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人型モンスター転生少女『ミノリさん』の義娘子育て記録【本編完結済】  作者: OPK
番外編2 もう一人のミノリの家族計画。
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番外編2-1. さあどうしよう。【並行世界ミノリ視点】

並行世界の物語になりますので、本編のミノリたちとは同じ名前とほぼ同じ容姿を持った別人になります。そして並行世界はメインの話ではないため比較的すぐに月日が飛びます。

──ここはミノリが偶然夢で迷い込んだ『普段のミノリ達との世界とは似て非なる並行世界』。これはミノリがそちらの世界に迷い込み、そしてネメがもう一人のネメと出会った事によって、大きく運命が変わった少女たちの物語のその後のお話。



 ******



「はぁ……ミノリにお願いされた事って、私だけじゃどうしようもないのよねー。さて、どうしようかしら……」


 私の記憶の大元である『別世界のミノリ』が元の世界に帰った後……私は腕を組みながら廊下を歩いていたけど……きっと私は無意識の内に眉間に皺を寄せていたと思う。


 そんな顔になってしまった原因はあっちの世界のミノリに託された2つのお願い。それを私はどうしたらできるのかミノリが元の世界に帰ってからずっとずっと考えていたわけだけど……なーんの策も浮かぶはずもなく。


「正直、ネメを助け出す事ができたのは私自身がモンスターだったからこそなのよね。私の事を他のモンスターはそこらに無数にいるモンスターの一匹程度という認識で気に留めようともしなかったから難なくネメが幽閉されていた場所に忍び込めてネメを助け出せたわけだし。……逆に人間側の拠点となるとまるっきりダメだもの、そもそも私そんなに強くないし」


 実際、ネメを助け出すのに掛かった6年の中で一番苦労したのは人間が棲む町の中に入ったりとか船を使ったりといった、人間の文明を使ったり、人間が無数にいる場所に入らなくちゃならなかった時。


 だって万一私がモンスターだってバレてしまった場合、運が良くて逃亡成功、運が悪ければ死亡するという生か死かみたいな運命しか見えないし。ちなみにもう一つ、捕獲されて闘技場に売られるついでになぶられるという選択肢も考えられるけどこれについては考えたくない……。


「それにしても今更だけど……よくまぁあんな人がわんさかいる街や逃げ場のない狭い船の中で私がモンスターだとバレなかったなぁって今でも思うもの。

 さてと、ひとまずミノリの話から考える限り、リラって子を助けるのなら私一人でも大丈夫だろうって思うのよね。現在どこに隠れているのか全くわからないしいつ連れてこられるのかわからないっていう大きな問題はあるけど待っていればいつかは北の城で会えるのは間違いないし。

 ……それに対してクロムカって子は私一人じゃ絶対無理」


 だってクロムカって子、今はまだ人間なんでしょ? 私はミノリの意思や記憶を引き継いで生まれたようなものだし、そんなミノリのお願いを無碍むげにする気だって無いから助けてあげたい気持ちはあるんだけど……基本的に人間とモンスターって相容あいいれない存在同士なわけで……。


「いくら子供といえどもクロムカって子が私を拒絶するような態度を見せたり、それどころか退治しようなんて動きを見せたりしたら……多分私、その瞬間にモンスターとしての本能が湧きたってしまってクロムカって子を殺してしまいそう。……そう考えると、やっぱり難しいわよミノリのようにするなんて……」


 ミノリの意思や記憶を継いでいるのにミノリと同じようになれないのは……多分、自分がこの【ゲームという箱庭で生まれた存在】で、モンスターで人間と敵対するはずの存在だという考えにも縛られているという、どっちつかずの状態になっているから。


 ……愚痴っても仕方ない事だけどやっぱりあっちの世界のミノリはずるいなって思う。あのミノリ、心は完全に人間だし、さらに【箱庭の外】から転生してきたわけだから今の私みたいな固定観念すら持っていないから人間でもモンスターでも分け隔てしなく接するし。


「はぁ……やっぱり私一人じゃこれ以上考えても無駄よね。ネメとトーイラに相談した方がいいに決まってるわ」


 という事で私はネメ達に相談しようと探しはじめた。……そういえばこの家にいつの間にかシャルって名前のピンク髪の変な女モンスターもいつの間にか居ついてしまったけど……あの子も一応私たちの仲間って事でいいのよね多分。

 なんだかんだ役に立ってるし、トーイラとも意外と仲良さそうでよく一緒にいるし、あっちのミノリから話を聞いた限りでは向こうでも家族みたいだし……ネメとふうふというのが腹立つけど。


