表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十七章 〈エデン〉49人VS〈竜〉ボス100体!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1941/2137

#1694 レアボス〈金箱〉回!溶岩大帝は誰の手に!?




「お宝は―――〈金箱〉2個!!」


「〈金箱〉やったわね!」


「お宝バンザイなのですーーー!!」


「おおー、お宝わっしょい~」


 ドロップしたのは〈金箱〉2個だった。

 もちろん俺もみんなもそれを取り囲み、両手をあげてわーいした。

 あれ? でも1人足りない?


「シエラ! シエラもやろう!」


「シエラもやるのです!」


「遠慮しておくわ」


 むむう、シエラは相変わらずガードが堅い。

 今度はどうやってあの堅いガードをほぐしてクルクルしてやろうかと作戦を練るのだ。そうだ、またルルに協力してもらって――。


「ゼフィルス、なにかよからぬことを考えてないかしら?」


「な、なにも考えてないんだぜ?」


「本当? でもラナ殿下がすでに〈金箱〉を確保しているわよ?」


「な、なにぃ!?」


「それに気が付かなかったということは、よからぬことで確定よ」


「!」


 な、なんという理論的な論破(??)!

 シエラ、俺のことを分かりすぎじゃない? 見抜かれてる! これがタンクの目!

 見ろあの目! ジト目だ! やっふーー!!


「ふふん! 見てなさいエフィ! 私が選んだこの宝箱には、きっと良いものが眠っているはずよ!」


「興味津々、早く開けてみて」


 俺の上がったテンションはそんなラナとエフィの言葉に引き戻された。


「ちょーっと待ってもらおうかラナにエフィ! なに勝手に開けようとしているのかね!?」


「何言ってるのよゼフィルス。まだみんなが来ていないから開けないわ! 開けるのは、みんなが来てからでしょ? 私が開けてあげるわ!」


「途中まで良い感じだったけど、最後の言葉には物申したい! 俺にも開けさせて!?」


「はぁ」


 俺とラナのやり取りになぜかシエラの方から溜め息が聞こえてきた気がしたが、きっと気のせいだ。


「わわわ! やっぱり終わってる! ――エフィ!」


「あ、シヅキ」


 すると、このタイミングでいつの間にか現れていた出入り口から、メンバー全員が入ってきた。先頭はシヅキだ。

 真っ先にエフィの下へ走ってくる。


「エフィ、レアボスだったの!?」


「レアボス、すっごく大きかった」


「ってことは本当に倒しちゃったの!?」


「楽しかった。〈ドラグローブ〉よりも強かった」


「本当に楽しかったんだね!? というかレアイベントの最後のボスより強かったの!?」


「うん。ちょっと危なかったけど、でも勝った。これ攻略者の証」


「軽っ!! エフィ、軽いよ! もっともったいぶってじゃじゃじゃーんって出そうよ!」


 盛り上がってる盛り上がってる。

 シヅキも良いツッコミ持ってるよ~。俺は嬉しい。


「ゼフィルスさん、お疲れ様ですわ」


「大丈夫でしたかゼフィルスさん!? いえ、その様子だと大丈夫そうですね」


「クワァ!」


「リーナ! アイギス! 見ての通りだ! これが攻略者の証だぜ!」


 エフィめ、勿体ないことをしたな。俺はちゃんと攻略者の証をじゃーんと掲げ、思いっきり自慢してやったぜ!


「やっぱり攻略しているよ! しかもいつも通り余裕そう!」


「レアボスでもゼフィルス先輩にとってはいつも通りですの!」


「全く変わって無い……絶対そんな簡単なボスじゃないはずなのに」


「もう考えない方が楽なのかなって思えてくるぜ……偉業ってこんな軽くできないはずなんだ。はずなんだ。いやレアイベントよりかは簡単なのか? よく分からなくなってきたぜ」


 うむうむ。カグヤもサーシャもクイナダも良いツッコミだぞ! ゼルレカ、諦めないで! ほら、もっと感想プリーズ!


 俺がいつの間にか手の中にあった攻略者の証を掲げると、歓声が――別に上がらず、いつも通りという雰囲気が流れた。おかしいな。


「問題は、このレアボスの宝箱ですね」


「なにが入っているのでしょうね! 剣だったら使わせていただいきたいですわ!」


「おっとそうだった! みんな、これから〈金箱〉を開けるぞ! お楽しみの時間だ!」


「「「おおー!」」」


 クラリスとノーアの言葉に自慢も終了させて、俺も〈金箱〉へと向かう。

 すると、ラナが片手でこいこいしているのが目に入った。続いて自分の隣を指さすのも。

 ―――こ、これは、共同作業のお誘い!?


「ほ、ほらゼフィルス、早く来なさい。向こうはルルとエフィが開けるそうだから、こっちは私と開けましょう?」


「それは良い考えだ!」


「あ」


 見ればもう1つの〈金箱〉にはエフィとルルがすでに横並びでしゃがみ込んでいる。

 近くにいるシェリアがエフィに視線で「そこ代わってください」と頼んで――懇願しているように見えるのは、きっと気のせいだろう。


 俺は見なかったことにしてラナの隣にたち、一緒にしゃがみ込む。

 まずは俺たちが開けないと始まらない!

 シエラから熱い視線がこっちに向いている気もしたが、ジト目じゃなさそうな気配だ。振り返ってはいけない。


「それじゃあお祈りを開始する!」


「いつでもいいわ!」


「ああ〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉! いつも〈金箱〉をありがとうございます! 今日はドラゴンステーキをお供えさせていただきます! どうか良いものをよろしくお願いいたします!」


「〈幸猫様〉〈仔猫様〉〈愛猫様〉! 今日もありがとうございます! 良いものください!」


 よし、ドラゴンステーキのお供えを約束、これは効果抜群のはず! いざ!

