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アナザーレイド  作者: 好日日和
VS 第32世界 アルツア編
23/62

情報と思考

 いきなりヨーイドンで開戦してしまったアナザーレイド。

 記憶保持スキルからアナザーレイドの対戦について、とりあえず言われたことを思い出す。


 勝つための条件は


 1.相手の生命活動を停止させる


 2.相手の戦意が喪失し、戦う意思がなくなる


 3.相手が「管理権限」の移譲を認める


 加えて


 対戦相手と対峙して「負けた」と思わなければ逃げることも戦略。

 一度対峙した相手とは必ず決着をつけなければならない。



 ということだったはず。



 うーん、昔からそうなんだけど、虫を殺すのすら(この虫達も懸命に生きているんだ)とか考えてしまって結局逃げられてしまう私にとって、相手の生命活動を停止させるなんて物騒なことはできないと思う。


 というか、誰かを実際に殺害しようとしたことなんて勿論無いし、職業柄助けてあげたいと思うことの方が多いのだ。


 とすると、勝つためには相手の戦意を削ぐか、管理権限の委譲を認めさせることになる。



 めっちゃ難しそ〜…


 まぁでもとりあえずやってみないとね。

 私の世界が無くなっても困るし。




 ーーー

「シロマちゃん、対戦相手についてもう少し分かることはある?」


 初戦の相手の情報は、第32世界の人(?)であることしか分からない。

 少しでも情報はあった方がいい。


「私がお伝え出来ることは基本情報だけです」


「じゃあ基本情報を教えて」


「はい、まず第32世界は創造主「アスティフラム」様によって創られました。世界の構造は第12世界と酷似しています。所謂「宇宙」があり、「惑星」があり、発生系統は違えどこの世界の「人」に似たモノたちがそれぞれの星を発展させています。


 今回の対戦相手である『ラベルテル』という星にある「アトジュニ王国」に住う「アルツア」も概ね人間といってもメイ様が考える人間像と相違ないでしょう」



「そうなんだ。じゃあ相手もスキルを使ってくるってことかな?」


「はい、加えて地球では発展しなかった思念放出術の使い手でもあります」


「思念放出術?」


「わかりやすく説明すると『魔法』ですね」


「ま、まほー…」



 今回もまた自分の想像を超える話が出てきて頭が真っ白になる。


 魔法なんてマンガとゲームでしか知らないよ〜。


 ていうか魔法ってなんでもアリなんじゃない?凄い不利じゃない?私…



「魔法とスキルの使い手と戦うんだね…

 うん、その情報だけで勝てなさ」


「おっと!メイ様、既に対戦は開始しております。戦意の喪失は負けとなりますよ」


 しまった!

 大丈夫大丈夫…

 魔法といっても手品みたいなものさ。

 うん、そうに違いない!

 そうに違いない!!


 無理矢理自分に言い聞かせて、折れそうな心を立て直す。


 大丈夫、絶対勝てる。

 勝たなきゃ私の大事な人達が、この世界が消える。

 だから負けられない。


 大切な人への想いを呼び起こし、気持ちを奮い立たせる。



「ありがとうシロマちゃん、私戦えるよ」


 気持ちを立て直すきっかけをくれたシロマちゃんにお礼を言う。


「いえ、私は何もしておりません。事実を述べただけですので」


 ホント優しいんだよねシロマちゃん。



 よし、と気を取り直して説明の続きを聞く。



「メイ様、魔法といってもスキルと同じようなものですよ。メイ様の身体再生も言い換えれば「治癒魔法」にあたりますよね。思念放出術も原理があり何かの作用があって現象発生となります」



 そっか、と簡単に納得できた。現象が起きるには必ず理由がある。


 原理はわからなくても、現象を封じる手立てはあるはずだ。

「呪文を唱えて魔法が出る」なら

「呪文を言わせない」


「念じることで魔法が出る」なら

「念じさせない、またはそれを妨害する」


 幸い、私には思考加速と時間逆行がある。

 過信しているわけではないが、このスキルは初めて会う敵とその能力を考えるためには有利なスキルだと考えている。



「冷静に考えたら有利なスキルを持ってるんだね私」


「そうですね。時間逆行については半分反則みたいなものですから。何せやり直しがきくので、スキルを見破れない相手にとっては驚異でしょう」


 シロマちゃんの肯定を受けて、もう少しやる気を取り戻す。



 とりあえずスキルも増えてることだし、一旦日記を書いて戦いに望もう。




 そう考えて、今日の日記を付ける。

皆様が読んでくださることが励みです。

いつもありがとうございます。

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