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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第十一章 〈ダン活〉クラス対抗戦!!

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#522 2組と遭遇! 久々のサターンクオリティ!




「そろそろ時間だよ。第五アリーナ出場者はアリーナ中央に集まりな! 関係ない者は退場、もしくは観客席に移動するんだよ!」


 俺たちが打ち合わせを概ね終わらせる頃、アリーナ全体に大きく声が響き渡る。


 その発信源の中央には、我らが〈1組〉の副担任を務めるラダベナ先生が杖を地面に突き、もう片方の手で拡声器を持った姿でアリーナ全体に声を張り上げ呼びかけていた。


「第五アリーナ出場者。我らのことだな」


「ふふふ。この震えは……、武者震いですね」


「俺の筋肉と斧が震えて吠えるぜ」


「真打ちは忘れた頃にやってくる、俺様のことだ」


 俄然気合いの入った顔つきになった〈天下一大星〉4名。

 うむ、とりあえず気合いが入るのはいいことだ。

 だがその決めゼリフ、俺は笑いを堪えるのが大変なんだが?


 なんとか笑いを押し込め、俺たち〈1組〉はアリーナ中央へと進む。

 ラダベナ先生の声に従い、他の学生たちはアリーナから出ていくか、観客席に集まり、一部は俺たちと同じようにアリーナの中央へと向かう。

 今俺たちと同じ方向へ向かっているのが対戦相手の組だろう。


「ん?」


 ふと、その様子を何気なく見ていると、ある集団がこちらに向かってきているのが見えた。

 その数はざっと30人。どこかのクラスの集団だろうか?

 そう思っていると、俺の視線の先を見つめたサターンが険しい声をあげた。


「どうしたのだゼフィル―――っ!! あやつらは!」


 サターンが上げた声に釣られて、他のクラスメイトたちもそれに気がついたようだ。

 みんな、いや〈天下一大星〉だけなぜか険しい顔をしている。

 なお、我ら〈エデン〉のメンバーは涼しい顔だった。


「止まれゼフィルス。あやつら、我らに用があるらしいぞ」


「え? 俺には無いんだが?」


 でも興味があったので足を止めると、クラスメイトたちも俺に合わせて止まる。

 ちょっと面白い。


 それにしてもアレはどこのクラスだ? サターンだけじゃ無く、〈1組〉のみんなはあの集団を知っているようだが?


「はっ! おいでなすったな。何をしに来たのかは語るまでもないだろう」


「ふふ。戦場で叩き潰すつもりでしたが、ここで一度相対するのもいいでしょう」


 なぜかサターンとジーロンの士気が上がる。

 俺の知らないところで盛り上がってるなぁ。

 しかし、今更あれはどこのクラスなのか聞くのは、ちょっとダメな気がするので俺は傍観に徹しようと思う。決して面白そうだから傍観に回った訳ではない。


 こちらのクラスメイトたちが待ち構えているとそのクラスはやってきた。

 俺たちと言葉を交わせる距離まで近づくとその場で立ち止まる。


 そこへサターンが前に出た。


「我らに何のようかな、〈2組〉?」


 あ。あれが〈2組〉か。なるほど~。

 というかサターンが前のサターンっぽくなってるんだが、気のせいか?


〈2組〉の先頭にいたのは、角刈りで日焼けした肌が目立つ高身長のボクサーみたいな男子学生だった。どこかで見たような気がする。彼がリーダーだろうか?

 しかし、そのリーダー風の学生の横にいたモブっぽい男子がなぜか前に出て宣言した。


「〈1組〉! 今日は俺たち〈2組〉が勝たせてもらう! 首を洗って待ってろよ!」


「おお!」


 これってアレか? ライバル的なアレだろうか?

 こんなこと初めて言われたぞ!? なんだかよく分からないがテンション上がる!


