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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第八章 〈エデン〉下部ギルド創立と連続試験

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#397 みなの学力はどのくらいか? 全力補習回避。




試験(テスト)対策だ!」


 俺はギルド部屋で高らかに宣言する。


「ちょっとゼフィルス、なんで試験(テスト)対策なのよ! それよりダンジョン行きましょうよ!」


「ダメ」


 ラナの言い分を、俺は秒で却下する。

 ダンジョンに行きたい? 俺だって行きたいわ!


 しかし、とても見過ごせない問題が発覚したため、急遽緊急会議を開催することとなった。


 目下(もっか)の問題は、このテストである。俺はとある用紙を取り出した。


「まずは学力がどれくらいあるのかが知りたいな。これを解いてくれ、昨年の1年1組の期末試験に出た範囲の問題集だそうだ」


「ちょっとゼフィルス、私を舐めないでよね。こんなのまったく難しくないわ。それよりダンジョン行きましょう?」


「ダメだって言っただろ!?」


 ダンジョンに行きたい? 俺だって行きたいわ!(2回目)


「ラナは帰省の準備で来週(試験準備中)も忙しいんだろ? コツコツやっとかなきゃやべぇじゃん」


「ゼフィルスは私を見くびりすぎよ! 私が赤点取るとか最大級の侮辱だわ!」


「ほう。ならこの問題集も解けると言うことか?」


 俺は数学の用紙をヒラヒラさせる。


「普段の私なら解けるわ。でも私は今日ダンジョンに行く気分だったの。だからダンジョンに行かないと問題も解けないと思うのよ。決して私が手を抜いているわけじゃないの、素でそうなってしまうのよ」


 ラナが何やらやたらと長文な言葉で返してくる。どんな理屈か?

 その表情は、無駄にキリッとしていた。それでごまかそうなんて片腹痛い!


 しかし、これ以上言ってもラナは聞いてくれなさそうだ。

 そりゃあダンジョンの気分だったのに急遽予定を変更して試験対策しましょうなんて暴動ものかもしれない。そこは分かる。とてもよく分かっちゃう。俺だってゲーム気分だったのに強制勉強させられたら抵抗するだろう。

 さて、どうしたものか。


 俺は他のメンバーにも目を向けた。

 ここギルド部屋には、試験対策会議において、シエラから苦手科目が多いと言われている人物、

 ラナ、エステル、ハンナ、カルア、リカ、ルル、パメラが集められていた。

 そして、このメンバーが集まる発端となった人物であるシエラももちろん参加しているし、セレスタン、リーナ、メルト、ミサトの頭脳派人物たちも来て貰っている。


 しかし残念ながら、この中でラナの勉強事情に口を出せる人物は皆無だった。

 王女のカテゴリーは伊達ではない。

 仕方ないので進行役である俺はラナだけに向けるのをやめ全体に通知するように言う。


「もう一度言うが、再来週から期末試験が始まる。ここで赤点だった人は夏休み中、もれなく学園から補習というプレゼントを強制的に貰わされるので対策する必要があるな。夏休みにもダンジョンに潜りたいのなら、大人しく勉強しよう」


 補習が始まれば10日間の拘束だ。その間ダンジョンに潜ることはできない。

 とても大変な事態だ。すぐに対策する必要がある。まずは共通認識としてギルド内に通知するが、

 しかし、再びラナが異議ありとばかりに手を挙げる。


「その試験対策でダンジョン時間を減らしていたら本末転倒よ! なら今日ダンジョンに行ってもいいはずだわ!」


「いいわけないだろう!? 成績上げてからダンジョン潜ろうぜ?」


 補習を受け入れる気か?


 結論、ラナも勉強会に強制参加決定。抵抗は封じる。

 あとで何かご褒美でも用意しよう。


 その後、助っ人にシズを呼び出し、なんとかラナを説得してもらった。

 従者2人、エステルとパメラが役に立たなかったので仕方ない。


 最終的には『毎日ダンジョンボスを狩りに行く。帰ってきたら勉強する』ということで落ち着いた。


「ゼフィルス殿申し訳ありません。ラナ殿下は夜にしっかり勉強させますのでご安心いただだければと思います」


「シズだけが頼りだ。頼むぞ」


「はい。言われるまでもありません。ラナ殿下には赤点なんて絶対に取らせません。私の命に代えましても」


「いや、そこは代えないでくれ」


 とりあえず、夜はシズがラナの勉強を見てくれるということになった。


 他のメンバーたちにはまず学力テストを行なってもらい、どのくらい勉強が苦手なのかを確かめる。


 すると、みんなそこまで勉強が不得意では無いということが分かった。


 シエラの苦手科目表には書いてあったが、あくまで苦手だ。

 さすがに赤点取りそうな人がそうバンバン居てはたまらない。


 しかし、何かの弾みで赤点になる可能性もある。

 みんなにも、苦手科目は夜時間にしっかり復習しましょうと通達した。

 特に要注意なのがカルアとルルだ。2人とも成績がヤバい科目がある。

 家庭教師が必要なレベルだった。

 そこでカルアにはリカを、ルルにはシェリアに頼んで期末試験までの間、勉強を手伝って貰えるよう頼んだ。

 俺は女子部屋には入れないからな。

 もちろん夜時間の話だ。


 リカもシェリアも快く受け持ってくれたのでとりあえずこれで安心か。

 しかし、復習だけでは分からない事も多いだろう。

 期末試験期間でダンジョンには潜れないし、来週の日中は勉強会をすることに決定した。


 ちなみにその日から、ラナのダンジョン欲求を満たすため〈猫侍のニャブシ〉狩りが始まった。


 許せ〈ニャブシ〉。





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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
[一言] にゃ武士さん にゃ武将になって復讐しても良いんだよ?(そんなモンスターいるかはわからんけど。) 成績がネックとはなんとなくわかる話。顧問の先生登場するかと思ったらここでも空気なのが乾いた…
[一言] ラナだけ赤点取ってダンジョンに潜れなくなればいいのに
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