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辺境の神子は静かに暮らしたい。  作者: EVO
第二章 神子、王都へ行く。
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神子と騎士。

「グルォォォーッ」


シルヴィーの咆哮でビクリと一瞬だけ狼の動きが止まる

その隙を突いてベル姉様、周囲の騎士さん達が狼の数を減らしていきます。

私はドラゴンの方に集中してヒールや堅固の祝福、斬鉄の祝福を飛ばして援護

浄化すれば瘴気が消えて魔物は弱体化するから浄化したいけど、大魔力を使うと魔物が寄ってくるらしいのでせめて数が減ってからでないと危ない。


「く、こいつらマリアを狙ってる!」

「恐らくマリア様は魔力が飛び抜けているからですね」

「このお!」

ドドドン!

姉様が空気弾で2、3匹一気に倒しても、次から次へと狼が集まってくる。


「強くは無いけど、多いからっ」

「仕方ありません、皆!神子を中心に防護方陣を敷け!」

「「「おう!!」」」


「ガウェインさん何するの?」

「森ごと焼き払います!水魔法用意!」

ガウェインさんは私を中心に騎士さんを集め指示を出した。


「ふぅぅ・・・、破っ!」

ジリジリと熱さを感じた、ガウェインさんが集中すると剣は真っ赤になっていて、それを地面に突き刺す

すると半径数十mが炎に包まれた


「ギャァァァウッ」


狼達の声が聞こえたけど、直ぐに何も聞こえなくなった・・・


「水を!」

炎が消えると同時に他の騎士さん達は水を周囲に撒く

ジュウウウウと音を立てて残り火や炭を水が濡らして行った

跡には魔物は1匹も残っていない。


「凄い・・・」

「多分森じゃ無かったらもっと火力出していたんじゃない?」

「えっ!?」

「そう、ですね、まあ野営の時に火が出せるので便利な程度ですよ、家でもゴミ燃やす時とかに使われますし」


ゴミ燃やしにこんな力使うのもどうかと思う・・・

そんな私は顔に出ていたのか、ガウェインさんはクスリと笑って言った


「マリア様と一緒です、使えるのだから使う、それだけですから」

「あ・・・、そっか」

「ええ」


私も魔力余らせる位ならと治癒魔法はばら撒くから似たようなものだ、少し共感を覚える。


ふと方陣を組んでいた騎士さん達を見るとかなり煤けていた


「あの、もしかして方陣組んだのって・・・」

「ええ、お恥ずかしながら細やかなコントロールが苦手でして」


なんと私とベル姉様、シルヴィーを魔物から守ると同時に炎からも守ってくれたようだ。

騎士さん達は

「前髪焦げてんぞ」「お前こそ顔真っ黒じゃねえか」

と笑っているけど軽い火傷になっている筈だ、魔物と戦ったので多少傷も負っている。


「じゃあせめて、リジェネレーション!」


治癒再生魔法を唱える、これは即効性が低い代わりに広範囲に大人数をゆっくり治す魔法

お城で重傷者を沢山治した後に魔力欠乏症で倒れてしまったので、その後お城の書庫で治癒魔法を調べると発見出来た魔法だ。

消費魔力も少ないのであっちで戦っているドラゴン擬きの気も引かない。


支援魔法も光魔法に類するもので、神聖魔法適性で十分扱えた。

多分、辺境伯領地の本邸、神子の屋敷には神聖魔法について詳しく纏められた本があるらしいので領地に帰ったら確認した方が良いかも知れない。

あの屋敷には何回か立ち入ったけど隅から隅まで確認していないし、本は難しくて理解出来なかったから後回しになっていた。



と、ドラゴンの事を忘れて少しだけ考え込んだのが悪かったのか


「マリア!」


「え?」


必死の姉様の叫び声が聞こえる

突然銀色の毛に包まれたと思ったら、ガツンと何かが金属に当たる様な鈍い音が耳に届いたのを最後に私の視界は暗転した。





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