ようじょ
使用お題ひとつ
「私がどんな女かも知らないで」
そんなことを口走る幼女をヒョイっと抱き上げる。
「聞いていうの?」
興奮すると舌ったらずになることは知っている。
じたじたふわふわとスカートが揺れる。
「パパのとこ、いきたいんじゃないの?」
そう囁けば、じたじたとした動きが静かになる。
「ミゼットはイイコだからイセリのお手伝いするの……」
世話係の名前を呼びながらもキュッと服を掴んでくる幼女は五歳。
三歳と二歳の二人の妹を持つお姉ちゃんだ。
はじめて会った頃のアンジェリーナと瓜二つの少女はとても保護欲を誘う。
同時に心がキシキシ痛いという複雑さ。
イセリの許可を貰ってミゼットを連れ出す。
「パパみたいな赤毛だったらママね、嬉しかったみたいなの」
えー。それは嫌だなぁ。
「ムーサンはミゼットがミゼットでいいの?」
もちろんと頷けば嬉しそうに笑って「大きくなったらお嫁さんになってあげる」と抱きついてくる。
今だけの口約束。
「ザンネン。ムーサンはイセリをお嫁さんにするんだよね」
「ザンネン。イセリはあげないもの」
高校生と遊ぶミゼットを見守る。
「犯罪者?」
セスの、ミゼットの父親の言葉にジロリと睨む。
赤い髪薄い緑の目細く華奢に見えるその手が意外に凶器なことを知っている。
私がどんな女かも知らないでだって?
知っているさ。
君は悪魔に護られた可愛い天使。
まぁ、きっと君を守るためなら悪魔の一人になるよ。
とにあへのお題は『私がどんな女かも知らないで、』です。
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