表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十八章 S&A!パワーキャリーで六段階目ツリー開放大爆発!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1970/2137

#1718 〈ミーティア〉VS〈アムネジアトラキ〉戦!




「さあ、切り替えて行こうアンジェ先輩!」


「そうよアンジェ、このままでは遅れを取りっぱなしになるのだわ」


「! そ、そうね! このまま一歩先を行かれたままではいられないわ!」


〈百鬼夜行〉の面々が大々的に攻略者の証を獲得したことをアピールしてきて悲鳴を上げたアンジェ先輩だったが、俺やマナエラ先輩の励ましでなんとか持ち直したようだ。


 その表情、まさに悔しいといった感じ。

 学園でもかなりモテると評判のアンジェ先輩はそれはそれは美人だ。こう悔しい表情をしていても美人は変わらない。むしろ思わず助けてあげたくなってしまう魅力があるな。


「それでゼフィルスさん、私たちも一発突破は狙えるのかしら!?」


「おう。任せておけ! メンバーは〈エデン〉から俺も含め、2人派遣する。そっちはどうする?」


「頼もしいわね。〈ミーティア〉は私とマナエラさん、それとタンク担当、【多重展開結界師】のクエナをメンバーに加えるわ」


「よろしくなのだわ」


「よろしくお願いします!」


〈ミーティア〉からは3人、〈エデン〉から2人出して最奥のボス戦だ。

 アンジェ先輩の言葉に近くにいたマナエラ先輩ともう1人、少し小柄だがハキハキと喋る、如何にも魔法使いという様子のローブを着込んだ緑髪ツインテール女子が前に出てくる。


 彼女は2年生、14組に所属するクエナ。

【結界師】系の上級職、高の下【多重展開結界師】に就いており、〈ミーティア〉の貴重なタンクを担当している。魔法タンクだな。

 盾に頼らない、魔法で防御する職業(ジョブ)だ。カタリナと同じだな。


「こちらこそよろしくな。それじゃあ〈エデン〉からはヒーラーに来てもらおうか。今居る中なら……お、ちょうどいい――マシロ~」


「は~い、なんですか~」


 俺が呼ぶとててて~と非常に愛らしくやってくる1年生女子。

 我らが〈エデン〉の癒し担当。マシロである。


「これから〈ミーティア〉と最奥ボスに挑むからヒーラーを頼めないか?」


「いいですよ~」


「え、そんな簡単に? えっと、申し訳ないけれどその子は1年生よね? その、大丈夫なの?」


「任せてください! これでも〈エデン〉の一員ですから!」


「その通り! 大丈夫、安心してくれ。マシロは凄いぞ~。なにせ〈エデン〉のヒーラーだからな!」


「〈エデン〉のヒーラーしか言ってないのだわ。でも、これ以上説得力のある言葉も無いわね」


 マシロと俺が自信満々に胸を張って頷けば、マナエラ先輩がクールツッコミを入れてきた。まるでシエラのようだ。ちょっと、いや、かなり良い。


「えっと、あなたが白天使さんね。私は魔法使いなのだわ」


「はわ! 初めまして魔法使いさん!? 会えて嬉しいですよ!」


「私もよ。実際目の前にすると浄化能力が眩しすぎるのだわ」


「??」


 また、どうやらマナエラ先輩とマシロは知り合いらしい。

 でも、初めましてって言ってるしどういうことだろう? お互い噂で聞いた感じかな?

 あと【ゴッドアイズン】のマナエラ先輩がマシロを見て目をしばしばさせている。いったいなにが見えているのか気になるんだぜ。


「私はクエナです! よろしくですマシロさん! 1年生なのにゼフィルス様に頼りにされる実力者! 私、尊敬します!」


「ありがとうございます! 私も、〈ミーティア〉のギルドマスターとサブマスターさんに頼りにされているクエナ先輩を尊敬するですよ!」


「嬉しい!」


 おっと……? クエナとマシロのフィーリング凄くない?

 なにか通じ合うものがあったのかすごく意気投合している気がする。

 うむうむ。タンクとヒーラーの仲が良いのは良いことだな!


「よし、それじゃあ軽く打ち合わせした後、最奥ボスへ行こう!」


「ほ、本当に大丈夫なのね……」


 アンジェ先輩はまだおっかなびっくりという感じの表情だが、俺の人選を尊重する様子だ。

 マシロはこう見えて、実は〈エデン〉の中で最も野良パーティで最奥ボス戦をした経験のある人材なんだ。

〈エデン〉に来る前はマリアの下で〈ダンジョン商委員会〉を助け、最前線でレンタルヒーラーをしていたからな。


 初めての人でもしっかり合わせてくれる、凄まじい感性を持っていてとても頼りになる。

 それに今回組むのは魔法使い。動き回るアタッカーなどではないためヒーラーはしやすいだろう。

 マシロの実力、篤とお見せしようじゃないか!


 俺たち5人は改めて、俺の作った報告書(攻略本)からボス戦の立ち回りを再確認してボス部屋に入った。

 すでに〈百鬼夜行〉から1名が転移陣で帰還しているので、最奥ボスは復活している。


「あれが、この〈巣多ダン〉の最奥ボス。〈豪壮大樹(ごうそうたいじゅ)・アムネジアトラキ〉!」


「――――!!」


 そう、アンジェ先輩が言ったように、ここの最奥ボスは――〈トラキ〉系統のボスである!

