発達障害の特性を活かして仕事しよう
前回は子供の二次障害を防ぐため、自己肯定感の話をしました。
今度は大人の発達障害の二次障害を防ぐため、
1.職場に自分の症状を伝えて改善策を講じてもらう。
2.自分の適性に合った職場に転職する。
この二つを前回よりも詳しくやりたいと思います。
1.職場に自分の症状を伝えて改善策を講じてもらう。
・得意分野で働かせてもらうと、仕事のクオリティが上がる。
人と一緒に何かをすることが、とても苦手であること。
パソコン作業や創作活動などの一人でする作業なら得意で、集中して行うことができること。
しかし得意なことに集中しすぎて、他の事が全く耳に入らなくなること。
などを伝えて、得意分野の仕事を任せて貰えるようにしましょう。
・端的に伝えれてもらえれば、話していることが伝わる。
曖昧な指示だと、どうしたらいいのか分からない。
「あなたの仕事は○○です。」
と端的にはっきり言ってもらいましょう。
・冗談はちゃんと「冗談だ」と締めくくってもらいましょう。
曖昧なことを理解するのが苦手なので、冗談だと分からない。
そのため、冗談を真に受けて傷ついたり、冗談で言われたことを本当にしてしまったりします。
もし冗談を言っても、すぐに「冗談だよ」と伝えてくれるように頼みましょう。
・融通が利かないので突然の予定変更はできる限り避けてもらいましょう。
予測不可能なことへ対する不安を常に抱えていること。
急な予定変更はパニックになる原因であること。
それらを伝えて、
「今日○○って言ってたけど△△に変わったから。」
といったことはできる限りやめてもらいましょう。
・1つの事に集中させてもらう。
物事を順序立てることや、優先順位をつけることが苦手。
何をしたらいいのか分からなくなるので二つ以上のことは言わないで下さい、一つずつ言ってくださいと頼みましょう。
・感覚過敏や鈍麻がある場合
感覚過敏を持つ人は、大多数の人が平気な音や光などが耐えられないストレスになります。
耳栓やPCフィルターを利用したり、苦手な照明や環境音から遠い位置に座席を配置してもらいましょう。
感覚鈍麻を持つ人は、疲労感や空腹感を感じられず、ある日突然体調を崩してしまいます。
時間を忘れて作業し体を酷使してしまったり、不規則な食事で栄養バランスが崩れることを防ぐため、規則正しい生活を心がけましょう。
このように、自分の障害をオープンにして会社や上司、同僚に理解と配慮をしてもらいましょう。
2.自分の適性に合った職場に転職する。
どんなに説明しても理解ある職場ではなかったとき。
対応してもらおうにも出来ない職場であった時。
明らかに向いていない職業に就いていた時。
自分に向いている職場へ転職しましょう。
ただし、経験があるからといって同じような職業については何も変わりません。
自分の特性をよく見極めて、合っている職業を選びましょう。
発達障害の人の就職には、一般雇用と障害者雇用のどちらかを選ぶことになります。ただし、IQや学歴が高いから一般雇用で逆は障害者雇用というわけではありません。
精神的な強さ、知的水準、発達障害による苦手の多さや深刻さ、ご家族のサポートの状況など多くの事柄を考えて決めましょう。
発達障害の人は大きく、こんなことが得意です。
•事実を見極める力がある
•細部重視で緻密な作業に向いている
•発想力があり、独特な視点を持っている
•知識が豊富で専門職に秀でている
•集中力が高く、一つのことを追求するのに優れている
•努力家でコツコツ取り組める
•文字や数値への適性が高い
•ルールを遵守し、反復能力がある
主に専門職や単純作業などを得意としており、以下のような仕事に向いています。
•関心を掘り下げる仕事(電化製品、記者、編集 など)
•PCを使う・内勤の仕事(プログラマー、事務、オペレーター など)
•反復が多い仕事(工場、経理、情報管理、ルートセール など)
•緻密さが求められる仕事(検査技師、テスター、品質管理 など)
•マイルールを追求できる仕事(学者、研究者など)
•自分の裁量でできる仕事(起業・フリーランス など)
さらに細かくタイプ別に例を上げます。
・自閉症スペクトラム障害(ASD)・アスペルガー症候群
向いている仕事の例
コンピューター・プログラマー
ウェブデザイナー、ゲームデザイナー、CGアニメーター
広告デザイナー、工業デザイナー
建物や工場の設備整備
エンジニア
カメラマン、ジャーナリスト、校正者
翻訳者、通訳者
動物調教師、楽器の調律師
事務、書類管理
研究者、技術者、学者、アナリスト
経理・財務
法務・情報管理
プログラム・テスター
コールセンター
テクニカルサポート
電化製品等 販売員
CADオペレーター
真面目でルールを守る、集中力が凄い、こだわるので細かいことに気が回る、規則的なことが得意といった強みを生かした職業を選びましょう。
向いてない仕事の例
接客業、営業職、受付係、一般事務、電話オペレーター(柔軟な対人スキルが必要)
レジ係(短時間で多くの処理をおこなう必要がある)
料理人、ウェイター・ウェイトレス(複数の注文を同時進行で処理する必要がある)
臨機応変な対応が必要な仕事、複数の業務を同時にこなすもの、人間関係が複雑な仕事、予測して行動する必要がある仕事は向いていません。
・ADHD
向いている仕事の例
起業家
営業職(人懐っこいタイプの人。同じADHDでも不得意な人もいます)
コック
記者やライター
プロデューサー
音楽家
ゲームソフトやコンピューターソフトの制作・開発
webデザイナー
漫画家
その他クリエイター
スポーツ選手
体育教師
飽きっぽい反面、興味を持ったことを極める資質があるので、自分の「これは好き」という分野を職業にしましょう。
活動的で運動が得意な人はスポーツ系を選ぶのもありです。
また、飽きっぽさは流行に敏感であったりするので起業者の資質もあります。
向いていない仕事の例
乗り物の運転士
事務職
経理職
検品作業
校正作業
教師
看護師
など
正確な作業が必要、ミスが許されないような職業は向いていません。
また、単純作業もつまらなく感じてしまうので向いていません。
いかがでしたか?
上げたのはあくまで一例です。
アスペルガーの人でもADHDの症状も持っていたり、逆にADHDだけどアスペルガーの症状もあったりしますので、自分自身に強く出ている特性を把握して、どんな仕事が自分に合っているか、やってみたいかを探してください。
大事なのは、
「苦手なことをしない」
「得意なことをしよう」
です。
発達障害の人は、普通の人より能力がでこぼこしています。悪い所といい所の差が激しいです。
欠点は沢山あるけれど、その分大きな強みがあります。
苦手なことを頑張るのではなく、得意なものを磨き、あなたの強みを活かしましょう。
どうか、あなたの得意な職業に就き、輝いて下さい。
次回、困った行動には必ず理由がある、ということをテーマにして、このエッセイを完結する予定です。
もしも「こんなことが知りたい」「こんなことをもっと詳しく教えて」などのリクエストがありましたら感想やメッセージなどでお知らせください。
可能な限り調べて、後からエッセイに加えます。
****
参考サイト
発達障害の大人が仕事場に!対応に困った方への打開策6つ!
ADHDーASD.jp
ADHDに向いている仕事(職業)33選+転職の仕方と仕事例
発達障害に向く仕事・働き方 一般雇用と障害者雇用




