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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十八章 S&A!パワーキャリーで六段階目ツリー開放大爆発!

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#1720 各ギルドがついに六段階目ツリーを開放する!




「勝ったぞーー!」


「やりましたーー!」


「ええ……?」


 最奥ボスを下し勝ち鬨とバンザイする俺とマシロ。

 しかし、アンジェ先輩とのテンションの落差がすごい気がする。

 アンジェ先輩やマナエラ先輩、そしてクエナはエフェクトに沈んでいくボスを見ながら信じられないと言わんばかりに固まっていたからだ。


 そして次の瞬間には、〈金箱〉が1つ残っていた。


「…………勝っちゃったのだわ」


「勝っちゃいましたね」


 おお、マナエラ先輩とクエナが顔を見合わせている。2人とも、なんとも言えない表情だ。この表情が見たかった!


 アンジェ先輩はというと、プルプル震え、何かをとても言いたそうに口を開いては閉じを繰り返していた。かなり複雑な心境とお見受けする。

 そこに我らが秘密兵器(?)、純粋なマシロが突撃した。


「アンジェ先輩! やりましたね! 勝ちましたよ!」


「あ……う……?」


 これぞ全てを浄化するマシロの笑顔。ヒマワリの花のようなマシロの太陽笑顔光線を真正面から浴びてしまったアンジェ先輩は、ぐうの音しか出ないようなぐぬぬ顔をした後、陥落。


「そ、そうね……」


 なんだかそれだけ絞り出すのが精一杯、という表情で同意していた。

 純粋なマシロの笑顔は小さな悩みくらい吹き飛ばしてしまうのだ。


「「「あ」」」


 ここで〈ミーティア〉組の声がハモる。

 右手を翳して手を広げれば――その中には攻略者の証が煌めいていたのだ。


「攻略者の証……なのだわ」


「やったなマナエラ先輩!」


「私は今日、〈エデン〉がどういうギルドなのか、再認識したのだわ……」


 茫然としたように攻略者の証を見ながら呟くマナエラ先輩にお祝いの言葉を贈れば、すごく複雑そうな表情でなにかの認識を改めた様子だ。なんの認識を改めたんだろう? 不思議不思議!


 続いて出入り口が開き、〈ミーティア〉の面々やメルトたちが続々と入ってくる。


「アンジェ! マナエラ! クエナ!」


「攻略出来たんだ! すごいじゃない! 一発攻略よ!」


「すごーい! お祝いだよこれは!」


「ねぇねぇ! 攻略者の証見せてよ!」


「あ、そ、そうね! 見て、これが〈巣多ダン〉の攻略者の証よ!」


「「「「わー!!」」」」


 純粋な〈ミーティア〉組が現れたことで意識が切り替わったのか、アンジェ先輩がいつもの調子に戻り、多くのメンバーに囲まれる。

 動揺もなんとか飲み込むことができたらしいな。


 それをうむうむと見つめていると、マナエラ先輩が話しかけてくる。


「ゼフィルスさん、ちょっといいかしら?」


「お、どうしたんだ? 〈ミーティア〉のみんなに報告しなくても良いのか?」


「それはアンジェに任せるのだわ。私は色々と言いたいこととか聞きたいこととか、いっぱいあるのよ」


「いっぱいあるのかぁ」


「ええ。ゼフィルスさんと一緒なら可能性は高いと思ったけれど、本当に一発突破してしまうなんて驚いたのだわ。でもそれだけじゃなくって、その戦い方に驚かされたのだわ。知ってるかしら? 私たち、初見のボス相手に一度も戦闘不能になっていないのよ? それどころかHPがレッドゲージを割ることすら無かったのだわ」


「おう! よかったじゃないか! 作戦が全部ハマった結果だな!」


「ハマりすぎなのだわ。なんというか、勝負をする前から決着が付いていた、みたいな錯覚もしてくるレベルよ」


 マナエラ先輩が言いたいことがとても多いと言いながらビシビシ言ってくる。

 まるで責めているような口調だ。

 なのにどんどん気分が良くなっていくのはどうしてだろう? すごく気分が良い!


