代打、俺（代わりなんているか）

　晴れ渡る空に白い雲が踊る。

　ブーツが踏む石砂利の道、遊具も芝生も陽射しに晒され白みを帯びて霞んでる。

「あなたはどこですか、まだここにいますか」

　走って苦しんで芝生に転がって笑ってたあなた。

「やめちまおうか。いや、まだ俺は砕けないよ」

　ぐっっと握った拳を空にむけてその先を睨んで飛び起きる。

　まっすぐに前を見るあなたが好きです。

　飛び散る汗も、浴びるように飲んでいるペットボトルそらされた喉が動いている姿も美しい。

　あなたの前には希望があって、そこに至るにはトラップだらけ壁だらけ。

　あなたはどこですか。

　まだ、ここにいますか？

　夢追う原に、まだいますか？

　私はもう、見守れません。

　私の認知は過去に固定されたのです。

　見落としたヴァイタルサイン。

　そして溺れる者は罠をも掴む。

　私の人生に代打なんていない。

　あなたの人生にも代打なんていない。

　あなたは確かに私の希望。

　私はあなたに夢追う原に居続けて欲しい。

　あなたはどこですか、まだ、ここにいますか？

　晴れ渡る空に白い雲が踊る。

　石砂利の小道。遊具にもたれて芝生を見つめる。

　シロツメクサが覗いてる。

　小さなポピーが揺れている。

　私はあなたの中にまだいますか？