うけれど、誰も失踪と自殺という可能性を疑いもしない。
それ以外ないだろうと。
それはもう部屋になにもなかったけど。
ぽつんと残されたトランクひとつに収まる荷物。
トランクひとつの荷物はいつ帰って来てもいいように物置きにおいてある日付けを入れて友人の名前を書いて。
いつか帰ってきたら渡そうと決めて。
昔、せいくらべをした仲だもの。
またね。親友。
私は貴女の「さよなら」の笑顔を信じてる。
「ネオン」,「夏空」,「真実?」,「純白」,「せいくらべ」です。
#五つのお題出してみったー
https://shindanmaker.com/716015




