#1693 〈ラヴァ〉戦決着! 二回変身大対決!!
前書き失礼します。
本日2話目!
「ゴアアアアアアアア!!」
ついに第三形態の〈ラヴァ〉。
その全長は30メートルほどとなり先程の倍。
姿は第二形態の時とそう変わらない、巨大で雄々しい姿である。
「私が全て受け止めるわ――『完全魅了盾』!」
「シエラがかっこよすぎる! だが、油断するなよ!」
30メートルもの巨大竜を相手に全て受け止めると前に出るシエラがかっこよすぎるんだ。ならば俺も応えなくてはなるまい!
「ブレス来るぞ!」
「任せて――『カウンター・レイ・ストリーム』!」
超巨大な溶岩球ブレス。それがシエラに撃ち込まれた。
だが、そこに合わすのはまさかのカウンター。
シエラの六段階目ツリー、最強カウンタースキル『カウンター・レイ・ストリーム』!
超巨大な溶岩球ブレスを粉砕し、そのエネルギーを全て集めた波動の一撃が〈ラヴァ〉へと撃ち込まれた。
「ゴアアアアアアアア!?」
「今だ!」
「左から行く」
「ルルは右からなのですね! とう!」
もちろんこの隙を見逃さず、エフィとルルは怯まずに突っ込み、再びスキルを連打する!
「『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』!」
エフィの『エル・セイバー』は六段階目ツリー。
「エル」で〈六ツリ〉? イエス!
その威力はとんでもなく高く、連打されるだけで見る見るHPは減っていく。
さらにである。
「『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』! 『デュプレックスソード』! 『クレセントスラッシュ』! 『ヒーロー・セイバー・モーメント』! 『大回転超切斬』! 『ヒーロー・スターレイ』! 『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』! 『デュプレックスソード』! 『神世界インフィニティ』! 『インフィニティソード』! 『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』! 『デュプレックスソード』! 『クレセントスラッシュ』! 『ヒーロー・セイバー・モーメント』! 『大回転超切斬』! 『ヒーロー・スターレイ』! 『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』! 『デュプレックスソード』! 『神世界インフィニティ』! 『インフィニティソード』! 『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』! 『デュプレックスソード』! 『クレセントスラッシュ』! 『ヒーロー・セイバー・モーメント』! 『大回転超切斬』! 『ヒーロー・スターレイ』! 『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』! 『デュプレックスソード』! 『神世界インフィニティ』! 『インフィニティソード』!」
ルルも攻撃に加わって大変ヤバい。
強い強い! 特にルルの攻撃は2倍速なので2倍近くエフィよりダメージを稼いでいる。エフィもとんでもないが、こうして見ると本当にルルが超ヤバい。
これが〈上級部門・公式最強職業ランキング〉第五位、【プリンセスヒーロー】の力!
だが、第三形態もただでは終わってくれない。
「ゴアアアアアアアア!!」
「魔法陣!?」
「エフィ下がれ!」
「!」
そう、なんと〈ラヴァ〉は魔法を使い始めたのである。
魔法陣は構成に時間が掛かるため、あまり使われることの無い攻撃方法だ。威力が高く、MP消費が多い職業が持っていることが多い。
それを〈ラヴァ〉は使い、身体の周り、空中に魔法陣を描いて――爆発。
周囲範囲攻撃だ。
加えて同時にシエラに溶岩の光線を放ってきた。こっちは直線範囲攻撃。
「『ディバインシールド』! まさか、竜が魔法を使ってくるなんて!」
無論弾くシエラ。だがその目は少し驚きに見開かれていた。
ドラゴンの攻撃方法と言えば物理、そして火球やブレスなど。
だが、魔法を使われるとなると一気に戦術が複雑になる。
「『ライトニングバースト』! 『サンダーボルト』! 『フルライトニング・スプライト』! エフィ、無事か!?」
「余裕」
エフィは無事だ。ノックバック耐性の『挫けぬ心』に加え『気配察知』や『危機感知』などのスキルを内包する『センチネル』を持っているため、攻撃に対しても回避性能が高くタフなのだ。
どうやら掠ったようだが、それはラナが瞬時に回復させたので問題無し。
ちなみにルルは敢えて喰らいながら攻撃を続行しているぞ。こちらも即回復したので問題無し。
「ゴアアアアアアアア!!」
「来るぞシエラ!」
「『アジャスト・フル・フォートレス』!」
30メートル級の〈ラヴァ〉が突撃を敢行してきた。
竜の顔面が地面すれすれでシエラに向かって突撃してくるが、シエラはこれを城盾で防御。ズドーーーーンと凄まじい重量級がぶつかった音が響き、城盾が軋んだのが分かった。さらに。
「ブレス!」
第一形態で使ってきた突撃即ブレスのコンボ技だ。
ズドドドドドドドドドンと第一形態の比ではない威力のブレスが叩き込まれる。
だが―――シエラの城盾は崩れない。
「言ったでしょ、今度は不覚は取らないわ」
「さすがシエラだ! 『勇者の剣』! 『インフィニティ・バニッシュセイバー』!」
「『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』! 『エル・セイバー』!」
「『ヒーロー・バスター』! 『ヒーロー・バスター』!『ヒーロー・セイバー・モーメント』なのです!」
「『大聖光の無限宝剣』!」
止めたら反撃! 大量攻撃が基本!