「頭吹っ飛んだー」で有名な、あの〈トラキ〉だ! 油断はできない。


「よし、初手は手筈通りいくぞ!」


「クエナ、お願いなのだわ」


「はい! いきます――『大角(だいかく)結界』! 『ノービルバリア』! 『クロスロールマルチプル』!」


 クエナの防御魔法がまず展開される。

『大角結界』は無数の(つの)が生えた立方体の結界だ。そして大きい。

『ノービルバリア』は長方形、それもヘリコプターのプロペラのようなおかしな結界だ。

 加えて『クロスロールマルチプル』は2つの結界を回転させて操る魔法である。

 

【多重展開結界師】は複数の結界を展開することが強みの職業(ジョブ)だ。

 MPの消費は辛いが、非常に硬い魔法タンクとして優秀である。

 挑発スキルは無かったが、3つも魔法を使われたことでヘイトがまずクエナに向く。


「―――――」


「OKです!」


「行くわよマナエラさん!」


「いつでもいいわ」


「『シューティングスター』!」


 ヘイトを向けた〈豪壮大樹(ごうそうたいじゅ)・アムネジアトラキ〉、通称:〈アムネジア〉がまずしたのは、眷属召喚。

 大量の種をまき散らし、大量の眷属を召喚するのだ。

 これを潰すことが最初に求められること。


 だが、実はこの〈アムネジア〉の眷属はとんでもない能力を持っている。

 そう、言うまでも無い。〈トラキ〉がする「頭吹っ飛んだ」攻撃だ!

 普通の〈トラキ〉ならちょっとリアクションするだけで済むが、これはボスの眷属。なんと攻撃している最中に「頭吹っ飛んだ」をすることで、近くにいる相手をびっくりさせ、攻撃を失敗(ファンブル)させてしまうという特大の厄介な攻撃をしてくるのである。


 だからといって放置すれば数の力でこちらがやられてしまう。


 故に全体攻撃や召喚獣、広範囲攻撃などの一撃を叩き込むのが正解。

 アンジェ先輩が使ったのは【流星の魔女】の六段階目ツリー、『シューティングスター』。

 流れ星が4つ、蒔かれ、芽吹き、HPが出来上がった瞬間の〈眷属トラキ〉に激突して、周囲の〈眷属トラキ〉全て浄化した。大量の頭が吹っ飛んだが、もう失敗(ファンブル)させられても問題は無い。攻撃は一撃で終わっている。


 さすがはノーカテゴリーの中でも「女」しか就くことができない上級職、高の中だ。凄まじい威力だな。


「ナイスだアンジェ先輩! 次!」


「『ゴッドバースト・セクター』!」


 マナエラ先輩が使ったのは【ゴッドアイズン】の『ゴッドバースト・セクター』。

 つまりは扇形のバースト系である。これも六段階目ツリー。

 マナエラ先輩を中心とした扇のバースト系は、続いて出てきた〈眷属トラキ〉たちを一気に光に還していく。強いね!


「ナイスだマナエラ先輩! 次、マシロも攻撃だ!」


「はい! 『天光(アマテラスシャイン)』!」


「え!? マシロさんヒーラーだったんじゃ!?」


「私は攻撃も少しできるんですよ!」


「少しって規模じゃない気がしますよ!? マナエラ先輩並に殲滅してますよ!?」


 おお!? クエナ、君も良いツッコミができるじゃないか。

 ひょっとして、このパーティ、かなり良いパーティなのでは?

 よーし、俺も本気出しちゃうぞー!


「『ゴッドドラゴン・カンナカムイ』!」


「ゼフィルス様の魔法キターーー!?」


「―――――!?」


 大規模な攻撃を1回1回刻みながらするのが最善。

「頭吹っ飛んだ」を見終わって範囲攻撃、見終わって範囲攻撃を繰り返すのだ。

 面倒だからと〈眷属トラキ〉を放置するとどんどん増え続け、次第に手が着けられなくなってしまう。

 故に、ここのボス攻略は殲滅と同時進行で行なうべしなのである。


「クエナ、結界は!」


「全然大丈夫です!」


 だが大量の〈眷属トラキ〉は置き土産も忘れない。そう、「頭」である。

 そこでクエナの結界が役に立つ。

 見ろよ、このプロペラみたいな回転する結界を。

 そこに〈眷属トラキ〉たちの頭が吹っ飛んできて――あああああああ!?


 一瞬で光にされていたぜ。

 まあ相手は樹なので光にされて無くても木くずになっただけだろう。

 最初の展開はこんな感じだな。


 溢れるモンスター、それを留めるプレイヤーの図になるわけだ。


「『シューティングスター・レイン』! 『シューティングスター・アステリズム』!」


「やっぱアンジェ先輩の殲滅力は違うなぁ。それに5人中4人が魔法攻撃で殲滅出来るから、第一形態はかなり楽勝だ。次は俺がやるぞ――『フルライトニング・スプライト』!」


「本当にボス自ら攻撃はほとんどしてこないのだわ」


「はい! みんなでたくさんボスを倒しましたけど、第一形態の時はみんなその場から動かなかったって言ってました!」


「遠距離攻撃しか来ないのなら私の得意とするところです! このクエナの結界にお任せを!」


 第一形態の〈アムネジア〉は〈眷属トラキ〉()し戦法で、時々身体から種を飛ばしてくるだけだ。

 いや、だけって言ってもこの種、直撃するとかなりのダメージを負うし、その場に放置されると〈眷属トラキ〉になるから殲滅しなくてはならないので、そこそこ強い手ではあるんだけどな。


 しかし、種が分かってしまえば後は対策あるのみで勝てる。

 最終的に第一形態は、アンジェ先輩の隕石連打とマナエラ先輩の魔眼&目がビーム連打でHPをゼロにしてしまう。


「よし第二形態だな。この調子でいくぞ!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
ミーティアには是非頑張ってほしい それに美人には優しくなってまうよね笑
初めまして、をする顔見知り(?)が多そうだな。
初顔合わせとなるとあとは剣士と陽炎だけか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