「いやぁ、それほどでもあるぜ~」


「褒めてな――いえ、褒めてたわね。いつの間にか褒めちぎっていたのだわ」


「おう。マナエラ先輩の感想、しかと受け取ったぜ!」


「…………シエラさん(サブマスター)はこんな気持ちで今までゼフィルスさんに接していたのかしら? とても大変なのだわ……」


 なぜかジト目になるマナエラ先輩。おお……ジト目マナエラ先輩バージョン! 

 うむむむむ、これは~良き!

 さすがはAランクギルドのサブマスターだ。良いものを持ってるよ!


「ゼフィルス先輩! そろそろ〈金箱〉を開けましょう!」


「お! そうするか!」


 マシロに促されてお楽しみの時間。

 マナエラ先輩にアンジェ先輩を連れて来てもらい、〈ミーティア〉や〈エデン〉のメンバーが集うと、〈金箱〉を開ける。

 もちろん開けるのはこの俺だ!


〈幸猫様〉方に思いを届けて、いざオープン。

 ドキドキの展開だ。〈ミーティア〉の前だからな、ちょっと気合い入っちゃうぜ。

 しかしその気合いが空回りしたのか、〈金箱〉から出てきたのは――〈上級転職チケット〉だったんだ。


「ってハズレかよ!」


「「「「ハズレ!?!?!?」」」」


「―――いえみんな、気にしないで」


 これは思わずハズレと叫んでしまったのも仕方ないというものだろう。

 でも瞬間、後ろに回り込んで来たシエラに口を手で塞がれたんだ。


「ゼフィルスは余計なこと言わないの」


「もごもご」


 そんなことをこっそり耳元で囁かれては頷くことしかできない。


「聞き間違いかしら、シエラさん、今ゼフィルスさんが〈上級転職チケット〉のことをハズレと」


「気のせいよ。そんなことあるわけないじゃない」


「全然気のせいじゃなかったのだわ……バッチリ聞こえていたのよ?」


「…………」


 どうやら誤魔化しきれなかったみたいだ。

 うむ。上級上位ダンジョンまで来るようになれば〈上級転職チケット〉はもはやハズレ扱いだ。

 と思っていたのは俺だけで、〈ミーティア〉的にはまだまだアタリの分類だった様子だ。


「これ、〈ミーティア〉で使って良いわ。受け取ってちょうだいアンジェ先輩」


「え? 良いのシエラさん?」


「ええ。〈エデン〉には交換屋を開くほどいっぱいあるから」


「ついにシエラさんまで取り繕わなくなったのだわ……!」


 シエラもなにかを諦めたのかぶっちゃけた。マナエラ先輩の反応を初めとした〈ミーティア〉のみんながびっくり仰天する様がとても良い。良いもの見られたぜ!


 なお、その後。シエラから呼び出しを食らったんだ。


「ゼフィルスは勘違いしているけれど、〈上級転職チケット〉はまだまだ貴重なものなの。ハズレじゃないわ。分かったかしら?」


「はい! 分かりました!」


「本当に分かっているのかしら……?」


〈上級転職チケット〉はこの世界ではまだまだ貴重品。俺、覚えた。

 今回は〈ミーティア〉と合同攻略というシチュでハズレ(上級転職チケット)が出ちゃったからちょっと漏れちゃっただけで、うん、とにかく気をつけるよ!

 そう、元気良く返事をしたのだが、なぜかシエラからはジト目をいただいたのだった。ひゃっほう! やっぱ本家のジト目は違うぜ!


