表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第五章  〈ダン活〉こなせ、学園長クエスト!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

278/2137

#258 練習ギルドバトルのメンバー決め!




 ギルドバトルを受け付けた日の夕方、フラッとやって来たギルド部屋には、何人かのギルドメンバーが揃っていた。

 ダンジョンに行く約束をしているわけでもないし、ほぼ同じクラスなので集まりなおす必要は無いのだが、彼女たちの目的は別にあった。


「うーん。このモチちゃんは何度抱いても飽きる気がしないな。柔らかさの中にモチッとした弾力があり、さらに心地よい反発力で強く抱きしめても気持ちいい」


「ん。最強は〈幸猫様〉だけど、〈モチちゃん〉は2番目に最強」


 2番目は最強なのだろうか?


 まず目に付いたのは明らかに女子の体積よりデカイ特大のモチッコ、それを思いっきりギューっと抱きしめているリカの姿だ。そしてそんなリカごとカルアが背中から抱きしめて〈モチちゃん〉をモチモチしている。

 控えめに言っても尊い絵だった。本気でスクショ機能がほしい。


「はぁ。〈幸猫様〉成分が補充されていくわ。もう私、〈幸猫様〉が補充できないとやっていけないかもしれないのよ。ゼフィルスに〈幸猫様〉を譲ってもらえるよう交渉しないといけないわね」


「あのラナ様。悪いことは言いませんのでそれだけはおやめください、下手をすればギルドが割れてしまいます」


 次に聞こえてきた恐ろしいセリフに俺の視線が反対側へ向く。

 そこには神棚に飾られていたはずの〈幸猫様〉を抱きしめたラナがいた。今のセリフはラナか! シズが(たしな)めていなければ戦争が始まっていたぞ!


 そう、ここに集まっているのは放課後にぬいぐるみを愛でたい派の女子たちだ。

 このギルド〈エデン〉はなぜかぬいぐるみや可愛い物好きが多い。

 今日はこの4人しかいないようだが、多ければ女子が全員参加している日もあるらしい。


 そのおかげでギルド部屋は徐々にラブリー的ファンシーな部屋になってきている。

 ぬいぐるみ専用の台やショーケースが置かれ、日を追うごとに少しずつぬいぐるみが増えていっているのだ。最初はシエラが買ってきた10体だけだったのが今は30体を越えていた。

 このまま増え続けたら一体ギルド部屋はどうなってしまうのか、最近の俺の心配事だ。


「あ、ゼフィルスじゃない。どうしたのよ、あの〈ぷらよん〉たちとダンジョンに行ったんじゃなかったの?」


 ラナの声に全員の視線が俺に向く。


「ああ、さっきぶり。というか〈ぷらよん〉ってなんだ?」


「クラスでゼフィルス殿の前の席の4人のことです。自己紹介でのアレからクラスでは徐々にそう呼ばれてきていますね。直訳すると〈プライドが無駄に高すぎる4人組〉という意味になります」


 シズがすまし顔でそう答えた。

 哀れサターン君たち。まさかクラスメイトたちからそんなあだ名で一括(ひとくく)りにされているとは、プライドの高い彼らが知ったら爆発するんじゃないか?

 せめて俺だけはちゃんと名前で呼ぼうと思う。


「なるほど。あとラナ、〈幸猫様〉は絶対譲らねぇから」


「何でよ!」


 なんでも何も無い。絶対ダメ! これだけは言っておく。

 それはともかくだ。ようやく本題に入る。


「実は相談したいことがあってな、件の4人がギルドを作ったんだ」


「へぇ」


 ラナの反応は薄かった。


 相当興味がない模様だ。


 しかし、そんな反応も、次の言葉に一変する。


「それで俺たち〈エデン〉と練習ギルドバトルをしたいと言い出してな——」


「ギルドバトル!!」


 ラナが食い気味に反応する。

 そう、ギルドバトルだ。Eランク試験の時以来だな。

 俺とラナの会話にそれまで傍観に徹していたリカとカルアも反応する。


「ゼフィルス、ギルドバトルをするのか? 参加者はもう決まっているのか?」


「出られるのなら、参加してみたい」


 前回のEランク試験の時は2人ともたくさん練習したのに観戦席だったからな。

 ギルドバトルは一度体験してみたいだろう。


 俺も、なにやら言いがかりに近い感じに挑まれたギルドバトルだったが、正直なところ今後の事を考えれば悪くないと思っている。

 Eランク試験の時は結局参加できたのは5人だけだった。

 今の〈エデン〉は13人、ギルドバトル未経験者が圧倒的に多い。

 今後ランクを上げていくにあたってギルドバトルは必須だ。故に出来るだけ経験を積んどいたほうがいい。今回のギルドバトルは渡りに船だった。


 本当ならメンバー同士での練習もしたいところだが、生憎アリーナにそこまでの空きはなく、いつでも練習できると言うわけではない。特に今の時期は。

 またアリーナを(いち)ギルドが使用するにはクエストポイントが多く必要になるのも利用できない理由の一つだ。


 ちなみにクエストポイント、QPとも呼ばれるこれはギルドがクエストを達成した時に学園側から貰える物である。これを使う事でアイテムや素材を交換できるほか、学園施設の利用などにも使う事ができる。


 そして、他のギルドと練習試合ならばクエストポイントが割り引きされるほか、時間や目的によっては優先的にアリーナを使わせてもらえることがある。

 木曜日の放課後で予定を組んでしまったが、アリーナを使わせてもらえることになってよかったよ。


 ちなみにクエストポイントは持っていないので、今回はミールで支払った。

 FランクとEランクの練習ギルドバトルの場合、お互いろくにQPを持っていないためミールでの支払いが許可されているのである。

 その代わりランクが上がったら使えなくなる制度だけどな。


 そんなわけで残り3日しかないので参加者を決めようと思ってここに来たのだが、今回はリカとカルアは確定で出てもらおうか。


「出来れば皆平等にギルドバトルを体験してもらいたいからな。今回はリカ、カルア、頼むよ」


「! 任せてくれ、きっと期待に応えて見せるぞ」


「やった。リカ、頑張ろう」


「もちろんだ」


 リカとカルアが2人とも顔をほころばせながらハイタッチする。

 特大のモチッコぬいぐるみを持っているのが少しシュールな件。


「ちょっと、私は!」


「いや、ラナは前回出たじゃないか」


「1回だけでしょ、あれだけじゃ全然足りないわ! それにゼフィルスは参加するんでしょ!」


 それを言われるとちょっと辛いが…。

 まあどうしてもダメと言うわけではないし、別にいいか。


「では私も、後学のために」


 シズ、君もか。まあいいけど。


 こうしてギルドバトル出場メンバーは決まった。


 サターン君たちはギルドバトル初心者だけど、手加減する気はない。

 こちらも3人初心者がいるからきっと大丈夫よね。(?)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