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アナザーレイド  作者: 好日日和
死の運命編
10/62

忠告

そろそろ物語が動き始めます。

 シロマちゃんから重要事項を聞かされた後は、普段通り歯を磨いてテレビを見てから寝た。


 シロマちゃん曰く、私は来週の事故が起きる日までアナザーレイドは発生しないそうだ。


 そしてその間に自分のスキルについて練習をすることになっている。



「とりあえずは特訓をして戦いに備えるってことね」


「はい、まずはメイ様がご自身のスキルを安定して使いこなせるようになることが先決ですので」



「今日はとりあえず凄く疲れたから、もう寝るね。明日もよろしくね、シロマちゃん」


「はい、おやすみなさいませ。メイ様」


 そう言ってシロマちゃんは私のスマホに吸い込まれるように消えていった。



 私のスマホ、シロマちゃんの家になってるのかな…


 なんか変な感じだな、と思いながらベッドに潜り込む。



 電気を消すとすぐに眠たくなってきた…


 ホント、目まぐるしい一日だったなぁ…


 …




 ーーーー


『こんばんは、メイさん』


『え?あ、こんばんは…』


 見知らぬ人に呼ばれて、反射的に返事をする。


 ていうか、ここどこ?


 なんか全部真っ白で、見渡しても何もない。


 いや、正確には何もないことはない。


 誰かがこちらを向いて立っている。



『送ったファイルから、スキルとかアナザーレイドの説明は受けたようだね』


『え、あなたは…メディテイカム様?』



 メールの添付ファイルから説明を聞けと言った人物なんて創造主のメディテイカム様しかいない。



『そうだよ。こうして会うのは初めてだね』



 事故の時は声しかせず、その後はメールでのやりとりだったので、初めてその容姿を確認する。


 肩まであるサラサラした金髪で中性的な顔立ち。明るいブラウンの瞳。服装は金色とも白色とも判別つかない一枚の大きな布で、両肩から足首まで覆っている。手首足首にはアクセサリーらしきものを身につけている。


 細身ではあるが、その笑顔と声色から、全てを包み込んでくれそうな雰囲気を醸しだしている。



『あの…ここどこですか?』


『ここは君は夢の中だよ。僕が少しお邪魔させてもらっている』


 そんなことまでできるんだ…

 流石創造主様…


『まぁね。神とか魔王とか色々な呼び名が付いてるけど、基本的には僕が創って破壊してをしてるだけだからね。この世界の理には殆ど干渉できるよ』



 …こちらの考えていることまで読み取られてるみたい…

 でも何の用で私の夢なんかに?


『いや、ちゃんと挨拶しておこうと思ってね。ほら、これから君には多世界の代表と戦ってもらうわけだし。ルール上、創造主は代表者に深く干渉することを禁止している。創造主並の力を代表者に与えたら、あっという間にアナザーレイドは終わっちゃうからね』



 確かに、各世界の代表者に創造主の力を与えては、それはもう「ゲームで決着つけよう」と言っているのに、ゲームせずに直接殴り合いになるようなものだ。


『そうそう。でも会話くらいなら大丈夫さ。君には頑張ってもらいたいからね。叶えたい願いがあるんだろう?まだハッキリと決まってないみたいだけど…。それに多世界の管理権限が僕のものになるのも魅力的だしね』



 なんとなく考えている「私の願い」と、メディテイカム様が望む「多世界の管理権限」は、同じゴールだ。どちらも私が勝つ事で得られるものである。



『先ずは一週間後の君が死ぬ予定だった事故をちゃんと回避してね。じゃないと2度目は無いから。

 それと、スキルに関して特訓が始まると思うんだけど、スキルの名前や聞いた説明に捉われないように。これは僕からのヒントだと思って覚えておいてほしい。じゃあまたどこかでね…』


 そう言い残すと、メディテイカム様は光の粒となりスゥと消えてしまった。


 最後の「事故の回避」と「スキルの使い方」については多分メディテイカム様の忠告だろう。



 まず、あの事故を回避しなければ…!

いつも読んでくださりありがとうございます。

皆様が読んで下さっていることを励みに書いております。

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