表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第四十章 卒業とお別れと思い出作りの最上級ダンジョン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2036/2137

#1774 〈後夜祭〉の挨拶。〈エデン〉がトップだから




〈ギルバドヨッシャー〉と別れると、話しかけてきたのは〈千剣フラカル〉のギルドマスター、リン先輩だった。

 ちなみにオスカー君はシンジが慌てて戻って来て捕まえて、連れて行ってたよ。


「ゼフィルスさん、今よろしいですか?」


「もちろんよろしいぜリン先輩。こうして話すのは〈巣多ダン〉で特訓したとき以来だな」


「ですね~。あ、そうそうリカちゃんから聞きましたよ! フィリス姉様を助けていただきありがとうございました! 今すっごくやる気に燃えていますから、春休みは私たちもレベル上げに参加することになっているのですよ」


「そいつは良かった」


 興奮していらっしゃるのか、リン先輩の口調が少し乱れている。

 それほどフィリス先生が【炎国姫】に就けたのが嬉しかったらしい。

 卒業後はフィリス先生やキリちゃん先輩と同じように〈攻略先生委員会〉に所属する予定のリン先輩。姉妹仲良くレベル上げに勤しむ予定らしい。


 続いて話しかけてきたのはセーダン。


「ゼフィルス、途中で負けてしまい、すまなかった」


「なぁに大丈夫だってセーダン、元気出せ。ほら、ジュースでも注ぐぞ」


「むう」


〈巣多ダン〉ではSSランク戦で戦うことを楽しみにしていると言っていたセーダンだったが、〈千剣フラカル〉は準決勝で〈ギルバドヨッシャー〉に敗退してしまい、決勝で〈エデン〉に当たることができなかった。

 根が真面目なセーダンとしては、約束が果たせず、しかも途中敗退してしまったことで悔やんでいる様子だ。


「まあ、あと1年あるしな。またギルドバトルする機会はあるだろうさ」


「……そうだな」


 それからも〈千剣フラカル〉のメンバーに挨拶していった。


「拙者も最後にゼフィルス氏と手合わせしてみたかったでござる」


「君は、ゴザル君!」


「いやいや、拙者はアビドスでござるよ!?」


「まあ、ゴザルさんが名前を覚えてもらえないのはもう仕方ないですわ。でもわたくしは覚えていてくださいなゼフィルス様」


「もちろんだリテア。分校に帰っても元気でな!」


「感無量ですわね!」


「拙者は悲嘆(ひたん)にくれているでござる……」


「大丈夫だアビドス、もう名前は覚えた」


「! 感無量でござる!」


〈千剣フラカル〉所属の留学生、ゴザル(・・・)君やリテアと最後の交流を交わしたりもしたし。


「あ、ゼフィルスさん、改めて紹介させてもらいますね、新ギルドマスターのエレメースと、サブマスターのナツキですよ!」


「こんばんはゼフィルスくん、えっと、本日はお日柄もよく?」


「いやエレメース、もう夜だし、もっとギルドマスターらしい挨拶とかあるだろ??」


「こ、こほん。失礼しました。ねぇナツキさん、やっぱりギルドマスターは交代してくれない!?」


「いや、私にギルドマスターは向いてないし」


「私だって向いていませんわ!」


「もう2人とも落ち着きなさい」


 次代のギルドマスターとサブマスターも紹介された。

 ただ、なぜか俺を前にしたエレメースとナツキは、すごく緊張していたんだ。

 リン先輩がとりなしてなんとか(ほぐ)していたよ。


「というかセーダン、サブマスターはやはりナツキに譲ったのか?」


「ああ。やはりこの2人の方が〈千剣フラカル〉をしょって立つにふさわしいだろうからな」


「それにしてはギルドマスターを譲り合っていた気がしたが」


「まあ、その辺は俺も補佐をしていくつもりだ」


「男爵」カテゴリーを持つエレメースは赤髪を三つ編みカチューシャにしている美人さんだ。彼女がギルドマスター。

 そしてナツキは「侯爵」カテゴリーを持つザ・女侍という感じ。こちらがサブマスターだ。


 実力ではエレメースの方が強く、ナツキはまだまだ修行中だと言ってサブマスターになることも乗り気じゃ無かったらしいが、セーダンとリン先輩からの強い要望でサブマスターに就いたようだ。

