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アナザーレイド  作者: 好日日和
死の運命編
20/62

閑話 与えられた名前

 私は『全多重世界知識技能支援協会』の特別選別者支援員である、識別番号「KSー8102M0707号」


 専従者であるメイ様からは「シロマちゃん」と呼ばれています。

 過去の専従者からは「ファイル」とか「7号」と呼ばれていたので、メイ様が固有の名前を与えてくださったことがとても嬉しかったです。


 私を含めた『全多重世界知識技能支援協会』ー通称「全知技協会」の支援員は、私達を創られた創造主様方の「アナザーレイド」各世界代表者たちに担当を割り振られ、アナザーレイドに必要な技術や情報をサポートしています。



 私が担当することとなったメイ様は、第12世界の地球という星に住う人間でした。



 調査したところ、この地球における小さな島国である日本国の若い女性は、「丸い」「小さい」「フワフワな毛がある」「白い」「尾がある」といったものを好む傾向があるため、私は情報をそのまま再現した格好で、メイ様にお会いすることとしました。



 当初、この世界の情報端末機から呼び出し指令があったため、画面から出現したところ、メイ様には大変驚かれました。

 どうやらまだこの星には受け取った情報をその場で具現化する技術はなかったようです。



 初めてお会いしたメイ様は、この国の平均より目は5%程大きく、目鼻口のバランスが整っており、肌は黄色より白色よりでした。髪色は黒色、ツヤがある真っ直ぐな髪で、後頭部あたりで一つに纏めておりました。

 主観ですが年齢よりもお若く見えました。



 身体的特徴を把握するためスキャニングすると、身長160cm 体重49kg スレンダーな体型をされておりました。筋量は同年齢の女性平均に比べて8%程多く、脂肪は6%少なく結果でした。



 私が呼ばれたということは漸く与えられた仕事ができるとつい興奮してしまい、色々と説明しようとしたら、メイ様より止められてしまいました。


 メイ様は大変驚かれていましたが、少し状況を把握された時に、私の名前を聞かれました。

 支援員は専従者が頭でそれと認識するだけで呼び出すことが出来るので、特段識別番号をお教えすることもないだろうと考えました。


 するとメイ様は何やら『うんうん…』と唸り、小さな声で『シロマちゃん』と頭で私を認識してそう呼びました。



 その時は大変感動致しました。何せ、初めて識別番号や用具名以外の名前を頂きましたので。


 私達の様なただの道具に固有の名前をつけてくださるなんて、創造主様方でもなされません。とても特別な事だったのです。



 私は多分その時に、支援員に求められる『公平性』というものを少し消去してしまったようです。


 その後、メイ様のスキルアップ訓練や情報提供など、他の支援員が行わないことも、ついメイ様のためと思い、お手伝いさせて頂きました。



 先ほどメイ様は、少し予定と異なる事態がありましたが、無事に死の運命を自力で回避することが出来たようです。

 その後、「運命と時の神様」が現れ、メイ様と色々話をされていましたが、今後も「運命と時の神様」は関わってくるとのことです。



 あ・の・神様は良くも悪くも影響力があります。創造主様方よりも遥か昔より存在されているそうで、創造主様方と同等かそれ以上の力があります。



 アナザーレイドにどう関わってくるかは分かりませんが、メイ様が守ると決意したこの世界を私も守るべく、出来る限りのことはしようと決意しました。



 死の運命が回避されたので、いよいよアナザーレイドに参加となります。

 メイ様には今以上に強くなっていただかなくては…


漸くメイの容姿を書くことができました。

シロマちゃんの視点では些かわかりにくいですが、身長高めのスレンダー体型です。顔はやや童顔、下すと肩下くらいになる黒髪を、仕事のために後ろでポニテにしています。

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