表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十六章 〈エデン〉VS〈天下一パイレーツ〉ランク戦!? 六段階目ツリーの大お披露目!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1865/2137

#1631 〈西2巨城〉部隊VS〈北巨城〉ツーマンセル!




 初動、西側。

 西側は白チームが取得するに有利な4つの巨城があるが、そこへは初動から4つの部隊がしっかりと確保に走っていた。


 こちらは〈西4巨城〉の〈スタダロード戦法〉担当、ツーマンセルと後続部隊。

 南西に向かう部隊において非常に大きな意味を持つ部隊である。


「『高速移動』!」


「『時兎タイムブースト』!」


 担当するツーマンセルはラウとルキアだ。

 ラウは初手でステータスのAGIをバフする『高速移動』を発動。


 ルキアが使うのは六段階目ツリー『時兎タイムブースト』。範囲内に居る味方の素早さと移動速度を超強化してくれる強力なスキルだ。

 これでラウとルキアは超加速し、ゼフィルスの指示通りのルートを走って〈西4巨城〉へと向かったのだ。


「ラウ君、赤チームは!?」


「俺の『直感』や『気配捜索』には反応無しだ! どうやら上手く捌いたようだな」


「は~良かった! ちょっとドキドキしてたよ! これで〈西4巨城〉を落とすのが楽になるね!」


〈西4巨城〉は、その名の通りフィールドの西側にある、だが西側にある巨城の中で最も東に寄っている巨城だ。故に、赤チームでも足さえ速ければ確保できる可能性が最も高い巨城でもある。

 そのためゼフィルスからは、絶対相手に取られないために、まず足の速さで負けないよう最短距離を行くよう指示が出ていた。


〈西4巨城〉は立地が大変難しい位置にあり、白本拠地からは直線で向かうことができない。故に回り込むしかないのだが、回り込めば当然たどり着くのが遅くなる。その分赤チームも近づいてくる。

 故にラウたちは最短距離である西側から回り込んで〈西4巨城〉に向かうルートを指定されていた。東側から回り込むルートだと、万が一相手の方が速かった場合、〈西4巨城〉への道をブロックされたどり着けない可能性があったためだ。


 当然赤チームも〈西4巨城〉へ向けて〈スタダロード戦法〉を走らせていたのだが、おそらく別の味方がこれを止めたようだ。

 ならラウたちの仕事は簡単だ。

 後続が来るまで待って〈西4巨城〉を落とせば良いだけである。


 そして赤チームの来なかった〈西4巨城〉は当然〈エデン〉が手に入れた。


 ◇


〈西3巨城〉の攻略部隊。

 こちらは一番簡単だった。

 なにしろこの〈九角形〉フィールドで最も手に入れやすい〈救済巨城〉は〈西3巨城〉だからである。

 こちらはノーアやクラリスが担当し、ラウとルキアが通った道を利用して途中まで後続として進むことで最速でたどり着き攻略開始。


 見事に〈西3巨城〉を落としきったのだった。


 ◇


「あれ?」


「誰か来ます!」


 こちらは〈西2巨城〉攻略部隊。

 ハンナ、ラナ、シズ、リーナ、フラーミナの部隊。

 本来なら本拠地に居るべきメンツが多いこの攻略部隊は、初動で白本拠地から一番近い〈西2巨城〉の攻略を任されていた。


 え? リーナやラナが初動に動いていいの? と思うかもしれないが、むしろ初動だからこそ大丈夫。本拠地は隣接マスを取られなければ相手の攻撃はノーダメージなのだ。

 故に、初動では本拠地を空にしても大丈夫なのである。とはいえシャロンだけは残って現在進行形で要塞化組み立て中なのだが。これは致し方なし!


