4話 簡素な墓地で
「エリアス……一体どういうことだ?」
目の前に現れた女性は、髪の色が違えども紛れもなくエリアスだ。だが、彼女の行動は
レンが知っているエリアスのものではない。
「違う、私のレンじゃない……」
剣を抜き、エリアスが距離を詰めてくる。なぜこの様な行動を取ってくるのかわからないが、レンはすぐさまその場を回避する。
「ナビゲーターさん、鑑定してくれ!」
追撃してくるエリアスの攻撃を躱しつつ、ナビゲーターに頼む。相手はエリアス。強敵だ。
『エリアス・オリガミ。間違いなく、エリアスです。しかし、これはこの世界のエリアスであり、私達の知っているエリアスではないでしょう』
「何が起きてるってんだよ」
自分がなぜ狙われているのかはわからない。それに、エリアスの気配はまともとは思えないものだ。
『別の世界のせいでしょうか?ステータスが完全に見通せませんね。ですが、ディザスターの文字を捉えました』
「ディザスターだと?」
1年前まで戦っていた相手だ。エリアスに取り憑いている?良くわからない状況にきたものだ。
「神獣化……」
エリアスの気配がさらに強まる。こちらの世界のエリアスも使っている技だ。レンは、警戒度を上げる。
『あの状態のエリアスは、マスターに攻撃を入れることも出来ますからね』
前に手合わせしてみたことがあったが、あれは強かった。レンでさえ、全力で戦わなければやられたかもしれないなと思うほどだ。
「相手してやるよ、エリアス」
レンが武器を抜いた。
「あれ?ここは?レンもいないし」
エリアスが立っていたのは、どこかわからないが簡素な墓地の様な場所だった。確か、迷宮でアナザーに飛ばされて……と思いながら墓地を歩き始めると、見逃せない名前があった。
「レン・オリガミここに眠る。どういうこと?」
ということは、レンのお墓ということになる。これは一体どういうことだ?と思いながら、墓を見る。
石に簡単に文字が刻まれていた。
花が添えてあるため、最近誰かが来たのだろう。もしかすると、近くに誰か住んでいるのかもしれない。
「別の世界……、この世界のレンは死んでるってこと?」
「あなた、誰!」
考えていると、後ろから声がかけられた。慌てて振り返り、そこにいる人物を見てエリアスは驚愕する。
「あなたは、ルティア?」
「エリアス……どうしてアンタがここに!」
背中に担いだ剣を引き抜きながらルティアが声を上げるのだった。




