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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第九章 〈エデン〉昇格試験と夏休み企画!

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#475 海に行った翌日。忘れられていた存在。




 大好評に終わった海イベントの翌日は少し(あわただ)しく始まった。

 もう夏祭りまで日が無い。


 出店をする予定の生産組は準備を進め、少し忙しそうにしている。


「うーむ、こりゃぜんぜん、手が足りんなぁ」


〈エデン〉のギルド部屋にハンナと打ち合わせに来ていたアルルが唸る。


「だね。せめてあと3人、いや4人くらいほしいかも」


 ハンナもそれに頷く。

 出店の規模の企画を見るに、ハンナたちが出店するものは、屋台規模ではなくB級グルメ店規模になりそうだった。

 さすがにハンナとアルル、それとカイリの3人だけでは大変だろう、と思っていた所、興味があったのかルルが手を挙げる。


「そういうことならルルも手伝います! 出店やってみたいのです。売り子さんです!」


「はう! ルルの売り子、絶対買いに行きます! ではありませんね。ルル、待ってください。ルルの身長では出店は危険じゃないですか?」


「む、むう。でもやってみたいのです」


「それなら私もやりましょう。私がルルを全力でサポートします」


「ふわぁ、ありがとうシェリアお姉ちゃん!」


「ふふふ、ルルがやりたい事をサポートするのもお姉ちゃんの務めですよ」


「二人共、ありがとうございます」


 そんな感じにルルとシェリアの参加が決まる。


「いや、助かるわ~。でもまだ少し手が足りないなぁ」


「うん。他に誰か手伝ってくれる人いるかな」


 そんなことをアルルとハンナが話し合っていると、部屋のドアが開いた。

〈助っ人〉の1人、【ハードワーカー】のサトルが満面の笑みでギルド部屋に入ってきたのだ。


「おはようございまーす! いやハンナ様もルルさんもお久しぶりです! あれ? なんかみんな少し肌が焼けてる?」


 テンション高く入ってきたサトルが、一同を見回して目をぱちぱちと(またた)く。

 その表情にはハテナがたくさん浮かんでいるように見えた。

 とりあえず、挨拶を返す。


「おはようサトル。一応日焼け止めはたっぷり塗ったんだけどな~」


「はい。ですが砂浜の熱と照り返しもありました。さすがにすべては防げないでしょう」


 質問に俺とシェリアが答えると、サトルは何か聞き逃せないものがあったのか、表情がなぜか愕然としたものに変化していく。

 どうしたんだ?


「う、海? 海に行ったの? ……みんなで?」


「はい! 海でみんなと遊んだのです! 楽しかったのですよ!」


「へ……? だって俺……、行ってないよ?」


 ニコニコ顔のルルの答えに、搾り出すようにサトルはそう口にした。その声はとても震えていた。


 そこにシェリアが今気付いたといわんばかりに手を打つ。


「ああ、そういえばあなた、いませんでしたね」


「忘れてたの!?」


 瞬間、サトルの目にあったダムが決壊した。

 すまん、俺も今気が付いた。


 そういえば、何かここ数日用事があるとか言っていたが、それで海イベントを逃したらしい、海イベントを決めた時はサトルはまだ〈助っ人〉に来ていなかったし、すれ違ってしまったらしい。

 なんて間の悪いタイミングだ。


 俺は言葉を選んで慰める。


「サトル、今度は一緒に行こう。な?」


「ぜ、ゼフィルスさん。やっぱり貴方は神だ」


 だからやめろ信者。


 聞けばサトルは昔から何かと間が悪く、こういうイベントをよく逃してしまうのだと目を潤ませながら訴えてきた。俺は「そうか、あるよなぁ、そういうの。うんうん」と相槌を打って慰めた。


「何やってるのですかこの人?」


「新しい遊びか何かかな?」


 そこへやって来たのは〈エデン〉の頼れる〈助っ人〉組、マリアとメリーナ先輩だった。


 とりあえず事情を説明すると、2人は同時に「「あっ!」」と何かに気が付いたという声を出した。その後サトルから目を逸らす2人。

 もしかしたら彼女たち、忘れていたのかもしれない。俺も人のことは言えないが。


「あ、2人ともちょうどいいところにいらっしゃいました。出店のレンタル品のことで相談があるのですが」


 そんな中、ハンナが話を変えようと〈助っ人〉2人を呼び込んだ。

 これで多少は空気が変わる。


 だが、残念ながら俺はダンジョンに行くので出店の準備は手伝えない。

 最後の仕上げに全員のLVを上げ、三段階目ツリーを全員解放。そして中級上位ダンジョン進出のために装備の入手も同時並行しているのでこちらも少し忙しいからだ。

 俺もそろそろ出発しなければならない。


「じゃ、俺はもう行くな。出店、頑張ってなー」


「うん、ゼフィルス君も頑張ってねー」


 最後にハンナたちとお互いを応援し合って俺はギルド部屋を出て行った。


 ちなみにだが、残されたサトルは出店の手伝いを立候補して馬車馬のように働き、ハンナたちの準備を全力サポートをしたらしい。

 うん。大丈夫だサトル、次はちゃんと忘れないから。


 そんな感じに俺たち〈エデン〉は残りの夏休みも全力で過ごし、順調に装備やレベルを上げていった。


 おかげで29日には〈アークアルカディア〉のメンバーも全員LV40を軽く超え、三段階目ツリーが解放された。

〈エデン〉のメンバーなんて重点的にレベルを上げたので凄いぞ。この短期間にノエル、ラクリッテ、アイギス先輩はLV65に至った。中級中位ダンジョンも3箇所踏破している。


 リーナ、メルト、ミサトはLV70を超えカンスト間近、中級中位ダンジョンの〈攻略者の証〉も3つ揃えたし、中級上位ダンジョンへの進出の準備が整ったな。


 Cランクのギルドバトルの準備ももう少しで出来そうだ。


 そろそろどこのギルドに〈ランク戦〉を挑むのか、考えておかないとな。


 夏休みが明けたら明けたでまた忙しくなりそうだし。


 それに、みんな集まったしそろそろ上級職への〈上級転職(ランクアップ)〉もしよう。

 あと〈エデン〉と〈アークアルカディア〉の新しいメンバーも必要か。

 また面接だな。いやスカウトにするか? それも考えておこう。


 まだまだやるべき事はいっぱいあるな。


 さて、明日は学園イベントの一つ夏祭りが始まる。


 リアル〈ダン活〉夏祭り、絶対参加だな!





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[良い点] いやサトルはいなくてよかったよ そもそも助っ人という形でも下心満載なやつがいるのは不快だけど
[一言] 夏休み期間中ずっとダンジョンに潜ってた割にはあまりレベルあがってないな
[気になる点] 作者はイジられキャラのつもりなのかもしれませんが、 サトルの扱いがただのイジメでしかない点 さすがに酷すぎません?面白みもなくひたすら不快になるだけ
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