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あくまで取引の範囲内だけで対処すればいい

俺は別に、リーネ達を<聖人君子>にしたいわけじゃない。この世には身勝手で自分本位で狡くて悪辣な奴が現にいることは分かった上で、


『そういう奴らと同じになってしまわない上で幸せを掴むにはどうすればいいのか?』


ってのを教えたいだけなんだよ。そのためには、そういう奴らにいいようにされないための知恵もつけなきゃいけない。そういう奴らにいいようにされてたら、当然、幸せなんかにゃなれねえからな。


だからこそ、


『他者を安易に信頼するな』


というのも分かってもらわなきゃならねえ。そのために一番手っ取り早いのが、


『俺自身がリーネ達に信頼される』


ってことだ。『俺と同じ振る舞いができない奴は信頼できねえ』ってことだよ。この<くっそメンドクサイ気遣い>を実行できない奴は信頼すんな。


自分を人間としてちゃんと敬ってくれない奴は信頼する必要はない。と同時に、信頼できない相手だろうが、まあ、<社交辞令>という形で最低限の礼儀をわきまえた接し方をしてれば、取引相手としては向こうもそれなりに接してくれる。


社会で他者と関わるのは、あくまで<有益な取引>を行うためでいい。<友達>とか<家族>とは切り離して考えろ。赤の他人は何処までいっても赤の他人だ。ギリギリ友達は別に考えてもいいとしても、家族とは一緒にすんな。家族に対するそれみたいに気を許すな。どこまでも<取引相手>だ。ちょっとしたことで裏切ってくることもある、な。


赤の他人との関わり方なんざそれでいい。相手を馬鹿にせず、蔑まず、侮らず、嘲らない。それができりゃいいんだ。『信頼する』必要はない。『信頼されること』を心掛けろ。ただし同時に、『信頼されること』を目的にはすんな。信頼されることを目的にしようとすると、ついつい、相手に譲歩し過ぎてしまうこともある。狡い奴はそこに付け込んでくる。気を付けろ。


相手にとって完全に都合のいい人間になる必要はねえ。そんな人間にはなれねえからな。加えて、調子に乗ってあれこれ注文してくる大人は<カス>だ。それが許されるのは子供の内だけだ。


<歳だけ取った、子供と変わらねえ大人>は相手にする必要もねえ。あくまで取引の範囲内だけで対処すればいい。まっとうに取引をこなせばこっちはちゃんと責任を果たしてるんだから、それ以上聞き入れる義務はねえんだ。


自分の都合を一方的に押し付けてくる奴とは親しくしなくていい。言ってることが正論でも戯言でもだ。特に正論を押し付けてくる奴は気を付けろ。自分の思う正論とちょっとでも外れると攻撃してくるぞ。



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