 俺とラナ、すでにせーのと呼びかけをしなくても箱を開く連携はバッチリだ!

 同時に蓋を持ち、持ち上げる。

 するとそこには1枚のレシピが入っていた。


「おお!」


「レシピよ! これはなにかすごいものが書いてあるに違いないわ! エステル!」


「お任せください――『解読』!」


 エステルの持つ〈幼若竜〉がキラリと光ると、レシピの文字がだんだんと読めるようになる。そこには――。


「こいつは――〈天竜聖剣(てんりゅうせいけん)〉のレシピだと!?」


「〈天竜聖剣(てんりゅうせいけん)〉!? なんだか凄そうな名前――って聖剣!?」 


 そこに書かれていたのは、剣のレシピ。

 それも汎用系の片手剣。

 俺が装備している〈勇王竜剣(ブレイブロードラゴン)〉は【勇者】か【竜】の名の付く職業(ジョブ)が装備することでその真価を発揮する専用装備なのに対し、〈天竜聖剣(てんりゅうせいけん)〉の場合は天や竜の名が入ってはいるが誰が使っても強い汎用系だ。そして、間違い無く最上級の装備!


 能力値が高く非常に強力であり、スキル『聖なる剣』は〈悪魔〉系のモンスターに対しての特効効果を持つ。

 シヅキが扱う〈魔王〉種のモンスターにも強力な特効を兼ね備えた――まさに聖剣だ。


 だがそれだけじゃない、この武器の最大の魅力はもう1つのスキルにある!


 その名も―――『天竜祝福』。


 これはなんと、汎用武器なのにレアドロップ率を高める効果があるのだ!


 え? ってなるよね。え? うそ? マジで? って。これマジなんだ。

 つまりこの聖剣、レアドロップ率を上昇させる武器なのである。

 当然素材、宝箱、両方の意味だ。

 それがレシピでドロップする!?

 確定だ!! 量産確定だ!!


「こ、これは凄い、凄いぞ勇者君! 今まで特定のドロップを2倍にする武器はあった。だがレアドロップ率を増やす武器スキルは存在しなかったんだ。だが、これはまさに存在しなかった武器! 今までの常識を一変させるほど凄まじいものだよ!」


 ニーコなんかこの通りだ!

 今まで見たこともない効果にテンションが振り切れて目をキラッキラにさせて俺とラナの間に割り込んできたくらいだ。

 と、ここでニーコはある事に気がつく。


「はっ!? これはもしや、ぼくがボス戦でお払い箱になるということでは――」


「それは無いわニーコ。私はニーコのことをとても頼りにしているのよ?」


「そうだぞニーコ! 是非俺たちの期待を受け取ってくれ!」


「ちょ、ラナ殿下、勇者君、なんだねこの腕は!? は、離してくれたまえー!?」


 なぜか飛んで火に入るニーコ。

 俺とラナの間に入ったものだからそのまま確保も容易だった。

 ニーコはずっとボス戦に参加してもらうからね?

 さて、こっちはとてもいいレシピが出た。次はルルたちの番だ!


「にゅにゅ、あの剣はルルも欲しいのです!」


「安心しろって! 完成したらルルの剣も更新してやるからな!」


「! あい!」


 ルルの剣は〈英勇剣(えいゆうけん)・ガイア〉。

 そのスキル『英勇覚醒LV10』は非常にルルと相性が良く、ステータスを上昇させてくれる。とはいえ、ルルは変身の方が好きだったみたいであまり使ったところを見たことは無かった。

 ルル的にもそろそろ交換しても問題無いらしい。


 俺はルルに約束した。


「それじゃあ、次こっち」


「あい! 開けるのです!」


 エフィに促されてお祈り開始。

 そしていざ、2人で宝箱の蓋を掴む。


「いくのです! せーの!」


「せ!」


 こっちはエフィがまだまだ共同作業をした経験が少ないので掛け声必須。

 そしてその中には――召喚盤が入っていた。こ、これは!


「「おおおおお!」」


「召喚盤なのです! 早速『解析』かけるのです!」


「よろしく!」


 エフィが持ちルルが〈幼若竜〉で『解析』してすぐに名前が判明。

 そう、これは先程戦ったレアボス、〈溶岩大帝(ようがんたいてい)・ラーヴァエンプドドラゴン〉の召喚盤だったのだ。


「シヅキ、使う?」


「使って良いのかな!?」


「ちょーっと待って! レアボスでしょ!? それなら私に譲って! 私ならユニークスキルを使わせてあげられるから!」


「む、確かに、最後のユニークスキルは凄かった。悩ましい」


「あれ!? エフィ!?」


 エフィがシヅキに贈ろう、としたところそこにフラーミナから待ったが掛かる。

 レアボスともなればフラーミナのスキルで例のユニークスキルがぶっ放せるのだ。あのブレイクしてブレスである。完全初見殺し。あかん。


 これは話し合わなければいけないな! もう1つゲットする?


「いずれにせよ、攻略者の証をゲットしましょう」


「おう! これからレアボス周回に入るぞ! 全員分の攻略者の証を取って帰ろうーー!」


「「「「おおー!」」」」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
ラナの下りがなければ完璧に面白かった
これ2体とか、対戦相手は泣いて喜ぶしかないな
これまたとんでもない召喚盤が出現したもんだ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