「まぁこっちでの扱いはトーイラの取り巻きとか部下とかそんな感じでいいのよね……あ、ネメ発見」


 そんなどうでもいい事を考えながら廊下を歩いていると、向こうからネメが歩いてくるのを見つけた。

なんだか悩んでいるみたい? まぁいっか。


「ネメ、ちょっと今いい? 私、あなたとトーイラに相談したい事があって……」


 私がそうネメに声をかけると、意外にもネメは『あれ?』という表情を私に見せた。そして……。


「ミノリもなの? 実は私もミノリとトーイラに相談したい事があってこれから2人を探そうとしていた所だったのよ。……それにしてもおんなじタイミングなのって不思議ね」


 ネメもどうやら私の事を探そうと考えた所だったみたい。だけど何で同じタイミングだったのかしら……もしかして相談してみたいことも一緒だったり? 私はつい冗談半分でネメに尋ねてみた。


「もしかしてネメの相談って誰かを助けなくちゃいけないみたいな話だったりする? 2人ぐらい」

「!! そうだけど……なんで人数までわかったの!? ……えっと、信じてもらえるかわからないんだけど……」


 冗談で聞いたつもりだったんだけど、ネメが相談したい事もやっぱり同じようだったようで、驚いた顔を見せたネメは、先程までネメの身に起きていたことを包み隠さず教えてくれた。


「実は私、さっきまで別の世界の私に会っていたの。【別の世界のミノリ】の記憶を引き継いでいるミノリなら私の言ってる意味も何となくわかると思うけど……」


 それからネメの話を聞いてみると、どうやら私とネメは二人して平行世界の自分と会ったという事になるみたい。そしてこれは偶然なのか必然なのかは知ったこっちゃないけど、『あっちの世界のミノリ』とネメが会ったという『並行世界のネメ』はどうやら同じ世界で家族として暮らしているようだ。


「なるほど……どうやら私がこの世界に生まれるきっかけになったミノリと、ネメが話したもう一人のネメは同じ世界で暮らしているのは間違いないようね」

「そうみたい。ミノリの娘になっている事も年齢も合ってるし、シャルと結婚している事も合っていて、娘まで生まれている所に、助けてほしい相手も同じな所を考えるとそれっぽい。……これで違っていたら逆にすごいと思うレベルよ」

「くすっ、そうね」


並行世界の2人が2人して同じ願いをしてしまった事に気づいて軽く苦笑してしまうネメと私だったけれど……逆にそのお願いが私たちの心に重責となって伸し掛かってきたような気もした。だって……


「だけど……2人からそれをお願いされたという事は……絶対に2人を絶対に助け出さないといけないって事になると思うのだけど……ネメはどう思う?」

「そうね、私もそんな気がする……そして2人とも助けるつもりではいるけれど、クロムカが無理だったとしても、絶対にリラの事だけは助けてあげたい……」


正直な所、私はネメとトーイラさえいてくれればという考えも心のどこかにあったのだけれど……どうやらネメは違うみたい。

 そしてそれを話すネメは少し思いつめたような顔で……きっと何か事情があるのかもしれないけどそれをネメはまだ教えてはくれなかった。でもきっとそのうち私にもその理由、教えてくれるに違いないから私はもう一人の救助対象であるクロムカって子について切り出してみた。


「それにしても……クロムカっての事が全くわからないのよね。12歳になったらキテタイハの町に来るんでしょ? まだあと3年もあるけどキテタイハに来ちゃう前だからそれまでに見つけないといけないのよね?」

「そう。だけどリラとクロムカを同時に助けるには人手が足りないから、リラについては私とミノリ、クロムカについてはトーイラに頼もうと思っているんだけど……ミノリはどう思う?」


 ネメが考えた案のように二手に分かれるのが最も効率的だと思う。


「そうね……私もそれがいいと思うわ」


だからこそ私はネメの案に同意した。だけど……。


「ねぇミノリ、いいと思うって言った割に……なんで少し暗い顔してるの?」


そしてどうやらそれが表情に出てしまっていたみたい。……隠しても仕方ないから私は率直に思ってしまった事を話すことにした。


「……だってさ、折角ネメとトーイラを再会させる事が出来たのにそれをやっちゃったら……また二人を離れ離れにさせちゃうんだもの……」

「あ……そっか。……気にしてくれてありがとうミノリ、だけど私は大丈夫だし、トーイラもきっと大丈夫って言ってくれるよ。だからトーイラの事探して早くこの事相談しよう」

「ええ……」


 ネメは大丈夫だと言ってくれたけど……私は2人にそれを強いてしまう事をすごく申し訳なく思いながらもトーイラ、ついでにシャルにもこの事を相談しようとネメと一緒にトーイラを探すことにした。

今までは毎日更新だったのですが、現在多忙につき、2,3日に1回更新できればと考えています。

また、番外編は全6~7回ぐらいになる予定ですが若干増減するかもしれません。

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