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【WEB版】叛逆のヴァロウ ~上級貴族に謀殺された軍師は魔王の副官に転生し、復讐を誓う~  作者: 延野正行
外伝 インタビュー・ウィズ・ヴァロウ

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第169話 今、明かされる真実……。

外伝という名の本編です。

今日更新されたコミカライズともどもよろしくお願いします。

 ヴァロウたちが聖地ノースドームから帰還し、1ヶ月。


 帰還直後、発表された魔族と獣人の前代未聞の同盟締結は、世界を驚かせた。

 この後、奇妙な現象が起こる。

 新魔王城ゲーティアに続々と人類側の報道機関から、手紙が送られてきたのだ。

 それは同盟に関する質問状であった。


 実はあらかじめヴァロウは、この同盟締結に関して、魔族・人類問わず質問に返答することを約束していたからである。


 本来なら、魔族領に入った瞬間、手紙も送り届けた使者の命も破り捨てられるものが、魔族側の方から「どうぞ」と手を差し伸べたのだ。

 最初こそ面白半分に送っていた報道機関だったが、きちんと返送されてきた手紙に驚き、達筆な人語とその真摯な内容に驚いた。


 しかし、1番驚かせたのは、その返信先の相手の名前である。


 魔族軍第六師団師団長ヴァロウ……。


 魔族軍の中核をなすとされる魔王の副官の1人。

 今までその名前は、一般的には明かされてこなかった。

 その1人の名前が解禁され、さらにその名前がかの『最強軍師』と同じ名前なのである。


 民衆の興味は募り、質問状の内容は同名だけではなく、その名前の由来にまで及んだ。


 報道機関による報道合戦は加熱し、ついには検閲の取締が強化される。

 それでも報道合戦は止まらなかった。

 何故なら、検閲しても無駄だったからである。

 ヴァロウに届けられた人類側からの手紙は、ある人物からすべてもたらされたものだったからだ。


「よくやった、ペイベロ」


 ヴァロウはゲーティア城にある執務室で、部下を労った。

 ペイベロは少し大げさな動きで拝跪する。


 人類圏に報道機関と橋渡しをしていたのは、ペイベロであった。


「しかし、よく見つからないね、ペイベロさん」


 感心した様子で、見上げたのはアルパヤだ。

 今回、天使テガン相手に大立ち回りを演じた自称科学者(とががくしゃ)の傷は、すっかり癒えていた。

 相変わらず、機械油にまみれた生活を送っているらしく、執務室に来る前に手こそ洗ってきたのだが、鼻の頭に炭のような油の跡が付いている。


 それを拭ったのが、ウルリカだ。

 人魚族の少女は、アルパヤの鼻についた油の跡を擦る。

 ややぬめっているウルリカの手は、簡単に拭き取ってしまった。


「私たち海の魔物が、慎重に船を動かしているから見つかりっこないですよ」


 ウルリカは胸を張った。

 今でも、海の交易ルートはペイベロと懇意にしている商人以外に、バレていない。

 船を使っていることは、先の人類との二正面作戦において目撃されているため、すでに周知の事実となっているはずだ。

 それでも不思議と見つかっていないことに、皆が首を傾げた。

 もちろん、海の魔物による類い稀な操船技術もあるのだろうが……。


「それもあるが、ペイベロは人類圏にいる反政府組織とつながっているからだ」