 そして、ついさっきギルドマスターとサブマスターの引き継ぎを終えたらしい。


「こほん、失礼いたしました。〈千剣フラカル〉の今代のギルドマスターを任されました。〈エデン〉とはこれからも仲良く付き合っていきたいです!」


「俺もだ。よろしくな〈千剣フラカル〉。そしてギルドマスターエレメースよ」


 グッと硬い握手をする、俺とエレメース。

 次代の紹介と挨拶だ。

 別にそういう決まりがあるわけじゃ無いが、今や〈エデン〉は学園のトップギルド。こうして世代交代したら挨拶されるみたい。


〈千剣フラカル〉が終わると、なんか次々きたんだもん。


〈SSランクギルドカップ〉が終わり、明日が卒業式なために今日中に世代交代を済ませたギルドが、挨拶に来たんだ。

 まずは最後のSランクギルド、〈百鬼夜行〉から。


「無事私からハクにギルドマスターを譲ったの。ハク、挨拶するの」


「面倒掛けて悪いなぁゼフィルスはん、世代交代の報告どす。うちは教室で伝えるだけでええやん言うたのやけど、ホシ先輩が今言わないとダメ言うて挨拶に来たんや」


「じゃないと私がゼフィルスさんと話せる機会が、もうないの。これは挨拶だけじゃなくて、お礼も兼ねているの。――ゼフィルスさん、この度は六段階目ツリーの開放に手を貸していただき、誠に感謝するの」


「そういうことか。感謝を受け取るよホシ先輩。それに、あれは俺たちが好きでしたことだ」


「いやぁ、やっぱりゼフィルスはんは大物どすなぁ。好きでしたことで他のギルドの六段階目ツリーを開放させてまうんやから」


 どうやらギルドの代替わりの報告と一緒に、改めて六段階目ツリーの開放のお礼を言いに来たかったらしい。

 さすがはSランクギルド、ちゃんとしているなぁ。

 ……おかしいな〈ギルバドヨッシャー〉とはそんな話、欠片もした覚えが無いが。


 それからホシ先輩が最後だからと、【嫉妬】の運用に関して根掘り葉掘りガチめに聞いてきたのでいくつか答えてあげたりして楽しんだ。

 やはりホシ先輩、〈エデン〉が〈ミーティア〉戦で使った【嫉妬】戦法に興味津々の様子だったよ。


〈百鬼夜行〉との挨拶が終わると次はAランクギルドの番だと言わんばかりに、最初は〈ミーティア〉がやって来た。


〈SSランクギルドカップ〉で唯一準決勝戦に残った〈ミーティア〉はAランクギルドの非公式ランキングで1位に輝いたらしく、Aランクギルドの筆頭として一番乗りの挨拶に来た模様だ。


 なおこれは、いつの間にか俺の後ろに控えているセレスタンからこっそり教えてもらったことだ。

 マジでいつから俺の後ろにいたの?


「執事ですから」


「執事か~。それじゃあ仕方ないなぁ」


 うん。深く考えてはいけない。執事ってすげぇ。


「ゼフィルスさん。〈エデン〉の優勝、おめでとうございます」


「おめでとうなのだわ」


「ありがとうアンジェ先輩、マナエラ先輩」


〈ミーティア〉のメンバーは2人だけだった。結構少ない。

 少し首を傾げていると、早速本題と言わんばかりにアンジェ先輩から重大な話がもたらされた。


「私たち〈ミーティア〉の話題で恐縮なのだけど、〈ミーティア〉は今代で解散することにしたの」


「〈ミーティア〉が解散!?」


 とんでもない話だ。とはいえ、実は予想がついていたりする。


「ええ。私たちのギルドは連携などの結びつきが強すぎて、なかなか新しい子をギルドに迎え入れられなくてね。3年生が卒業してしまったら、残り一桁になってしまうのよ」


「だから〈ミーティア〉はこれで解散なのだわ」


 そう、〈ミーティア〉は一斉攻撃の連携が強みのギルド。

 その練度は本当に高く、一斉攻撃を担当するメンバーはほとんどが3年生。しかもメンバーを入れ替えると連携が崩れてしまうためになかなか入れられず、結果的にクエナのように一斉攻撃に関係無い人材しか次代を入れることができなかったのだ。

