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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第四十章 卒業とお別れと思い出作りの最上級ダンジョン

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#1783 史上初の最上級ダンジョン突入イベント宝箱!




「さあニーコよ! 外で学園長たちを始め、多くの人たちが待っている! 最上級ダンジョンの初入ダンにふさわしい、素晴らしいお宝を見つけてほしい!」(期待大)


「なにかとんでもない期待を掛けられてるんだけど!?」


 お宝発見専門職! 我らの頼れる【トレジャーハンター】、ニーコの出番だ!

〈SSランクギルドカップ〉中、束の間の休暇を楽しんだらしいニーコ。

 その休暇も昨日で終わりだ。


 せっかく最上級ダンジョンに来たのだから、ニーコに一発当ててもらって帰還しようじゃないか!


「ニーコなら、隠し部屋に隠されている宝箱も分かるだろう? さあ、ニーコよ! 一発当てに行こうぜ!」


「ええい! ぼくに任せたまえ! 最上級ダンジョンで初めてのお宝は、ぼくが見つけてあげるよ!」


「頼もしい!」


「秘技――『お宝レーダー』! あんど―――『隠した財宝はここかな?』!」


 最上級ダンジョンでテンションが上がっているのはニーコも同じ!

 全然秘技ではない『お宝レーダー』で周囲のお宝を感知! さらに発動した『隠した財宝はここかな?』は隠し部屋や隠されたトラップなどを看破する。

 この組み合わせにより、ニーコは早速何かを捉えたようだ。


「キタキタキターー! お宝の反応あり! こっちだよ!」


「おっしゃー! 1班は俺に付いてこい! お宝の時間だーー!」


「私も行くわ!」


「ルルも行きたいのです!」


「よし、やっぱりみんなで行こう!」


「「「「「おおー!」」」」」


 初めての最上級ダンジョンのお宝だもん、そりゃみんなも見たいよな!

 結局みんなでいくことにし、リーナにユニークスキルを使ってもらって全員集合!

 お宝探索に出発したんだ。歩くこと30秒で到着。


「ここから反応がする! ここの通路の奥から宝箱の気配がするんだよ!」


「隠し部屋なのかしらここは? 蔓がカーテンみたいに垂れてて入り口が隠されているわね!」


「これじゃスキルで見つけないと宝箱があるか分かりませんね」


「なに任せたまえ! その時はぼくが全て見つけてあげるさ! さあ慎重にいくよ!」


「あ、でも普通に蔓は横に避けられるデース!」


 ニーコが発見した場所は隠し部屋なのか微妙なライン。

 ちょっとした通路だったが、その前に蔓がカーテンのように垂れ、入り口が分からない様になっているところだった。

 実はここは隠し部屋ではない。この先にあるのは、普通のランダム宝箱だ。

 そして行き止まりに到着。果たして。


「む、〈木箱〉」


「むむ! 違うよ! あれは〈金箱〉だよ! 『よく見たら〈金箱〉』!」


「あ! よく見たら〈金箱〉だったわ!」


 そこにあったのは〈木箱〉――ではなく〈金箱〉だったんだ!

 いや、本当は〈木箱〉だったんだが、ニーコがスキル『よく見たら〈金箱〉』を使って、気が付いたら〈木箱〉が〈金箱〉に変わってた。――さらに。


「『伝説は本当だった』!」


「2つ宝箱があるわ! 両方〈金箱〉よ!」


「おっしゃー!」


 1つに見えた宝箱も、実は2つだった! ブラボー!

 これはニーコのユニークスキルの効果だ。

『伝説は本当だった』は、『伝説の鍵開けハンターLV10』を持っている時、宝箱がたまに倍になるというとんでもない効果が発生することがある! これはボスにも適用されるのだから凄まじい!


 これぞ黄金コンボ。

 確率は低いし、宝箱を見つけたら即で使わないと、時間が経ちすぎればスキルが発動出来なくなってしまう難しさはあるが、成功すればこの通り。

 道中の宝箱が〈金箱〉に早変わりして、倍になってしまうのだーーーー!

 これぞ伝説の始まりだよ!


