あのね
使用お題ひとつ
君だけでいい。
心も、身体も、全部あげる。
大切にしてあげる。
一番にも二番目にもしてあげられないけど、君だけでいいんだ。
手に入らないものよりは大切だけど二番目以下がちょうどいい。
そんなことを言われて微笑まれてどうしろっていうんだろう。
なによりも誰よりも自分の命よりも好きだと告げた返事がそれ。
一番にも二番にもなれない。
なぜと問えば、『忘れられないから』と返された。
死者に勝ちたいというのは違うと知ってる。
終わった命にその心に残る存在ごと好きになることはできなくても、好きなあなたを作り上げた大きな要因はその存在なはずで。
ああ。
納得できるはずもない。
「きっと誰にでも言うんですよね」
「そうだね」
苦い想いを込めて責めるように告げてもあなたはその言葉すら認める。
「でもね」
睨みつければ微笑まれる。
「君は君だけでいいんだ。心も、身体も、全部、君が君であるために必要なものだよ」
贈られたやわらかな笑顔と言葉に返すべき言葉が出ない。ただあなたを睨む。
「だから、理不尽だと思うなら怒っていいんだ。癇癪を起こしたってかまわない。欲しいならあげられるものは全部あげる。君が大事で大切だから」
「好きです」
「ん? ありがとう」
「だから」
「だから?」
「あなた自身を大事にしてください」
柔らかな微笑み。握り込んだ拳が傷む。
きっと、聞いてくれない。
視線をちゃんと合わされてにこにことあなたは問う。
「どうして?」
あなたは「心も、身体も、全部」「君だけでいい」「大切だけど二番目以下」というお題を使って書いてください。
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