 こうしてまずは〈百鬼夜行〉、〈ミーティア〉が〈巣多ダン〉の突破&六段階目ツリーの開放を果たすと、それから次々とそんなギルドが現れ始めた。


 続いて六段階目ツリーを開放したのは〈千剣フラカル〉と〈獣王ガルタイガ〉、そして〈ギルバドヨッシャー〉。


〈千剣フラカル〉はともかく〈獣王ガルタイガ〉は殲滅が不得意なイメージがあるのだが、そこは傭兵団の面目躍如。連携などによる戦術を多く持っており、見事に9日目の朝には仕上げてきた。

 最奥ボスへご案内だ。


〈千剣フラカル〉はリン先輩の指揮もそうだが、剣士に拘らない様々な職業(ジョブ)を上手く使ってレベリングしていた。

 また、新しいギルドマスターとサブマスターになる予定のエレメースとナツキも緊張しながらも積極的に指示を出す立場になっていたのが印象的だ。

 ダンジョン週間最終日にはほとんどのメンバーがLV60に至っていたのだから凄い。


〈ギルバドヨッシャー〉は、指揮力もそうだが、やはり作戦がすごい。効率よく、大量に、そして安全第一でレベリングする動きは1つの生き物のようだった。

 特にオスカー君とシンジの【エウレカカオス】組がすごいな。モンスターの居場所とか、その群の大きさとか弱点とかを暴いてくるんだよ。

 こりゃSSランク戦でも強敵になる予感だぜ。


 続いて六段階目ツリーを開放してきたのは〈サクセスブレーン〉と〈集え・テイマーサモナー〉。

〈サクセスブレーン〉は多彩な職業(ジョブ)持ちと連携を生かし、また、とある作戦を考案したとかで一気にレベル上げ効率をよくしていた。

 だが、さすがに全ては教えてもらえなかったので、あとはSSランク戦のお楽しみだ。


 また〈集え・テイマーサモナー〉はついに〈新リンリン戦法〉を開拓!

 まだ見せてはくれなかったが、カリン先輩とエイリン先輩の新しい戦法、SSランク戦での楽しみがまた1つ増えた!


 その次は〈カオスアビス〉と〈世界の熊〉のペア。

 ここは2つのギルドが協力して殲滅している関係上レベリングは遅いと思われたが、ロデン先輩の大殲滅攻撃とガロウザス先輩たちの釣り戦法で上手くモンスターたちを引きつけて殲滅を繰り返し、ついに六段階目ツリーの開放者が現れたのである。


 最後は〈氷の城塞〉と〈筋肉は最強だ〉のペアと〈天下一パイレーツ〉。

 本当にギリギリ、ダンジョン週間の9日目最終日になってようやく六段階目ツリーの開放者が現れたのだ。

〈氷の城塞〉は〈筋肉は最強だ〉を受け入れるのに時間が掛かったようで、最初は思うように殲滅出来ていなかったようだが、今では良く連携している。


〈天下一パイレーツ〉はずっとダンジョン泊をしていた影響だろう。凄まじい追い上げだった。遠距離攻撃が多く来る高台を陣取り、モニカが防ぎ、〈天下一パイレーツ〉のメンバーたちが猛烈な勢いで殲滅する。それを3日間朝から晩まで繰り返して、ようやく六段階目ツリーの開放者が出てきたのだ。頑張ったなサターンたちよ!


 だが残念ながらダンジョン週間はこれにて終わりだ。

 あとSSランク戦までにダンジョンへ潜れる日は、テスト最終日の木曜日の放課後とテスト返却日の金曜日の放課後だけだな。

 土曜日からはSSランク戦。


 SSランク戦開催まで、残り1週間だ!




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
あーあミーティア編終わってもうた ミーティアとの絡みもっと見たかったな…
マナエラ先輩かわいい
1年前の2年生(当時)合同攻略の時点でたいがいハズレ扱いしてたようなw>チケット 去年の出世大戦のときは赤点は確か出場できなかったけど、今年はどうなるんだろうか。 冒険者と神官はでれなくても変わらん…
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