2話 目覚めし龍
「よく来てくれたわね、2人とも元気そうで嬉しいわ。大人っぽくなったんじゃない?」
「ギルド長は、変わらずお美しいですね。秘訣を知りたいものですよ」
フィレンのギルド長室。そこで、レンとエリアスはフィレンと対面していた。成長したのではないかという言葉にエリアスが嬉しそうにしている。
レンもベルゼとの戦いから時間が経ち、その間にも様々な経験をしたので、成長しているかもしれないなと思う。
そして、フィレンギルド長は変わらず美しい。エルフであるため変わらないだろう。前に実年齢を聞いた時は酷い目にあったもんだ。
「それじゃあ、本題に入るわね。レンには、連絡をした時に簡単に話したけれど封龍の森に迷宮が出現したわ。それも突然ね」
なんの前触れもなく、現れた迷宮。たまたま封龍の森に依頼を受けて薬草採集に行った冒険者が最初に発見したとのことだ。
すぐさま迷宮には誰も立ち入らない様にして、警戒のためランクの高い冒険者を配置しているらしい。
金目のものを目当てに入って厄介なことになるかもしれないからだ。
「俺達がやることは、迷宮の難易度の確認と言った所ですか」
「ええ、そうなるわ。なにがあるかわからないから危険なことが起きそうならすぐに逃げるのよ」
「わかりました」
正直、レン達にどうにもできないものがあるとしたら、それに対応できるものなどいないのだが……
「見た感じは大きくはないな」
「確かに、イージスとかと比べると差が大きいよね」
封龍の森、迷宮の前にやってきた。
「こう見えて、中は相当に広大な例もあるわ。油断しない様にね。油断した位で2人がやられるなら余程の相手でしょうけど」
フィレンも見送りに来ている。見た感じ一軒家ほどのサイズの迷宮には、豪華な入り口がある。
「行きます」
「ええ、気をつけて」
フィレンや警戒を行なっていた冒険者達に見送られてレンとエリアスは迷宮に突入する。
音を立てて扉が閉まった直後、壁側に置かれている松明に火が灯り奥まで続いている。今のところ一本道だ。
「お化け迷宮じゃありません様に……」
隣のエリアスの祈る声が聞こえてくる。そういえば苦手だったな……と思いながら道を進む。特に剣神の加護を持つアンナ・フェロル辺りはすぐに気絶してしまう。
「先の方にかなり光が集中してる。何かあるかもしれないな」
レンが指を刺して、エリアスが頷く。
「ようこそ、いらっしゃいました!我が迷宮へ。歓迎しますよ、冒険者」
第三者の声が響く。それまで気配すら感じられなかったことに驚きつつもレンとエリアスの行動は素早かった。
すぐさま2人は剣を抜き声のする方に構える。
「ちょっと待ってくださいよ!攻撃とかしませんから。穏便にね!ね!」
両手を挙げて、言ってくるのは声の主。
姿は、2本の鋭い角を生やし、翼と長い尻尾を持っている。服は、白いワンピースの様なものに見える。
「龍人?」
「ふふふ!私は、神の方の龍神ですよ!まあ、この姿力の一部に過ぎませんけど」
楽しそうに笑いながら言ってくる女性。
「もしかして、封龍の森に封じられているっていうあの……」
「あ、ここ封龍の森って言うんだ。まあ、私が封印されてるのは本当!いやぁ、最近ようやく封印が解けてきてね〜」
と龍神とやらは呑気に話し始める。
「龍神様で良いのか?この迷宮について聞きたいんだけど」
「うんうん!敬ってる感じがして良いね。でも、そうだなぁ。私には、アナザーって名前があるからそっちで呼んでくれたら喜ぶよ!」
と名乗るのだった。




