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二度目の異世界、少年だった彼は年上騎士になり溺愛してくる  作者: 琴子
番外編

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46/49

一番甘いのは【挿絵イラストあり】

本日、コミックス1巻発売です! どうぞよろしくお願いいたします……!



「ルーク、おかえ──っわ!」


 ある日の夕方、半月近い遠征から帰ってきたルークを玄関で出迎えたところ「おかえり」を言い終わる前に、きつく抱きしめられた。


 あまりの勢いになんとかバランスを崩さずに済んだ私は、肩に顔を埋めているルークの背中をぽんぽんとあやすように叩く。なんだか子どもみたいだ。


「……サラに会いたくて、死ぬかと思いました」

「私もルークに会いたかったよ」

「絶対に俺の方が会いたかったです」


 なぜそこで張り合うのだろうと思いながらも、幸せな笑みが溢れる。再会してからというもの、半月も離れているのは初めてだった。


 ひとまずルークを引き剥がすと、使用人たちも困っているため、広間へ行こうと声を掛けた。


 しっかりと私の腰を抱いたまま、ルークは大人しく広間へと向かう。ソファに座ると、再び抱きしめられる。


「半月が5年に感じました。サラ不足で限界です」

「ルークは大袈裟なんだから。でも本当にお疲れさま」


 今回の遠征は、とても大変なものだと聞いている。ルークが無事に帰ってきてくれて、本当に良かった。


 心配になって、私も行けないかと何度もスレン様にお願いをしたことは黙っておこうと思う。


「本当です。今日はたくさんサラに甘えても?」

「ふふ、どうぞ。めいっぱい甘やかしてあげます」


 私もルークがいない日々はとても寂しく、この半月を長く感じていたのも事実だった。


「サラはこの半月、何をしていたんですか?」

「私は魔法を学んだり、お菓子を作ったりしてたよ」


 少しでも気を紛らせようと、仕事のない日は勉強やお菓子作りに没頭していたのだ。


「お菓子、ですか?」

「うん。あ、そうだ! 少し待っていて」


 今は元の世界では、バレンタインデーの時期のはず。せっかくだし、過去の人生で本命チョコというのを渡したことがなかった私は、ルークにあげるチョコレートを練習していた。


 ルークの遠征が長引いて少し遅くなってしまったものの、この世界にはない文化だし気にしないことにする。


 私は用意していた小さな箱を取ってくると、再びルークの隣に腰を下ろした。


「ねえ、ルーク。良かったら受け取って」


 そしてどうぞと言って差し出せば、ルークは金色の目をぱちくりとさせて、私と小箱を見比べる。


「これは?」

「チョコレートだよ。私のいた世界では、好きな人にチョコレートを渡す日があるの」

「好きな人……」


 結婚しているというのに、未だに「好きな人」という言葉に感激した顔をするルークが可愛くて仕方ない。


「手作りだから、少し形が良くないかもしれないけど」

「そんなこと気にしません。箱まで一生大切にします」


 ルークは「開けてみても?」と言い、頷くと宝物を扱うかのように丁寧に箱を開けていく。やがて中のチョコレートを見たルークは、子どものように瞳を輝かせた。


「食べてもいいですか?」

「もちろん、どうぞ」


 そうして一粒手に取ろうとしたルークは、何かを思いついたように顔を上げた。その表情は悪戯っぽいもので、なんだか嫌な予感がしてしまう。


「サラに食べさせてもらいたいです」

「えっ?」

「疲れて自分では食べられそうになくて」

「もう、絶対に嘘でしょ」


 明らかに嘘だけれど、うるうると子犬のような目で見つめられてしまい、断れなくなる。


 私はやはり、ルークのこの目に弱いのだ。


「分かった、じゃあ口を開けて」

「はい! ありがとうございます!」


 とても元気な返事が返ってきて、思わず笑ってしまいながら、ハート型のチョコレートを一粒手に取る。


「…………」

「……サラ?」


 けれど急に恥ずかしくなってきて、なかなか形の良いルークの唇へと運べない。


 少しずつ体温で溶けてきて、早くしなきゃと焦っていたところ、不意にルークが私の腕を掴み、そのまま引き寄せた。


「美味しい」


 そのままチョコレートを食べたルークは、なんと溶けたチョコレートのついた私の指先をぺろりと舐めた。


「ち、ちょっと、ル、ルーク……!」

「すごく甘いです」


 それはこっちのセリフだと言いたくなりながら、顔が一気に熱くなっていくのを感じた。


 ルークの笑顔も声も、雰囲気も何もかもが甘すぎる。くらくらと目眩をしてくるのを感じる私を見て、ルークは嬉しそうに蜂蜜色の瞳を細めた。


「ありがとうございます、サラ。かわいいですね」

「……もう」

「もう1回、食べさせてもらっても?」

「えっ?」

「今日はめいっぱい甘やかしてくれるんでしょう?」


 有無を言わせない笑みを浮かべ、ルークは「大好きです」なんて言いながら、さらに近づいてくる。


 そしてその後、私はチョコレートよりもずっとずっと甘い時間を過ごすことになる。



 挿絵(By みてみん)




いつもありがとうございます! 本日、本作のコミックス1巻が紙・電子ともにいよいよ発売です……!


挿絵(By みてみん)


可愛いサラとかっこいいルークの美麗カバーが目印です。最高にときめく1冊にしていただいております!

ぜひぜひお迎え頂けると嬉しいです。

WEB版を元にコミカライズして下さっているので、みなさまのお馴染みのルークとサラになっています。

本当に!!きゅんきゅんします!!( ; ᴗ ; )‬


また、今回の挿絵は本作のコミカライズを担当してくださっている綾月もか先生(@saku_moca)がバレンタインに描いてくださったイラストを使用させていただきました……!(使用許可をいただいております)

最っ高ですよね……( ; ᴗ ; )‬!!!


今後とも「二度彼」をよろしくお願いいたします。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 挿絵最高、最高ですよ! ルークのかっこよさもサラの可愛さも、そして足の間にすっぽりおさまるあのスタイルも! はぁー。 もか先生のサインもすごく可愛い。。 末永くお幸せにね!
[良い点] あっまあまなバレンタイン編、ご馳走様です! キュンキュンがとまりません(*/ω\*)キャー
[一言] コミックの触りを読んで、色々探してこちらにたどり着き、ほぼイッキに読みました。 ピュアなイケメンの、一途な溺愛はホントに良い〜♡ これからも番外編で続きをお願いします!!m(_ _)m
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