 さすがはニーコ! ニーコならやってくれると俺は信じてたよ!!(期待特大)


「ニーコのおかげで最上級ダンジョン初めての宝箱は――〈金箱〉2つだ! 早速開けてみようぜ!」


「私が開けるわ!」


「ここは譲れん! 俺が1つを開ける!」


「ぼくも開けたいのだが!?」


「ルルも開けてみたいのです!」


 何人も希望者が出たが、結局最初なので1つを俺が、そして発見者であるニーコが1つを開けることに決まったのだった。


「ああ〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉、今日もありがとうございます! あとでたっぷりお供え物をさせていただきます! 良いものください!」


 たっぷりお祈り。今日のお祈りは一味違う! 届けこの思い! あとで最上級のものをお供えさせていただきます! いざ、オープン!

 果たして中身は?


「おおおお! これは、杖だーーー!」


「「「杖!?」」」


 宝箱からゆっくりと取り出し、現れたのは――杖!

 木製の杖だった。

 お、おお、おおおお!

 テンションが上がっていくのを感じる。こ、この杖は!

 ヤバい、このままでは名前が口から飛び出ちゃいそうだ!


「誰か『解析』頼む!」


「ルルが視てあげるのです! 『解析』なのです! むむむ! これは〈世界樹の杖〉なのです!」


「「「「「〈世界樹の杖〉!?」」」」」


 1発目からとんでもないものが出てキターーーーー!!


 その杖は神々しかった。太古より生きてきたかのような重みのある樹の枝からなり、先端は枝がまるで幾何学模様のような姿となっている。先端の周囲にはほんの少し、淡く光っている葉が所々に生え、まるで生きているかのような鼓動を感じさせる杖だった。


「最上級ダンジョン、最初の宝箱に入っていた武器にふさわしいな! よし、持って帰って自慢しよう!」


「勇者君の表現はストレートすぎるよ!? でもぼくも大賛成だよ!」


「私もだわ!」


 これは良いお土産ができた! ニーコバンザイ! 〈幸猫様〉バンザーイ!!


「よーし、この調子で、ぼくもお宝から素晴らしいものをドロップしてあげるよ!」


「いったれニーコ!」


 ニーコが柏手打ってお願いし、パカリと宝箱を開く。

 そしてもう1つの宝箱からは。


「これは、レシピだーー!」


「「「おおー!」」」


「ルルに任せるのです! 『解読』なのです!」


「おお、おおお! おおおおお――おお?」


 レシピがだんだん読めるようになっていき、テンションが上がり天井を突破する寸前、その内容に少しテンションが落ちてしまうニーコ。

 おや?


「これは〈最強アイスティー〉のレシピ? って書いてあるわね」


「料理レシピですか! ほうこれは、1層で採取できる茶葉や珈琲豆などで作れるみたいですね」


「それは重畳ですね」


 レシピは料理アイテム系だった。しかもティー系。アイスコーヒーも作れるくらい幅広いアイス系の飲み物のレシピが書かれている。

 それまで静かに控えていたシズとセレスタンがズイッと出てきてしまうくらい興味深そうにしていたが、ふむ、あっつくないお茶か。これはインパクトが弱いな。〈エデン〉で使おう。


 あれ? もしかしてこれって〈幸猫様〉のお導き? お供えはアイスティーをご所望ですか!?


「ゼフィルス、そろそろ時間よ」


「! よーし遠足――じゃなかった、調査はここまで! みんな、早速自慢しに――じゃなくて、報告に戻るぞ!!」


「「「「おおー!」」」」


「今ゼフィルス先輩遠足って言いませんでしたの?」


「きっと聞き間違いだよサーシャ! うん、聞き間違いに違いないよ!」


「う、うん! 私も遠足って聞こえた気がしたけど、気のせいだと思うよ!」


 ついに来てしまった帰還の時間! だが安心してほしい。今日は調査だけだったが、明日からは本番。

 春休みに突入するものだからたっぷり時間を確保して、すぐに攻略してやるからな!

 なお、ちょっと言い間違えたことに対し、サーシャとカグヤ、クイナダが的確にツッコミ、シエラがジト目を送ってきたことをここに添えておきたい。やったぜ!


 そう心に決めて出入り口の門へ向かうと、そこには〈採集無双〉のみんなが素材の山を作って待ってたんだ。

 どうやら自分たちの〈空間収納鞄(アイテムバッグ)〉に入りきらなくなったらしい。どんだけ採集してきたんだ!?

 よし、これも学園へのお土産にしよう! 学園長たち、きっと喜んでくれるぞ!




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
ほら、【勇者】(下級職)って【魔王】(上級職)だから・・・。 学園長、南無。
ああ、溶岩のようなお茶が学園長に…………。
勇者とお茶からは逃げられない(大魔王感)
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