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二度目の異世界、少年だった彼は年上騎士になり溺愛してくる  作者: 琴子
再びの年齢差編

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優しくて大切な幸せを胸に

本日、書籍発売&コミカライズ連載開始です……!



 3日目もサラは子どもの姿のままで、過去の実験結果のデータを照らし合わせた結果、明日には元に戻るだろうとスレン様から連絡があった。


 安堵しつつも、俺に懐いてくれている小さなサラが可愛くて、少しだけ寂しい気持ちになってしまう。


「ルークおにいちゃん、だっこして」

「はい、もちろん」

「わあ! すっごく高い!」

 

 1日中サラと過ごす中で、彼女は色々な話をしてくれた。サラのことや友人のこと、家族のこと、元の世界のこと。


「ママはね、すっごくお料理がじょうずなの」

「サラは母親似なんですね」

「でも、忘れっぽいところはパパににてるんだって」

「そうなんですね。いつかお会いしてみたいです」

「うん! きっとパパもママも、ルークおにいちゃんのこと、すきになると思うよ」

「ありがとうございます。そうだと嬉しいです」


 思い返せば、サラから家族の話を聞いたことはほとんど無かった気がする。そしてそれは俺に気を遣ってくれているからではないかということにも、気が付いていた。




 その日の夜、ベッドで眠るサラの隣に座り、俺は仕事に関する書類の確認をしていた。休み明けに仕事が詰まり、元に戻ったサラとの時間が減るのだけは絶対に避けたい。


 時折、すやすやと気持ち良さそうに寝息を立てているサラの天使のような寝顔を眺めては、思わず笑みが溢れる。


「──サラ?」


 そんな中、不意に「う」という声が聞こえてきて視線を落とせば、サラは苦しげな表情を浮かべていて。


 どこか具合が悪いのだろうか、怖い夢を見ているのだろうかと心配になり、思わず手を伸ばした時だった。


「……っパパ……ママ…………」


 やがて小さな口からこぼれた言葉や、閉じられた瞳から流れる涙に、息が止まる。


 元の世界にいる両親が恋しくて、会いたくて泣いているのだろうと思うと、胸がひどく締め付けられた。


「……すみ、ません」


 そして気が付けば俺は、謝罪の言葉を紡いでいた。


 ──サラは、俺とは違う。きっと彼女と同じように優しく温かな両親の元で、愛されて大切にされて育ってきたのだろう。明るい彼女には、友人だって大勢いたに違いない。


『っこの世界で、ルークと一緒に、生きていきたい』


 それでもサラは、全てを失う覚悟で俺を選んでくれた。


 彼女にとって、どれほど辛く大きな選択だったのかということを、俺は分かっていなかったのかもしれない。彼女と居られることが嬉しくて、優しさに甘えてばかりいたのだ。


 小さなサラの身体を抱きしめれば、苦しげな表情が少しずつ和らぎ、やがて穏やかなものへと変わっていく。


「……好きです。本当に、大好きです」


 優しい温もりを感じながら、俺は今の自分がどれほど幸福なのかということを、改めて噛み締めていた。




 ◇◇◇




 いつの間にか俺も眠っていたらしく、翌朝「えっ? な、なんで」という、サラの戸惑ったような声で目が覚めた。


 同時に、腕の中にいたサラが元の姿に戻っていることに気が付く。どうやら記憶はないらしく、俺のベッドで抱きしめられ眠っていたことに驚いているようだった。


「わ、私、どうしてここで寝てるの?」

「色々なことがあったんです」

「いろいろな、こと……?」


 首を傾げながら照れた様子を見せるサラを、再び抱き寄せる。いつも通りのサラの感触や体温に、安堵感を覚えた。


「サラ、愛しています。一生大切にします」

「ルーク、どうしたの? 急に」

「俺の全てをかけて、サラを必ず幸せにしてみせます」


 いきなりこんなことを言っても、彼女を戸惑わせるだけだと分かっている。それでも、今すぐに伝えたかった。


「……俺を選んでくれて、ありがとうございます」


 縋りつくようにサラの肩に顔を埋めれば、まるで子どもをあやすように彼女は俺の頭を撫でてくれる。


 俺の言葉や様子から、何かを察したのかもしれない。


「大丈夫だよ。ルークがいてくれるだけで、すごく幸せだもの。ルークがいない世界なんて、想像もできないくらい」

「……っ」

「私にとっての幸せは、ルークのそばにあるから」


 そんな言葉に、優しい声に、泣きたくなってしまう。


「それに、選んでくれてありがとうは私のセリフだよ。ルークは私なんかが釣り合わないくらい、すごい人だもの」

「……そんなこと、ありません」


 そう言ってもらえるような人間になれたのだって、何もかもサラのお蔭だった。そんなサラのためならば、俺はどんなことだってできる気がした。


 サラの側で彼女のために生きていくと、改めて誓う。抱きしめる腕に力を込めれば、サラは小さく笑った。


「ふふ、なんだか今日のルークは甘えんぼうだね」

「……俺はこっちの方が、向いているのかもしれません」

「こっち? どういうこと?」


 それから俺は、サラに昨晩までの出来事を話し始めた。サラが天使のように可愛かったこと、小さな頃のサラに会えて嬉しかったこと、俺と結婚してくれると言ってくれたこと。


 全てを話し終えたあと、恥ずかしいと顔を真っ赤にして、しばらく布団から出てきてくれなかったのは、また別の話。



いつもありがとうございます。いよいよ本日、書籍発売&コミカライズ連載開始です……!

完結から1年半、皆さまの応援のお蔭で素敵な機会をいただけたこと、本当に嬉しく思います。ありがとうございます!


 挿絵(By みてみん)


ビーズログ文庫さま/12月15日発売/定価748円


書籍とWEB版では完全に話が分かれているので、新たなサラとルークのお話が続くよう、応援購入して頂けると嬉しいです……! 本が売れないと続きが出せないので、どうぞよろしくお願いします……( ; ᴗ ; )‬


大切な元タイトルも、書籍の中に入れて頂きました! ぜひぜひ探してみてください♬



そしてそして、コミカライズも本日連載開始です!


 挿絵(By みてみん)


コミックウォーカーさま&ニコニコ漫画さまにてすでに公開されています! 冒頭の大人ルークのかっこよさや表情からもう、ときめくこと間違いなしです♪

サラも子どもルークも、とっても可愛いです。


書籍・コミカライズともに「二度目」を、今後ともよろしくお願いいたします……!!




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― 新着の感想 ―
[気になる点] 作者様の別作品(大魔法使い様)をSSきっかけで読み直ししたら、体が急成長して服が破れそうになるシーンがあったのですが・・・。 もしかしたら、ベッドの中で元に戻ったサラも、実は服が破れ…
[一言] 書籍タイトルを見ても「二度目の恋を君に」へ脳内変換されます。私の中では内容がオンラインと異なっていても主役がこの二人で有る限り、このタイトルは不変で不動ですね。
[一言] コミカライズ読んだよ〜! なかなかいい感じだった!←偉そう(笑)
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