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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第三章 平和、そして2度目の王都。
82/109

神子と騎士の関係。

湖畔で告白(プロポーズ)された。

嬉しかった

告白も、口づけも、抱擁も、恋人繋ぎの手も・・・


離れ難い気持ちが強くて、もっと一緒に居たくて

でも時間にも限度があるし


「ガウェインさん、もう少しだけ一緒に居たいです」


エルネーの上でまた我儘を言ってしまった

行きの道は1時間に対して、帰りの道は2時間掛けて帰った


二人乗りだから顔を見られなくて良かったと思う

背中に伝わるガウェインさんの温もりが大好きで

顔はずっとニヤケっぱなしで見せられるものでは無い程に緩んでいたのが自分でも分かったから。



「マリア、後日正式にラフィスタ辺境伯に婚約を申し込むから待っていてくれ」


そう言って踵を返したガウェインさんに私は飛び付いた


「あ、っの!」


ガウェインさんの両頬を手で包み込むと、つま先立ちになって唇を重ねた


「ん・・・」


ちゅ・・・


離した唇から吸い付いたように音がした


「お持ちしております、ガウェイン様・・・」


顔は見られなかった、振り返ってお屋敷に飛び込み扉を閉める。

パタンと閉じられた扉に背を預け、


やっちゃった!やっちゃった!

はしたなかった? イヤだったかな!?


良いよね!?ガウェインさんから告白されたし、キ、キき、キスもされたんだから、()()()キスしても良いよね?

令嬢苦手って言っても、婚約って事は私はガウェインさんの奥さんになるんだからキスくらい・・・



アワアワとエントランスの扉の前でしゃがみ込みクネクネするマリア

通り掛かったレインに声を掛けられるまで今日の思い出に浸り続けた。



「くーん、くーん」

カリカリと扉を引っ掻き

外に閉め出されているシルヴィーも忘れて




シルヴィーなら扉を普通に開けられるがマリアの様子がおかしい事と、閉められた扉の間に三つ編みの先端が挟まれていたのでどうしたものかと困っていたのだった・・・





そうして後日、マリア・ラフィスタ辺境伯令嬢の婚約が発表された。






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