 そんなことを思っていたら、リーダーである俺を差し置いてなぜかサターンが前に出た。


「ふ、それは無理だな」


「な、何ィ!?」


 サターンが上から目線でニヤリと笑いながら断言した事でモブ男子が鋭い目でサターンを睨んだ。

 続いてサターンは、やれやれそんな事も分かんないのかとでも言うように説明する。


「身の程を(わきま)えるがいい〈2組〉。貴様らは〈2組〉なのだ。〈1組〉には勝てない」


「な、なんだと!?」


 サターンが煽る。

 なんだか懐かしさすら憶えるぞその口調。

〈2組〉は全体的に男子が多いクラスのようだ。サターンのセリフを聞いてすぐに反論の声が上がる。


「サターンめ、〈1組〉だからと、その地位にいられるのもこれまでだ!」


「そうだ! ちょっと数レベルの差で〈1組〉になれた程度でいい気にならないでもらおうか!」


「すでに俺たちは〈1組〉を超えつつある。それを今回のクラス対抗戦で証明してやる!」


〈2組〉男子たちがサターンに食ってかかった。

 しかし、サターンは鼻で笑うだけだ。


「ハッ。我らはなるべくして〈1組〉となったのだ。そんな事も分からないから貴様らは〈2組〉なのだよ」


 煽る煽る!

 そこになぜかジーロン、トマ、ヘルクまで加わる。


「ふふ。力の差、というものを思い知らせてあげなければいけませんね」


「ま、俺たちの勝利は決まっているがな」


「俺様がいるからには〈1組〉が負けることはない!」


 いつも思うんだが、こいつらの自信はどこから来るんだろうか?

 少し不思議に思うと同時になんだか感心してしまうから不思議だ。


「いい気になりやがって。その伸びきった鼻、へし折ってやる!」


 おう。なんだか〈2組〉を応援したくなってしまったぞ。不思議だ。


「ふっ。楽しみにしておこう」


「ふふ。せいぜい頑張ってくださいね。〈2組〉」


 いつの間にか〈天下一大星〉と〈2組〉という図式になっていた。

 話はついた、と言わんばかりにサターンたちが歩き出す。

 なんでこいつらは強者の風格っぽい何かを出しているんだ? 出し切れてないぞ?


 ふとリーダー風のボクサー男子と目があった。なんだか困ったような顔をしている。そういえばさっきから一言も口を開いてなかったなこの人。俺もだが。

 なんか勝手に話が進んだなぁ。


 っと、そこへラダベナ先生からこっちに向けて、さっさと集まれ的なことを言われたため、俺たちは少し急ぎ足で中央へ向かう。〈2組〉も俺たちの後に続いてきているようだ。


 俺はそんな〈2組〉をチラッと見て、とりあえずサターンたちに聞いてみる。


「なあサターン。〈2組〉とはなんでそんなに仲が悪いんだ?」


「ん? なんだゼフィルスは知らないのか?」


「ふふ、僕達は別に仲良くしてあげても良いのですけどね、〈2組〉の彼らが勝手に嫉妬してくるのですよ」


 ジーロンも話に加わってくる。


「嫉妬? なんで?」


「そりゃあ、我らの方が優れているからだろう」


 サターンが当然のことだろうという風に断言した。

 本当か?


「ふふ、それを〈2組〉は、あろうことか自分たちの方が優れていると思い込んでいるのですよ」


「不満に思っているんだろうが。思い上がりも(はなは)だしいよな」


「まったくだ。俺様のように心も器も筋肉も広くないとな」


 なんだろう。〈天下一大星〉の言うことがなかなか信用できない。

 しかし、衝突している理由はなんとなく分かった。


 これはクラス対抗戦であると同時に〈1組〉という席を賭けた戦いなんだな。

〈1組〉に一番近い組、〈2組〉。

 なるほど、衝突は避けられないという訳……か?


 ……あれ? これって〈1組〉と〈2組〉が手を組むことは無いってことにならないか?

 しかもむっちゃ煽ってたし、〈2組〉が襲ってくるまであるんだが?


「ふ、まぁかるぅーく捻ってやろう。それで奴らも格の違いが分かるだろう」


「ふふ。ですね」


「腕と筋肉が唸るな」


「俺様も賛成だ。あいつらに現実というものを教えてやろう」


 ……確かに、挑んで来る相手なら返り討ちにしないとな。




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] これでサターンが2組落ちしたら笑う
[一言] 彼はキリちゃんさんのとこに入ったのかな?
[一言] これは2組も対抗意識強くて終盤どころか早々に1組とぶつかりそうだなぁ プラヨンと筋肉がムキになってゼフィルスの指示無視して行動して脱落する姿が目に浮かぶ
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