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アナザーレイド  作者: 好日日和
死の運命編
14/62

ステータス

「メイ様、ご自身のステータスについて確認されますか?」



 私が事故に遭う前日、シロマちゃんがそう提案してきた。


「ステータス?あのゲームとかでよく見るやつだよね?」


 小中学生の頃、男子に混じってゲームをしていたことを思い出す。


 そういえば、それぞれのキャラクターに体力とか技名とか、色々表示されてたなぁ。



「そうですね。メイ様の現状を見て確認できるものになります。ご覧になりますか?」


「うん、見せてほしい!」



 どんな風に私の現状は出るんだろう…

 ちょっとワクワク。



 ーーーー

 [春田メイ]


 種族:人


 所属:第12世界 地球 日本国


 主:メディテイカム


 スキル:『時間逆行』『記憶保持』『身体操作』


 特殊スキル:『身体硬化』『筋力上昇』『視力上昇』『思考加速』『身体再生』『内臓強化』『痛覚遮断』


 固有スキル:-


 ーーーー


 普通だ…自分が知ってる情報と何ら変わりない。


 ちょっとガッカリ…




 スキルの練習を開始してから、私は思いつくままに身体操作×記憶保持で出来ることを探した。

 結果、身体を強化する能力が多く身についた。


 簡単に言えば、物理的なダメージは受けにくく、疲れにくく、筋肉量が上がり、考える速度が増した。それらに耐えられるよう心臓や肺、血管や脳細胞を強くした。



 爪や肝臓が再生することに着目し、その作用を手や足など応用してみた。結果、少し時間はかかるが可能であった。



 身体再生を思いついた時、我ながら良いアイデアだ!とか思っていたけどら実際やるとなると本っ当に怖かった。


 仕事柄、人に針を刺したり事故で大きな怪我をした直後の人も見ることがあるため、所謂グロ耐性はあるのだが、自分がされるのとはまた訳が違う。



 痛覚遮断を念入りに行い、目を瞑ったまま、シロマちゃんに左手小指の先端2mmを切断してもらった。

 目を開けてその光景を見た時は血の気が引いて倒れそうだったが、なんとか持ち堪えて身体再生を行った。小指は5秒くらいで元に戻った。



 …痛くなかったが、正直もうやりたくはない。少なくとも自分で試すことはないだろう…



 ーーーー


 スキル練習は私が考えていたよりも、ずっと効果的だった。


 人間離れした能力が身についたが、死ぬよりよっぽどマシだ。


 この6日間、一度も忘れることのなかった家族の悲しむ顔、死という絶対的なものへの絶望感と恐怖。


 スキルを授かる直前の出来事だが、私の心に深く刻まれている。




 明日はいよいよ私が事故に遭う日だ。

メイさんは色んなスキルを身につけました。想像力が逞しいですね。


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