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異世界にエコカーで行く  作者: タコ中
現実世界編
25/61

二十五話 ポチ

「大丈夫ですか!?」


 ここは……外か。トレーラーヘッドは原形をとどめていないな。日本で地雷を踏むなんて考えられないな。日本で地雷を踏んだのは初めてなんじゃないか?


「カンタレが魔法で守ってくれてなかったら今頃木っ端みじんだったったんだぞ」


 またカンタレに助けてもらったのか。あと何回カンタレに命を救ってもらえばいいんだろう?


「礼は後で良いです。それよりも人が集まってきましたね」


 周りを囲まれているな。学生に、専業主婦、それに自衛隊までいる。全員洗脳されているのか?


「良いですか、私が三秒だけこの人達の洗脳を解きます。そしたらアフさんが閃光手榴弾という物を使うそうです」

「そしたら、兄ちゃんがこの拳銃で佐藤のところまで走って至近距離から撃ちまくれ。数撃てば当たるだろ」

「アフが撃てよ」

「俺は、洗脳が解けなかった奴で田中に襲い掛かる奴を倒す。兄ちゃんは何も考えずに佐藤のところへ走れ」


 拳銃なんて撃ったことが無いけどアフの言う通り数撃てば当たるだろ。さっさと、佐藤を楽にさせてやるんだ。


「それじゃあ、カンタレが洗脳を解いた一秒後に閃光手榴弾を使うから兄ちゃんとカンタレは目をつぶって耳も塞いでおけよ」


 カンタレが杖を出したな。今までどこに閉まってたんだ?


「行きます!」


 ん?成功したのか?周りの人達が周りをキョロキョロ見ているな。成功したみたいだ。よし、目を瞑って耳を塞いでっと。


バァン


 すごい音がしたな。今のが閃光手榴弾って奴か?


「兄ちゃん!行け!」


 周りを見ると、目を押さえたり耳を押さえたりと阿鼻叫喚だ。その中をアフが人々を殴って道を作っている。カンタレも杖で人を殴っているな。杖ってそんな使い方もして良いのかよ。っと、そんな事を思っている場合じゃないな。選挙カーの上にいる佐藤に銃弾を食らわせないとな。

 二人が作ってくれた道を走って選挙カーのところまで来た。後は佐藤を撃つだけだ。それにしても佐藤はこっちを見たまま動かないな。好都合だ。これならど素人の俺でも当てれる。


パンパンパン


 え?確かに今、佐藤に銃弾が当たったよな。


「田中さん!それは分身です!」


 分身?そうだ!佐藤の奴分身出来るんだ!俺が攻撃したのは分身の方か!


「残念だよ。君には少し期待していたんだが見込み違いだったようだよ」


 その喋り方は佐藤はしない。ということは、佐藤の中には実島がいるのか。


「見込みって何だ!?」

「君には殺しの才能があると思ったんだが気のせいのようだ。そこでドラゴンにでも食べられるといい。私は日本一の建物からそれを眺めるとしよう」


 丁寧に居場所を教えてくれたな。まぁ、向かおうにも周りを囲まれている状況じゃどうしようもないけど。それに、カンタレとアフも取り押さえられているしどうしようか?

そんな事を考えてるうちに目の前に赤い鱗をまとったドラゴンが降りてきた。異世界で見たドラゴンよりも大きくないか?10トントラックぐらいは軽くあるだろ。こんな奴にダガーで挑もうとするほど俺は馬鹿じゃない。


「ポチか!?」

「ガウッ?」


 今、このドラゴン返事をしなかったか?そう言えばアフは魔王軍でドラゴンの飼育係だったはずだ。もしかして、そのときに世話していたドラゴンか。それにしてもポチって……普通は犬につける名前だろ。


「ポチ!周りの奴らをなぎ払え!そして兄ちゃんは伏せろ!」


 伏せれば良いのか?


ブォン


 うわ、太い尻尾で周りの人達をなぎ払った。これ死んでないよな。いや、絶対何人か死んだだろ。


「兄ちゃん、ポチの背中に乗ってくれ。東京スカイツリーとやらに一直線だ」

「アフとカンタレはどうするんだ?」

「田中さんの車で急ぎます。幸いドラゴンの一撃でほとんどの人は倒れましたからね」

「いや、もう二人くらいなら乗れそうな気がするんだが」

「そのドラゴンの鞍は一人乗りなんだ」


 本当だ。ドラゴンの背中には鞍が付いてるな。これに乗れば良いのか。


「急げ!また洗脳された奴らが起き上がってくる!」


 ドラゴンに触ったこと無いけれども鱗は鉄板のように硬いんだな。こりゃ、警察が持っているような銃じゃ歯が立たないのも当たり前だ。おお、浮き上がった。

 ところで、どうやって行き先を命令すれば良いんだ?日本語で問題ないのか?


「あの一番高い塔に向かってくれ」

「ガウッ」


 日本語通じた。すげぇよ。

 自衛隊の攻撃ヘリが後ろから付いてきている。ミサイルでも撃たれれば、このドラゴンは無事でも俺は爆風で死ぬな。何とかして攻撃ヘリを落としたいけれども、こっちは武装なんて無いし……勝てるのは機動力と装甲くらいか。


「今すぐホバリングしてくれ!」


 すげぇ、すぐに止まった。この機動力は現代兵器じゃ真似出来ないだろ。やはり、攻撃ヘリが横を通り過ぎた。後は羽で後部のローターでも壊してもらうか。


「あのヘリコプターを攻撃してくれ!」

「ガウ」


 え?何かポチってドラゴンが、口に火を溜めてないか?まさかこいつは火炎放射を撃てるのか。だとしたら俺はこのままドラゴンの背中に乗っていて大丈夫なのか?


あっちぃ!火吹きやがった!ポチの背中でも熱風が伝わってくる。もっと後ろの人に気を配って火を撃って欲しかったけども贅沢は言えないな。おかげで戦闘ヘリは徐々に高度を下げていってるな。一応戦闘ヘリは倒したのか。


 東京スカイツリーが近づいてきた。スカイツリー付近に集まっていたドラゴンが消えてその代わりに数人の自衛隊員と真ん中には佐藤がいるな……いや、今は実島か。待ってろよ。今、楽にしてやるからな。

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