 ヴァロウは事も無げに言う。


「え――――?」


 絶句したのは、メトラだ。

 その横で聞いていたルミルラは「やっぱり」と肩を竦める。

 最初から聞く気のないザガスは、執務室にあるソファに腰掛け、大あくびをしていた。

 もちろん、アルパヤとウルリカも驚いている。


 反政府組織とはいえ、人間の組織である。

 ヴァロウほどの魔族が結託するならわかるが、ペイベロのような部下――しかも人間が、密かに反政府組織と繋がっていたとあれば、裏切りも甚だしい。

 人間で言うところの国家反逆罪である。


 だが、当の本人は悪びれることもなく、ただ肩を竦めるだけだった。


「やはり、バレていましたか」


「認めるのですか、ペイベロ」


 メトラはやや目尻を上げて、睨む。

 当然殺気がこもっていた。

 それでもペイベロが態度を変えることはない。


「はい。その通りですよ、メトラ様」


「あなた――――」


「よせ、メトラ。俺も黙認していたことだ」


 ヴァロウが制すると、メトラとしては引き下がるしかない。

 それでも、執務室の中心に立った商人から目をそらすことはなかった。


「一応訊きますけど、いつからですか、ヴァロウ様?」


「確信したのは、材木業者を紹介した時だ。あそこで得た利益を、人類国内の反政府組織に横流ししていたのだろう」


「あははは……。バレてましたか」


 ペイベロは苦笑いを浮かべる。

 ヴァロウの側でメトラは「よ、横流しまで」とさらに顔を赤くしていた。


 そのヴァロウの指摘は続く。


「だが、お前が人類国内の反政府組織とつながったのは、そこではないだろう。もっと前だ……」


「と言いますと……」


「しらっばくれるな。そろそろ正体を現したらどうなんだ? ペイベロ、お前は元々ルロイゼン城塞都市に潜伏していた反政府組織の構成員なんだろ?」



「「「「「?????????」」」」」



 皆の顔が固まった。

 メトラはもちろん、ヴァロウの弟子でもあるルミルラですら、固まっていた。

 今はいないが、もしこの事実をエスカリナが聞けば、間違いなく驚いていたことだろう。


 さすがのペイベロも驚いていた。

 ある意味、荒唐無稽な指摘である。

 ペイベロには、商人としての顔だけではなく、反政府組織の顔があると言っているのだから。


 だが、第六師団の中で財務を司る担当官は、ヴァロウの指摘について、一喝することも、怒鳴り散らすこともない。

 あくまで冷静に質問した。


「どうして、そう思われるのです?」


「最初会った時から変だと思っていた。お前はルロイゼン城塞都市前領主ドルガンの御用商人だと聞く。そのつながりがあれば、俺たちが本格的に占領する前に、逃げ出すことだってできたはずだ。なのに、お前は呑気に商売もままならない城塞都市に留まり続けた。おそらく情勢を見極めたかったのだろう。これが1つ」


「まだあるんですか?」


「テーランのレジスタンスを扇動する際、ヤケに早くお前は武器を揃えたな。あの時俺たちの戦力は俺とメトラ、ザガス、そしてスライムや入団し立てのゴブリンとアンデッドだけだ。武器がいらない状況で、何故あれほどの武具を揃えることができた? ルロイゼン城塞都市の衛兵の武器を整えるにしても、多すぎる量だ。あれは元々お前達――反政府組織がルロイゼン城塞都市を占拠しようと考えていた時に、残していた武器なのではないか?」