「ゴアアアアアアアア!!」
「うお、ここでか!?」
「こんな囲まれた状態で!?」
なんと城盾を突破できないとみるや、〈ラヴァ〉からユニークスキルのエフェクトが瞬いた。
「ユニークスキルが来る! シエラ、ドアを開けろ!」
「! それほどなのね!」
――『溶岩大帝流・ラヴァブレイクエクスプロージョンブレス』。
火山に住まうチェーンダンジョンのモンスターたち、その中で最後のボスの最強のスキル。
そのスキル名が分かった者はまず青ざめる。
なにしろブレイクの名が付いているからだ。
そう、全てを相殺してしまうブレイクの性能を持つ溶岩の大爆発。
それは防御スキルすらぶっ壊してタンクを退場させる威力を持つ。それが〈ラヴァ〉のユニークスキルだ。
〈ラヴァ〉がユニークスキルの準備に掛かると、身体は灼熱色に発光し、続いて身体中から大小様々な魔法陣が発生する。
「『プラネットドアヘヴン』!」
ガチャン、とドアが開かれた。
シエラのスキルの後、〈ラヴァ〉を囲むように展開した巨大盾が4つのドアとなって開かれる。
全ての攻撃を吸い込み封じ込める。いや、攻撃をドアの向こうの別次元へ放り込む、超強力なシエラ最強の防御スキル。
「みんな! シエラの後ろに!」
「りょ!」
「あい!」
さらにみんなでシエラの後ろに避難する。
ここが安全圏だ。
「ゴアアアアアアアア!!」
そして次の瞬間、フィールドに大爆発が鳴り響いた。
「くっ! ドアは、大丈夫!?」
「この感覚――相手はブレイク系だが大丈夫だ。シエラの〈六ツリ〉スキルには全て破壊無効が付いている。十分相殺まで持っていける! ――ラナ!」
「『神の守り』!」
瞬間、女神のような体長7メートルの幻想が現れ、俺たちを包むかのようにして結界で囲ってくれる。
これはラナの六段階目ツリーの防御魔法だ。
ブレイク系は相殺だ。貫通ではない。
じゃあ相殺して終了になってしまうのではないかと思うがそうではない。
〈ラヴァ〉の攻撃は2回ある。
「ゴアアアアアアアア!!」
一発目のブレイク系で盾をぶっ壊し、二撃目のブレスで相手を屠るという二段構えのユニークスキル。
完全初見殺しなので、俺もゲームで最初に挑んだ時はこれに粉砕されたよ。
だが、2回目からは対策できる。
ようはブレイクされ相殺された盾の他に、もう1つ防御スキルを発動しておけば良い。2タンク居れば防御できるユニークスキルだ。
一撃目の爆発はシエラのドアが完全に吸い込みきった。そうして二撃目のブレスが、まるでドアを避けるようにして放たれた。これも初見殺しの所以。
これはラナが防御する。
神の結界がブレスの直撃から5人全員を守り切り、ユニークスキルを完全に防御した。
「今だ! 『天光勇者聖剣』!」
「ゴアア!?」
ズドン!
一瞬で30メートル級すら届きうる光の聖剣が顕現し、〈ラヴァ〉をぶった切る。
ユニークスキル後の硬直中に大ダメージを受けるとダウンする。
当然のように〈ラヴァ〉は俺の聖剣でダウンした。
「総攻撃だ!」
「とう!」
「トドメ!」
ここで飛び出した俺たちによって総攻撃。
これによって〈ラヴァ〉は、ズドンと倒れる。
HPをゼロにし、膨大なエフェクトの海に沈んで消えていったのだった。




