第37話 大要塞同盟離脱
日間総合22位まで上がりました!
お昼が38位……。じゃあ、次は一桁か!
そこまで返り咲くのか!?
1日2回とか女々しいこといってられねぇ!
嬉しくて、3回投稿だ!!
久方ぶりにルロイゼンにある書斎に戻る。
本や書類に囲まれ、眺め自体は魔王城にある私室と変わらない。
だが、常備されている茶葉の味が違う。
ヴァロウから言わせると、魔族領土で取れる茶葉の味は、人類のそれと比べると、ひと味足りない。
1度、水と肥料のやり方を同じにし、育ててみたことがあったのだが、それでも味が同じになることはなかった。
どうやら土の違いが影響しているらしい。
魔王城に戻る際には、仕方なくルロイゼンから持ち出したのだが、結局5日でなくなってしまった。
久方ぶりの茶葉の味に、ヴァロウは思わず眉宇を動かす。
その鉄面皮が大げさに動くことはなかったが、横で見ていたメトラには、上司が笑っているように見えた。
ヴァロウの書斎に集まったのは、メトラ、ザガス、エスカリナ、ペイベロ、そして衛士長だった。
「まず単刀直入に聞こう……。北で行われている反乱はどうなった?」
ヴァロウは切り出す。
やや重たい空気を纏いながら、エスカリナは口を開いた。
「反乱は鎮圧されたそうよ。死者7000。死傷者を含めると、その倍の数になるわ。そのほとんどが反乱軍側の犠牲よ」
「そうか……」
ヴァロウは1度瞼を閉じる。
静かに黙祷を捧げた。
その瞼が持ち上がるのを待って、エスカリナは言った。
「あなたは最初、わたしたちに言ったわ。『卑怯だとののしられるような戦法も、俺は躊躇なく使うだろう』って。それが今回のことを指しているなら、わたしはあなたに軽蔑を禁じ得ない」
「ああ……」
「でも、わたしは『覚悟している』ともいった。だから、今さら話が違うといって、あなたの胸ぐらを掴むことはしない。でも、教えてほしいの。あなたはこの空白の時間を得て、一体何を手に入れたの?」
ヴァロウは顔を上げる。
特に誇らしげな表情を浮かべるわけでもなく、ただ淡々と告げた。
「2000だ」
「2000!!」
エスカリナだけではない。
ペイベロや衛士長たちも目を丸くした。
「2000の魔狼族の師団を味方に付けた。こちらの受け入れ作業さえ済めば、すぐにでもやってくるはずだ」
「1個師団が援軍で来るの!?」
「少ないか?」
エスカリナは首を振った。
「2000の雑兵が来るならさすがに怒るけど、2000の魔狼族が来るなら話は別よ。凄いわ、ヴァロウ。一体、どんな魔術を使ったのかしら……」
「別に……。俺はただ予定通りのことを成しただけだ」
やはりヴァロウの口調は淡々としていた。
ティーカップの取っ手に指をかける。
皆が集まる中で、堂々と茶を啜った。
すると、エスカリナはペイベロ、衛士長と目を合わせる。
何か示しを合わせると、3人はヴァロウの前に膝を折った。
「ヴァロウ、聞いてほしいの」
エスカリナはいつになく強い眼光をヴァロウに飛ばした。
「わたしたちは、人間に槍を向けないとあなたに誓ったわ。でも、それを撤回させてほしいの」
「あなた方も戦うというのっ!?」
メトラは叫声を上げる。
エスカリナは力強く頷いた。
「反旗を翻したテーランとゴドーゼンの民衆に対して、大要塞同盟は何の温情も与えなかった。革命を首謀したものは、一族郎党打ち首になったそうよ」
「そんな……!」
メトラは息を呑む。
元人類側の姫君は「ありえない」とばかりに首を振る。
「大要塞同盟は反乱軍の声に一切耳を貸さなかった。それどころか自分たちの体面を保つために、民衆を抹殺した。もちろん、反乱軍に火を付けたのはわたしたちよ。でも、遅かれ早かれこういうことは起こっていたはずだわ。なのに、大要塞同盟はただ反乱軍を叩きつぶすという選択しか与えなかった」
「つまり、あれか? ビビって、こちらに付きたいってことか?」
ザガスはケラケラと笑いながら、口を挟む。
エスカリナは表情を変えなかった。
むしろザガスの言葉に同意する。
「ザガスの言う通りよ。わたしたちは恐ろしくなったの。大要塞同盟――いえ、今自分たちが支配している体制のあり方が……。どんな理由があろうとも、君主が民の声に耳を傾けないのは最低よ。民あっての君主、そして国なのだから」
エスカリナの言葉には実感がこもっている。
自分の父親がそうだった。
そして、その中で暮らしていた自分にも……。
「だから、わたしは正式に大要塞同盟を離脱することを決めたわ。あなたたちと一緒に戦うために……」
「それは民衆の総意か?」
ヴァロウはエスカリナの横で膝を折るペイベロと衛士長に、視線を向ける。
2人ともエスカリナと同じく力強く頷いた。
「今の世で商売するには、少々窮屈すぎますからね」
「ルロイゼン城塞都市駐屯兵200名。どうかヴァロウ殿の軍の末席にお加えください」
エスカリナ、ペイベロ、そして衛士長が頭を下げる。
ヴァロウはしばし考えた後――。
「……わかった。よろしく頼む」
「こちらこそ! よろしく頼むわ、ヴァロウ」
ここにルロイゼン城塞都市は、正式に大要塞同盟の離脱を決め、ヴァロウの軍の一部として加わることになるのだった。
面白い! 4回目は?
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