表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自縄遊戯  作者: とにあ
143/419

マリッジブルー

使用お題ひとつ

 


「なんか面白いことないかな」

 ムサシの言葉に生ぬるい眼差しがむけられる。

「今、対応範囲外の出来事はいらない」

 ミコトがイベント情報誌を睨みながら答えてる。

「式の規模はー?」

「入籍と写真。……そう言えば、タマキは?」

 ムサシの追加の問いに答えつつ、混ざれとばかりに俺にふってきた。

「うちの両親と叔父夫妻への紹介の食事会くらい。むこうのご両親にもご挨拶行きたいけどな」

 甥っ子がちゃんと式はするだろうから、時期のかぶる俺はひっそりとしておく。

「ふぅん。写真撮るなら衣装くらい用意できるからいつでも声かけろよ」

 さんきゅと声をかけてからムサシを見る。

 床に寝そべって死体偽装か。

「ああ。リア充共め。非リアな俺は生きる事さえ面倒くさいよ」

 学生時代一番リア充だった奴のセリフだ。

「むっちゃん、付き合ってる子達多かったよね?」

 小中高とムサシとは六割同じクラスで過ごした仲だが、彼女のいる時期は多かった。長続きして二ヶ月だったけど。

 その間は浮気しないらしいが、別れたら、二時間後には新しい彼女がいる事も多々あった。マジリア充だったはずだ。

 長続きしない理由は相手を追わないとこも大きいんだろうな。

「むっちゃんはちゃんと彼女を優先しないと」

 ミコトが苦笑する。

「えー」

「友情優先はありがたいけどなぁ」

「だろー?」

「だからホモな噂が立つんだろお前ら」

 仲良く戯れる二人に一声かけると揃って非難の声と眼差しが寄越される。噂があったのは事実だ。たまに俺も捻じ込まれて参ったんだから確かだ。

 ミコトと俺が相手を決めて、とたんフリーなムサシの恋愛事情。

「せめて隣にいたいって思える相手がいればなぁ」

 モテるが特別のいないムサシは床の上で目障りにうだつく。

「むっちゃんお付き合いまではいくのに」

「友情と恋人とか、仕事と恋人とか選べってキッツイよな。友情と仕事に決まってるしさ」

「むっちゃん、ソレ相手には……」

「はっきり告げてる!」

 俺とミコトが視線を交わす。

「ムサシ、酒出してやるよ」

「むっちゃん、俺の相談にのってくれた時は女の子のエキスパートみたいに頼りになったのに……」

「トレバーは特殊系だったけどな。あわれむなぁああああ!」

 男三人の夜はくだらない会話で更けていく。





「タマキ、彼女は今日?」

「先輩のとこ」

「仲良いのか?」

「先輩、ウチの甥っ子より年上なの気にしてるし、甥っ子跡継ぎ長男だしでマリッジブルーらしいから。ミコトんとこは?」

「……叔父さんが帰って来てるからべったり。トレバーたちファザコンだから」

「……そう」



「なんか面白いことないかな」「生きる事さえ面倒くさい」「せめて隣にいたい」という3つの台詞を盛り込んで、元気なお話を創りましょう。

https://shindanmaker.com/616070

みんな元気です♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