 また、初動でどう動くかはすでに通達してあるため、リーナが指示する必要も無い。そのためリーナも最初だけは巨城攻略に参加しても問題無いのである。

 もちろん〈西2巨城〉を落とせば本拠地にとんぼ返りだ。


 そんなハンナたちの部隊はたったの5人で巨城を短時間で落としきり、本拠地へ向かっている途中、なんと正面に敵影が見えたのである。数は2人だ。


「はわわ! 敵さんが来てる!」


「なによ、私たちを狙うとか良い度胸じゃないの!」


 ハンナがはわわするが、ラナはにっこりだ。


「これは、どなたの作戦なのでしょう? ピンポイントでわたくしたちを狙うなんて、かなりの戦略家が背後にいらっしゃいますわよ」


「いずれにせよ、たどり着かせるわけにはいきませんね。そして帰すわけにもいきません」


「あれ? 帰すわけにもいかないんだっけ?」


 リーナが考え込むが、シズがバッサリと遮って銃を構え、フラーミナが目を丸くしていた。ちなみに〈天下一パイレーツ〉の作戦を考えたのは〈ギルバドヨッシャー〉とモニカである。


「む、速いですわ!」


 リーナの言うとおり、その者たちはかなり速かった。

 それもそのはず、この敵影はゼフィルスが速いと評価した、初動で〈北巨城〉を狙いに来た〈スタダロード戦法〉の先陣ツーマンセルである。

 ゼフィルスとカルア、エステルとフィナに行く手を(ブロック)されしばらく彷徨ったあと、〈西2巨城〉攻略メンバーを倒すため突き進んできたのである。

 さらに白本拠地へのルートを踏んで線を敷き、プレッシャーを掛けるなかなか強力な手。


 リーナが背後を考察するのも分かる1石で何鳥もの狙いを作る妙手だった。

 だが、ラナたちの方へ行ったのがいけなかった。


「ハンナさん、さっきのまたお願いしますわ!」


「はい! いっくよ~、いでよ、ゴーレムたち~!」


 ハンナが掲げて起動したのはとある結晶。

 それがキラリと輝くと、どこからともなくズドドドドドドンと鋼鉄のゴーレムたちが現れたのである。その数、なんと10体。

 10体? そう、10体である。

 ギルドバトルや戦闘などではゴーレムのようなアイテムは1体しか出せない決まり(ルール)だ。だが、このゴーレムは特殊も特殊。


 その名も――〈軍団ゴーレム〉。

 以前〈空島ダン〉の〈戦艦〉を倒した時にドロップしたレシピから造ったものであり、あのレアイベントボス、〈戦艦〉内に居た飛行ゴーレムたち、あの軍団ゴーレムが召喚できるようになるアイテムである。

 その特性は――『軍団』。10体で1体換算になるというとんでもない特性持ちなのである。


 故に10体召喚。しかも〈魔練飛行ユニット加工台〉によって飛行パーツも装着しているためキチンと空も飛べる。非常に高性能なゴーレムの軍団になったのだ。

 1体3メートル。それが飛行パーツ付きでズンと10体登場する姿は壮観だった。


「え?」


「なんだ、ありゃ!?」


 これには思わずツーマンセルたちの足も遅くなるというもの。だが、もちろんこれでは終わらない。


「私も召喚するよ! 〈神樹〉リーシェン! 〈レヴィアタン〉ヴァイア! 〈オロチ〉ヒーちゃん! 『我に勝利を取ってこい』!」


「――オオオオオオオオ」「リヴァアアアア!」「ヒュラララララララ!!」


「「え?」」


 こちらはフラーミナのモンスターたちだ。


 先日進化し、〈古代樹〉から〈神樹〉になったリーシェン。防御が得意。

〈リヴァイアサン〉から〈レヴィアタン〉に進化したヴァイア。この度〈竜〉になりました。

〈5つ首ヒュドラ〉から〈オロチ〉に進化したヒーちゃん。首は7つに増えています。


 全力ダッシュしていた足が、駆け足に、そしてついに止まるツーマンセル。加えて。


「『大聖光の無限宝剣』!」


 ―――『大聖光の無限宝剣』。

 これはラナの最強技。LV60で覚えた六段階目ツリーの魔法。


 今まで『大聖光の四宝剣』『大聖光の十宝剣』と数が4、10と来ていたが、六段階目ツリーになるともう訳分からなくなるほど増える。

 その数、LV10の時64本。さらにとある方法でもっと増える。


 増えすぎじゃない?