 ヴァロウは喝破する。


 饒舌なペイベロはついに口を閉ざした。

 すると、いつも巻いているターバンを解く。


「脱帽とはこのことですね。お見事です、ヴァロウ様。まさかそんな時から、わたくしを疑っていたとは……」


「じゃあ……」


「はい。ヴァロウ様の言う通りです。わたくしは、元々ルロイゼン城塞都市で反旗を掲げようとしていた反政府組織の人間ですよ」


 素直に白状すると、さらに続けた。


「とは言っても、数年後を見据えて――ですけどね。……わたくしは、前領主ドルガンに取り入り、ある物を調べていました」


「【雷帝】のことだろう」


「さすがのご慧眼ですね、ヴァロウ様」


「あれほどの大出力の戦術級魔法が使えるなら、さぞ反政府組織の助けになっただろうな」


「しかし、ヴァロウ様に使われた上に、連発できないと聞き、夢は露と消えてしまいましたがね」


 ペイベロは当時の心情を表すように、がっくりと項垂れる。


「ですが、わたくしたちは【雷帝】以上の戦力を見つけた。魔王の副官ヴァロウというお方を……」


「じゃあ、今まで交易がうまく言っていたのは?」


 ルミルラが質問する。


「反政府組織の人間を通じてです。彼らは口が硬いですからね。材木商といったのも、すべて反政府の人間ですよ」


「最初から私たちは、反政府組織の人間と取引していたってことを」


 事実に気付き、メトラは軽いパニックに襲われる。

 綺麗な銀髪をぐしゃぐしゃにした。

 横でルミルラが「そういうことになりますね」と吐息を漏らす。


「メトラ様、驚くのは構わないのですが、わたくしから言わせると、あなたの主君がそうとわかっていて、取引を続けていたことの方が驚きなんですよ」


「言っただろう、ペイベロ。商売については、一任すると。お前が何者であろうと、商売をうまく成立させるのであれば、俺は口出ししない。それが守れない時、俺は容赦なく首を切っただろうがな。だが、お前は――――」


「きちんと商売をしましたし、魔族にとっては良い取引だったはずです。裏切るような行為もしてませんし。…………それで、ヴァロウ様。わたくしの素性を知った上で、今回の作戦を立案されたのですね。あなたの名前まで出して」


 今回の質問状を魔族領と人類領とに輸送しているのは、ペイベロだが、人類領の報道機関に質問の許可を与えたのは、ヴァロウだ。

 今、人類領が躍起になってる報道合戦は、すべてヴァロウが仕組んだことなのである。


 すると、ヴァロウは口角を上げた。


「どうやら、俺の名前は人類にとってなかなかインパクトがあるようだからな」


「十分すぎるほどでしょう。救国の英雄、最強の軍師、そして大罪人――。それと同じ名前の魔王の副官が、魔族側にいるのは、かなり興味をそそられると同時に、親近感が湧くでしょう。事実、そういう印象を受ける者も少なくない」


 ヴァロウの名前は、王都では悪名で広まっているが、地方では――エスカリナがそうであったように――特別な憧憬を持つものも多い。

 魔族と戦った戦地は、王都から離れた地方領で行われた。

 そしてヴァロウは軍師時代、魔族の被害に困っていた地方領地を救った。

 故に、地方民にはいまだヴァロウの死を惜しむ声が多いのだ。


「だが、この作戦の肝は――――」


「心得ております。王都内での反政府・反戦争機運を高めること」


「加えて独立心を煽ることだ。獣人たちのように、リントリッド王国の圧政から離れたがっている小国は多いからな」


 ヴァロウはちらりとメトラの方を見る。

 かつての王女は、少々複雑な顔をしていた。

 同じくそれを察したのは、ルミルラだ。


「本国はどう反応するでしょうか?」


「慌てるな。きっと動いてくる」



 もう俺の手の平の上だからな。


コミカライズ更新されました!

ニコニコ静画、pixivコミックス、コミックポルカ等で読めますので、

是非チェックして下さい。


そしてついに、ついに……

12月15日コミックス『叛逆のヴァロウ』1巻が発売されます。

ここまで来ることができたのは、読者の皆様のおかげです。

ありがとうございます。


ただコロナの第3波の最中の発売となります。

某大ヒット作品のように売れてくれたら嬉しいですが、

現実はなかなか厳しいと思っております。


勿論読者の皆様には、手にとって買っていただけると嬉しいのですが、

状況が状況だけに作者からも強く言えません。

ですが、正直言うと、大ピンチだと危機感を募らせております。


なので、是非買って下さいm(_ _)m


WEBで読めれば……、ニコニコ静画で1回読めれば十分……、お金が……、

色んな意見があるかとか思います。


ただクリエイターのやる気の原点は、売上です。

そして如何に続刊を続けていけるかだと考えています。

少なくとも僕はそうです。


それが悪いと言われれば、「この話は面白くなかったのか……」「本を手に取るに値しない作品だったのか」と、作者は受け止め、筆を止めてしまいます。


作者はそうなることを望んでいません。

読者の皆様はどうでしょうか?

同じ気持ちだったら嬉しいです。


愚痴っぽいこと言ってすみません。

ただ正直な言葉を打ち明けなければならないほど、切迫していることだけは、

ご理解いただけたらな、と思います。

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