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ゲーム世界転生〈ダン活〉~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を 〈はじめから〉プレイする~  作者: ニシキギ・カエデ
第三十四章 〈エデン〉、上級中位ダンジョンを卒業する!?

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#1522 パーティを組もう!ゼルレカももちろん一緒だ




「ゼフィルスがまた暴走しかけているわ。適度に発散させたいから今日はゼフィルスの希望する〈猫猫ダン〉に行きましょう」


「まだランク4を攻略したばかりなのに!?」


「いきなり前人未踏の領域を攻略ですの!?」


 シエラの説明にカグヤとサーシャがお互いが抱きつくレベルで驚いていた。

 なぜかシエラの説明に俺が何やら暴走しているみたいな言葉が混じっていた気がするが、きっと気のせいだろう。


「たはは~。1年生たち、覚悟するんだよ!」


「ミサト、あまりおどかすな。俺たち上級生がいるし、人数もいる。それに今回はゼフィルスを満足させるのが目的であって攻略するわけではない」


「あ、メルト君、それフラグじゃない?」


 メルトの言葉にシャロンが良いところに気が付いていた。

 まあ、さすがにラナ抜きで攻略なんてしたらとんでもないことになりそうなのでやらないが。また「もーもー」言われてしまう!


 それはともかくだ。

 さすがは〈エデン〉メンバーズ、とでも言おうか。

 学園祭の翌日だというのに結構な人数がギルドに集まっていた。


「〈エデン〉メンバーはハンナを抜いて20人ね。4パーティにすればいいかしら」


「だな。〈採集無双〉の面々も連れて行こう。――どうだモナたちも来るか?」


「はい! せっかくのお誘いですもん。僕たちも行きたいです!」


「決まりだな4パーティ+〈採集無双〉で行こうか」


「ではパーティを分けましょう。ゼフィルス、お願いできるかしら?」


「任せとけ。――誰と組みたいと希望がある人は言ってくれ。それを軸にしてバランスを取るから」


「ちょい待ちゼフィルス先輩。なぁ気のせいか? あたいらもその頭数に入ってないか?」


 そう俺に聞くのは、小さなネコミミをぴこぴこ揺らす猫人少女のゼルレカだ。

 うむ。相変わらずいいネコミミをしてる。

 もちろんゼルレカを置いていく選択肢なんてない。


「もちろんだゼルレカ。一緒に〈猫猫ダン〉に行こうぜ!」


「ちょ、無理だっつの! あたいらようやく、というかよくわからんうちに上級中位ダンジョンのランク1と2を攻略して、まだ自覚もなんも足りてねぇんだっつの!」


「大丈夫だよゼルレカ~」


「はい。ゼフィルス先輩が大丈夫って言ったら、きっと大丈夫です」


「おいおいおい、アリス? キキョウ!? 2人ともどうしたんだ!? 特にキキョウ、あんたすげぇ警戒心強かったはずじゃなかったっけ!?!?」


「たは。あの1年生はゼフィルス済みっと」


「今ボソッと呟いたの誰!? キキョウはどうなっちまってんだ!?」


 何やらゼルレカが慌ててるなぁ。

 せっかく学園祭までに超高速モードで上級下位ダンジョンを5箇所攻略して上級中位ダンジョンも2箇所攻略したというのに。なにが不満なんだろう?


「なんで当のゼフィルス先輩は不思議そうな顔してんの?」


「ゼルレカもやればできる、よ?」


「はい。ゼルレカの【怠惰】ならやれますよ。〈ヘルズノート・バベルガリッチ〉戦の活躍、凄かったですもん」


「本当に大丈夫なのかこれ? なあシヅキ、エフィ、マシロはどう思うよ?」


 アリスとキキョウの変わりようにゼルレカはなにかの自信が揺らいだのか、同期の3人に話を振る。

 そこにはちょうど良くもこの前まで俺が面倒を見ていた、新しい〈エデン〉の参入者、【ルシファー】のシヅキ、【ウリエル】のエフィ、【ラファエル】のマシロの姿があった。


「私は別にいいよ~。というか猫の召喚盤が欲しい」


「私も。戦い好きだし。強い敵は大歓迎」


「回復の心配なら私に任せてください! ビシバシで回復します!」


「こいつらもか!? つうかマシロ、違うんだ。そういう心配じゃないんだよ」


「?」


 しかしどうやらゼルレカの思いは伝わらなかった様子だ。

 シヅキは強くなる(?)ことを求めているし、エフィはそもそも戦い好き、マシロは素直にプラス天然入ってて、ゼルレカの心配を和らげようとしてきた。まあ、力を抜かせることには成功した模様だ。


「ゼルレカ、あなたも苦労しているのね」


「シエラ先輩、なんであたいがこの中で常識人枠なんだ? 去年の学園祭では兄貴に『お前は常識が足りてないな』と言われたんだけど」


「いいえ。ゼルレカは貴重な常識人枠よ。サテンサ先輩は素晴らしい方ね。ゼルレカ、改めて歓迎するわ」


「そんな歓迎の仕方は嬉しくないんだが……」


 ふむ。シエラとゼルレカ。

 意外な組み合わせだが、何気に気が合うっぽいな。


 結局ゼルレカからも「アリスとキキョウが心配だから行く」という言葉を勝ち取った。やったぜ! ネコミミゲット!