 3年生が卒業すれば完全に〈ミーティア〉の強みを失ってしまうため、ここで解散に踏み切ったのだろう。


「ゼフィルスさん、改めてありがとう。長年の宿敵(ライバル)、〈百鬼夜行〉に勝つことが出来たのは〈エデン〉の力添えがあってこそ! 本当に感謝しているわ」


「はは。そう言ってもらえたなら、〈ミーティア〉を誘って良かったよ。〈ミーティア〉解散は残念だが、悲願が叶って良かったな、アンジェ先輩」


 俺も心から祝福した。

 アンジェ先輩は卒業前に〈百鬼夜行〉に勝てて本当に嬉しそうだったよ。




 続いて来たのは〈獣王ガルタイガ〉。サテンサ先輩たちだった。


「ゼフィルス君。悪いがゼルレカのこと、任せたよ」


「任せてくれサテンサ先輩! ゼルレカは〈エデン〉でさらに、もっともっと強くなるだろう。こっちのことは気にせず、サテンサ先輩は自分のことに集中してくれ」


「はは! 本当にイイ男だねゼフィルス君は! さすがはガルゼ先輩が気に入ってた男さ!」 


 サテンサ先輩はそれだけ言うと豪快に笑った。

 ガルゼ先輩から任されたゼルレカだけが唯一の懸案事項だったようだ。

 続いてサブマスター、いや、元サブマスターのクエスタール先輩が口を開く。


「うちも新しいギルドマスターとサブマスターを紹介します。ギルドマスターは予定通りターニアが就くことになりました」


「よろしくお願いしますゼフィルスさん!」


 元気があってよろしい!


「こちらこそ、よろしくなターニア」


 ターニアはカルアと同じタイプのちょっとロリ気味の「猫人」なので、〈獣王ガルタイガ〉の強者感があまり感じられないが、実力はある。足りない部分はサブマスターが支えるとのことだ。


「サブマスターは、頭脳派のインテアという子が勤めることになりました。職業(ジョブ)は【幸福の光猫】なので上手くやるでしょう」


「うちの秘蔵っ子さね。今日はちょっと席を外しているが、そのうち挨拶するだろうから、よろしく頼むよ」


「こちらこそ」


〈獣王ガルタイガ〉とはまだまだ長い付き合いになるからな。

 しかし頭脳派か。猫人に頭脳派の印象はあまり無いが、ミミナ先輩みたいな子かな? 会うのが楽しみだ。


〈獣王ガルタイガ〉組と別れると、今度は〈集え・テイマーサモナー〉〈カオスアビス〉〈世界の熊〉〈サクセスブレーン〉と挨拶が続く。


〈筋肉は最強だ〉〈氷の城塞〉〈天下一パイレーツ〉については、世代交代が無かったので挨拶は無いかな? と思ったのだが、しっかりあった。


〈天下一パイレーツ〉はモニカとエリエルだけだったけどな。


 さて、ようやく解放されたので俺も後夜祭を見て回ろうか。

 ん? あそこからなんか楽しそうな気配が漂っているな。あの中心にいるのは――オルクとベニテか?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
おはようございます。 ミーティア解散かぁ。ギルド所有アイテムや在校生が何処のギルドに流れるかは興味有りますね。
ミーティア解散かあ。 事情は理解できるがなあ。
ギルド事情も様々だねぇ… にしても揃ってエデンに挨拶とか大大名の正月挨拶みたいだw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