VS 巨大隕石
対隕石となりました。
審判員から許可を得たことで、私とカイナは共同でこの星を守ることができるようになった。
「とりあえず一時休戦として、ケンオウセイを守りましょう」
「メイさん、ありがとうございます」
「まず隕石の情報を教えてくれる?」
「分かりました。ではまた円卓をご覧ください」
先ほどまでケンオウセイ全体が映っていた円卓は、無数の星が描かれた映像に切り替わっている。
「これがケンオウセイです。そしてこちらが間も無く衝突するであろう隕石です」
カイナが指で示す。
「…これってケンオウセイくらい大きいんじゃない?」
映像を見て分かったが、隕石の衝突というより惑星と惑星が衝突するように思えた。
「はい、過去に例を見ない大きさなのです。本来であればこのような大きさの隕石は星の成長とともに、どこかの惑星形態に加わるか、留まることが多いのですが、この隕石に限っては猛烈なスピードで我々の星へ向かってきています」
確かにこれでは、隕石を小さくしたり割ったとしても破片が大き過ぎて被害は免れないと考えられる。
「あとどれくらいでケンオウセイに衝突しそうなの?」
「遅くとも72時間以内と考えられます」
「72時間!?」
あと3日以内にもう衝突するってこと!?
「なのでもう時間がないのです。惑星外へ逃げることも、迎え撃つ準備をすることも…」
「3日か…私に何ができるだろう。そうだ、シロマちゃん。スキルや能力を相手に教えることはアナザーバトルのルール上問題ないのかな?」
ピョコンとシロマちゃんがスマホから飛び出た。
「はい、メイ様。能力の開示については問題ありません。それ自体も作戦として利用できますからね」
あ、嘘の情報を出して相手を騙すってことか。
「ねぇカイナ、カイナが授かったスキルとか、出来ることを教えてくれる?もちろん私も嘘をつかずに自分の能力について教えるから、一緒に考えよう」
「…分かりました。カエデさん、私のステータスをメイさんに開示してください」
「かしこまりました、カイナ様」
そう答えながら、カイナの後ろからフワフワ浮いて出てきたのは桜色をした立方体だ。大きさはテニスボールくらいだろうか。
「こちらは私のアナザーレイドにおけるパートナーのカエデさんです。その色味から過去に存在していた植物の名前で呼んでいます」
桜色なのに楓か。地球とは似ているようで違う植物なのかな。
「ではこちらに」
とカエデが宙にカイナのステータスを映し出した。
ーーー
[086–カイナ1156号]
種族:人工物
所属:第16世界 ケンオウセイ シュウ国
主:コウウイ
スキル:『物質操作』『生体錬成』
特殊スキル:『身体強化3』『思考加速3』『機体操作』『植物産生(限定)』『生物錬成(限定)』
固有スキル:『知能付与』『全機指揮』
ーーー
わぁ…身体強化3と思考加速3ってそれだけでかなり強いよね…。
「カイナって強いんだね」
「はい、強くなりました。主に星を守る活動に専念していましたから、頑丈なボディと思考速度の上昇に努めました。それと生き物はいないので、単純な構造の生物ですが自分で創れるようになりました」
この星に特化した結果なんだろうなぁ。
普通に戦っていたら…おっと!危ない危ない。
「ねぇ、この固有スキルはどんな能力なの?」
「『知能付与は単純作業しかできない機械達に人工知能を搭載できるようになります。『全機指揮』は発動すると人工知能体を含めた全ての機械の指揮権を得ます。まぁもともと組織立って動く私たちにとってはそんなに必要な物ではないのですが」
すごいスキルじゃない?それ…。
「そ、そうなんだ。じゃあ私も開示するね!シロマちゃん、お願い」
ーーー
[春田メイ]
種族:人
所属:第12世界 地球 日本国
主:メディテイカム
スキル:『時間逆行』『記憶保持』『身体操作』
特殊スキル:『身体硬化2』『筋力上昇2』『視力上昇』『思考加速2』『身体再生2』『内臓強化』『痛覚遮断』『成分分析』『嗅覚強化』『聴覚強化』『抗体生成』
固有スキル:『記憶改変』『他体再生』
第16世界限定魔法:『気体操作』『酸素生成』
ーーー
「時間逆行…?つまり過去に戻れるということですか?」
「そうだね。まぁ制限はあるんだけど。
それにしても、二人のスキルを見ても何も対策が思い浮かばないなぁ」
特になんのアイデアも思い浮かばない。どうしようか…
いつも読んで頂きありがとうございます。