 ただ現在はまだLV1のため本数は少なく、その数は20本だ。

 それでもやっぱり多い。


 空中に現れる無数の宝剣、大きさこそ十宝剣のときよりかなりコンパクトになっているが、それでも3メートルはある光の剣だ。

 それが、いつの間にかシズが出した〈白の玉座〉に座ったラナの頭上に次々と現れ、剣先をツーマンセルに向けるのだ。あかん。


「「え?」」


 一度目をコシコシして見ても、結果は同じ。

 10体の空飛ぶゴーレム、竜や神樹たち3体。そして20本の宝剣。

 なんかそれが全部自分たちに向いている。

 呆けるのも分かるというものだ。


「「「いっけー!」」」


「「やっべー!」」


 ラナたちの声に我に返るツーマンセル。

 こいつはヤバい。

 マスで見れば彼らとハンナたちはまだ3マスは離れていた。


 召喚モンスターは術者の2マス隣までしかいけないルール。

 だが、フラーミナの六段階目ツリー『我に勝利を取ってこい』はその制限を外しちゃう大罪スキルだ。

 つまり、3マス以上移動しても良いよ、というスキルである。なんてルール無視の罪深いスキル!


「ひいいいいいい!?」


「おいしっかりしろ! 保護期間(バリア)だ! 保護期間(バリア)を張るんだ!」


「そ、それだ!」


 ここで〈ギルバドヨッシャー〉が言ってたことを――正確にはモニカが分かりやすいように注意点を纏めていた話を思い出す2人。

 以前〈エデン〉VS〈エデン〉戦で、ゼフィルスは保護期間(バリア)を張ることでラナの宝剣を防いで見せたのだ。

 そうマス超え攻撃とかいう狂った攻撃は保護期間(バリア)で防げるのだ。


 急いでツーマンセルが駆け出し、迫り来る恐怖の軍団とモンスターと宝剣に怯えながらなんとか小城にタッチしようとして――。


「『フェイタル・サード・シューダン』!」


「びゃ!? ふごっ!? あへええええ―――!?」


「え?」


 唐突に3発の銃声が鳴り響き――片方が〈即死〉した。

 もちろんそれをしたのはシズである。


 六段階目ツリー『フェイタル・サード・シューダン』は3発の銃弾が全弾命中した相手を耐性を無視して〈即死〉させるスキルだ。

 いや、『即死耐性』を無視して〈即死〉ってどういうこと? って思うだろ?

 うん。つまり『無効』じゃないと防げないスキルなのだ。

 とはいえ3発中1発でも回避もしくは防御すればそれでも防げるので、ゼフィルスにはきっと効かないだろう。


 だが、そんな効果を知らないツーマンセルのうち1人は、漏れなく退場してしまったのだった。そしてその退場した人物は、次に小城をタッチする役割だった。

 生き残っちゃった方は小城にタッチしても保護期間(バリア)が張られることはない。もちろんシズがそう狙ったからである。


「ラナ様を狙った罪、万死に(あたい)します。ですが、今回は3回死で許してあげますね」


「え、待、ちょ、あああああああああ!?!?!?」


 シズがそう締めくくると同時にゴーレム軍団と巨大なモンスターと宝剣がツーマンセルの片割れを飲み込み。その後には誰も残って居なかったのだった。


「な、なんだかとんでもなく可哀想なことをしちゃった気がするよ?」


「気のせいよハンナ! さ、本拠地へ急ぎましょ!」


「お、おー!」


「わたくしの出番はありませんでしたわね。本拠地で遺憾なく発揮させていただきますわ」


〈天下一パイレーツ〉から試合初の退場者現る!


 こうしてハンナたち〈西2巨城〉攻略部隊は無事本拠地に戻ることに成功。

〈西1巨城〉もアイギスやカイリ、ニーコたちが陥落させ、こうして西側全ては〈エデン〉白チームのものとなった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
斥候二人だと、紙装甲で低HPな生産職のハンナしか倒せないと思うよ。 とはいえ、護衛が軍団ゴーレムだから突破は難しいかも(笑) そのあいだに高品質且つ高レベルの錬金砲や爆雷を乱射されたら何回死ねるんだろ…
いや、斥候2人でなぜ勝てると思ったんだ? まさかほぼ全員頭天プラ状態なんだろうか?
今回は3回死で許してあげますね > つまりまだ、許されてねえ。復帰しては殺され、復活しても殺される、と。 で、何回まで復活出来るんだっけ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