 カルアが今日は居ないので貴重なネコミミ枠だ!


 なんだかゼルレカに求められている素質が多岐にわたってるなぁ。

 よし、今日はゼルレカと組もう! アリスとキキョウも俺と同じパーティだ!


 そんな決意と共にパーティを組んでみた結果がこちら。


 1班、ゼフィルス、ゼルレカ、アリス、キキョウ、アルテ

 2班、シエラ、サーシャ、カグヤ、ルル、シェリア

 3班、リーナ、カタリナ、フラーミナ、ロゼッタ、マシロ

 4班、メルト、ミサト、シャロン、シヅキ、エフィ、

 〈採集無双〉のモナ、ソドガガ、アンベル、タイチ、サティナ


「よし、こんなところか」


 パーティが組み上がった。すると、1人のエルフがズイッときた。


「ゼフィルス様」


「ダメ」


「まだなにも言っていません」


「ゼルレカとアリスとキキョウとルルで組みたいって言うんだろ? バランス悪いからダメ」


「…………」


 もちろんエルフとはシェリアのことである。

 シェリアが俺のことを「様」付けで呼ぶ時点で要求は分かってる。だってさっきもされたもん。

 でもそのパーティだと純ヒーラーが欠けているのでダメとなったんだ。

 ルルとサーシャとカグヤで満足してほしい。

 安心しろシェリア、ゼルレカたちは俺が面倒を見る!


「ゼルレカと一緒にダンジョンだ~」


「すごく楽しみだよね。〈猫猫ダン〉って入ったことないけれど、きっと楽しいところな気がするんです」


「あ、分かった。キキョウさては猫を愛でたいだけだな?」


 アリスとキキョウとゼルレカは入学前から仲が良い。だが、そういえば一緒にダンジョンへ潜るのはこれが初めてか。そりゃ楽しみだろうな。

 ゼルレカの言葉で思い至る。そういえばキキョウって〈幸猫様ぬいぐるみ〉の愛好者だったって。

 ロリで狐耳なキキョウと〈幸猫様〉の構図は、〈エデン〉でも尊さ爆発で癒し空間を形成しているんだ。俺も何度か世話になったよ(?)。


「リーナさん、パーティを組むのは久しぶりですね」


「ええ。なんだか懐かしい気分ですわ」


「1年生のころはずっと組んでたもんね~」


「私もとても楽しみですわ」


 おっとこちらはリーナ、ロゼッタ、フラーミナ、カタリナの班。彼女たちは1年51組の時の元クラスメイト同士だ。パーティもいつも組んでいたほどの仲良しさんたちである。そこへ俺がマシロを連れて行った。


「4人とも、思い出にふけっているところ悪いな。ここにマシロも入れてあげてくれ」


「もちろんですわ! ――ようこそマシロさん。わたくしたちも歓迎いたしますわ!」


「ありがとうございます! 改めて、マシロです! お世話になります! 色々教えてください!」


「は~、素直で良い子だよ! 私、実はこんな後輩を持ってみたかったんだ~」


「私も歓迎いたします。メインのタンクは私なので、色々打ち合わせが多いかと思いますが、こちらこそよろしくお願いいたします」


「私はサブでタンクもヒーラーも担当いたしますわ。色々共有することも多いでしょうから、一緒にお話しましょう?」


「ありがとうございます!」


 マシロはすぐに受け入れられた。というか、マシロは素直で良い子なもんだからどこでも混ざれる体質かもしれないな。


「ねぇシヅキ。多分、あの方が賢兎さん」


「いや知ってるよ? 〈エデン〉のスカウトマンミサトって言ったら有名だよ?」


「そうなの?」


「いや、えっと……。わ、私は面接で2度落ちたからね、はは」


「2人ともこっちおいで~。改めてみんなを紹介するから~」


 こちらメルトたちにシヅキとエフィが加わった班。

 シャロンとミサト、そしてメルトなんか組み合わせて大丈夫かなと思ったのだが、意外にシヅキとエフィにとってミサトは有名というか、知り合いだったらしい。

 さすがは顔が広いミサトである。

 ミサトが中心になってくれてシヅキとエフィも上手く加わることが出来た模様だ。


「よし、準備は整ったな。早速ダンジョンに行くか!」


「「「「おおー!」」」」


 今日は猫猫なダンジョンだ!

 猫たちよ、待ってろよ!




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ゲーム世界転生〈ダン活〉1巻2022年3月10日発売!
― 新着の感想 ―
猫猫と書いてマオマオと読んでしまうのは時勢かね
猫ダンで 猫とたわむる ゼフィルスかな 字余り
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