第40話 シュインツ攻城戦
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というわけで、本日3回目の更新だぁあぁぁぁぁぁぁあああ!!
シュインツの駐屯兵たちは、たちまち城壁に集まった。
遠くを眺める。
薄く土煙が上がり、その下には異形の姿をした者たちが行軍していた。
その先頭を歩くゴブリンが手にしていた旗には「角」の紋章が描かれている。
見たことのない旗印に、異形の軍団。
数も駐屯兵が1400にも満たないのに対し、相手の数はおよそ倍。
駐屯兵たちが竦み上がるのも無理はなかった。
しかし、駐屯兵の指揮官は兵たちを鼓舞する。
「恐れるな! 確かに相手の数は倍数だ。だが、我々には数々の兵器がある!!」
ざっと布を取り払う。
城壁の上に現れたのは、大きな弩弓であった。
「ここにある兵器! そしてシュインツが誇る城壁! これさえあれば、たとえ3000の兵だろうと恐るるに足りん! 5日……いや、3日だ! 3日待てば、必ず同盟都市から援軍が来る! それまでなんとしても死守するのだ!!」
「「「「うぉおおおおおおおおお!!」」」」
竦み上がっていた兵の士気が上がる。
いよいよ対決の機運が高まり、両軍はぶつかり合うことになった。
魔族軍は隊を分けるわけでもなく、南門へ向かって前進してくる。
行軍の音が強くなり、地鳴りのように響いた。
砂煙が立ち、いよいよその姿が見えなくなる。
指揮官はニヤリと笑う。
「単細胞生物どもめ! ただ闇雲に前進するだけで、このシュインツを攻略できると思っておるのか! ――構えよ!!」
攻撃の第一陣である弓兵たちが、弓を引く。
大型弩弓の準備もできていた。
あとは指揮官の合図次第だった。
射程内に入っても、指揮官は命令を出さない。
よく引きつけ、最大効果範囲を絞った。
「はなてぇえええええええ!!」
怒声が響く。
その瞬間、綺麗な放物線を描き、矢の雨が魔族たちに降り注いだ。
さらに大型弩弓が放たれる。
大きな矢尻が着弾し、大きな土煙を上げた。
「がはははははは!!」
指揮官は反り返りながら、大笑する。
「思い知ったか、悪魔め! 弓兵、打ち続けろ! たっぷり矢を食らわしてやるのだ! 工兵部隊! 弩弓の次弾だ! 急がせよ!!」
指示を出す。
だが――。
ゴゴゴゴゴゴゴッ!
地鳴りは収まらない。
むしろ近づいてきている。
指揮官の側の小石がカタカタと震えていた。
「ま、魔族の勢い止まりません!!」
「なんだと!!」
兵たちの悲鳴のような報告に、指揮官は振り返る。
その時だった。
土煙の中から矢が現れる。
側にいた兵の眉間を貫いた。
「――――ッ!」
指揮官は目を剥いた。
当然だ。
攻城戦に際して、弓を使うのは定石である。
だが、高いところから射かける矢に対して、下から射かける矢はどうしても威力が減衰する。
さらに弓兵は城壁から放たれる矢を避けるために、射程ギリギリまで下がる必要がある。
以上のことから、下から射かける矢はさほど怖くない。
無視してもいいレベルなのだ。
しかし、今駐屯兵を襲う矢は違う。
十分人を射殺せる威力を持っていた。
射手の実力か。
あるいは近くで撃っているかのどちらかだ。
次々と弓兵たちが魔族側の矢の餌食になっていく。
狙いこそあまり定まっていない。
が、数が違う。
こちらの1本に対し、相手は2本応射してくる。
しかも、こちらの矢に全く怯んでいない様子だった。
(一体どんな射手なんだ!)
指揮官は頭を低くしながら、そっと下をのぞき込む。
土煙の合間から見えた異形を見て、再び指揮官は叫んだ。
「スケルトンだと!!」
そう。
スケルトンだ。
軍のほぼ前面に立ち、城壁に向かって射かけている。
その距離は近く、こちらの弓の射程に入っていた。
それでも構うことなく矢を放ってくる。
それもそのはずだ。
スケルトンには刺突攻撃が効かない。
むろん矢も例外ではなかった。
指揮官のこめかみの横を矢が通りぬけていく。
慌てて、頭を引っ込め、兜を被り直した。
だが、指揮官の受難は終わらない。
「城壁に取り付かれました!」
「う、狼狽えるな! ヤツらには梯子も攻城櫓もない! この城壁を上ることなど不可能だ!!」
そうだ。
魔族どもの装備から見て、梯子も攻城櫓もなかった。
破城槌を仕掛けてくる雰囲気もない。
(城壁を突破されぬ限り、シュインツが落ちることはありえぬ!)
心の中で力強く――しかし神にでも祈るように――断言する。
その時だった。
敵に背を向けた指揮官の背後に、大きな影が広がった。
◆◇◆◇◆
シュインツの駐屯兵たちが思わぬ苦戦を強いられている頃、第六師団師団長ヴァロウは、後方から戦況を眺めていた。
彼の側にはメトラしかいない。
ルロイゼンの駐屯兵を除く、すべての戦力を投入し、シュインツを落としにかかっていた。
「弓兵にしたスケルトンは効果抜群ですね、ヴァロウ様」
魔族軍有利と見たメトラの声は明るい。
だが、ヴァロウはいつもの無表情を決め込んでいた。
戦況はいつもヴァロウの手の平の上だ。
しかし、油断はできない。
戦場では考えもつかない奇跡が、度々起こる。
戦の最中において、油断こそ最も考慮しなければならない大敵なのだ。
「スケルトンの魅力は刺突攻撃に対して強い点だ。攻城戦では、その強みを存分にいかせる」
攻城戦において、相手の攻撃はどうしても飛び道具になりがちだ。
特に矢は1番の主戦武器になるだろう。
だが、スケルトンには概ねその攻撃は効かない。
そのため城壁の近いところで撃っても問題なく機能できるのだ。
「さすがに弩弓にはやられてるようですがね」
「問題ない。あの大型の弩弓は連射ができない。その前に、俺の第二部隊が城壁を突破するだろう」
「“俺の”だなんてあの方が聞いたら怒りますよ」
メトラはクスリと笑う。
だが、ヴァロウは訂正しない。
静かに戦況を見つめるのみだった。
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