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第85話 旅の始まり 1

 店を開店してから数日。俺はグロッキーになりながらも店の経営を手伝い、暇のない生活を送った。爺さんに連絡して追加の人員を手配してもらい、その人員が到着したのが今日の午後。


 人員不足だからと言って審査基準を下げるということはしなかった。信用できるふいとにしか店を任せることは出来ない。能力云年ではなく、信用度が重要なのだ。

 そこら辺を間違った馬鹿どもにはお帰り頂き、十分に信頼できそうな者を追加で8名ほど雇うことになった。男女比は5:3だ。男性店員が少なかったので男手追加だ。


 その次の日。飽き足りずに鉄板料理をむさぼりに来た近隣の客を俺抜きで捌かせたところ、まあまあ余裕があることが判明。俺が居なくていいように経理とフロアスタッフの統括係と責任者を決めることにした。

 結局、調理フロアの責任者は働き者のケニーに、フロアの方はチャーリーが適任。全体の統括に統括力のあるレイジーを配置することにした。

 経理に関しては、クマキチさんを頼ることとする。クマキチさんに通達したら喜んで引き受けてくれた、ありがたい。


「レイジーという名の客円滑捌き機兼鬼嫁タイプの人がいて助かったな……」


 あれはまさに鬼嫁系の人だ。怒ったところは見てないが、怒らせると怖そうだ。従業員たちもあの人の前で何かしようとは思うまい。


 そんな役割を割り振ってから2日後、また新しい出来事が舞い降りるーー


 〇 〇 〇


 役割を割り振ってから2日後、俺は久しぶりにログハウスに帰りのんびりだらりと過ごしていた。やることはやった、役目も果たした。だったら後はだらけてもいいと思う。

 もちろん趣味で料理は作っている。本来の職業である冒険者としての日課の戦闘訓練は欠かさない。怠けているとイレギュラーに対応できないからだ。

 ……それ以外は何もせずに腑抜けていますが、何か?


「パワードスーツ開発もあると思うんですけど?」


 という新田の反論は聞かない。やりたくても資金難だし。ある程度の金が稼げるまでそんなものは後 回し。それに魔力がないから【チェンジマテリアル】とかで加工できないし。OSに関しては新田がある程度完成させちゃったのでやることがない。つまり、やることはない。


「そういえば、最近は依頼受けに行ってないな……そろそろ何か1つ受けに行かないと」

「でも、先輩は魔力がないから危険ですよ」


 確かに。赤坂の言うことは正しい……っていうか珍しいなお前がここにいるのは。いつもシルクに振り回されて家に居るのが少ないからな。

 俺が考えるに、魔力を使わなくともある程度の先頭はできるから、弱い魔物の討伐とか、薬草採取とかの依頼を受ければいいと……。


「そういうことなら、心斗君にいい依頼があるんだよ!」


 ……思って?

 いきなり天井の一部分が床に転落し、辺り一面が白い靄に包まれる。今の声、今の呼び方……こ、これはまさか!


「ひっさしぶり~! 元気だった?」


 予想的中。王国情報部のカエデさんが再び降臨いたしました!


  〇 〇 〇


 いきなり現れたくノ一もどきのカエデさんは、壊した天井などお構いなしにこちらに向かって「最近どうだった?私はね~」といった形で近況報告をマシンガントークで敢行する。

 所々で聞き取れない部分はあったものの、最近はどうも共和国方面の警戒に当たっていたという。

 それが終わると、我が物顔でお茶を要求してきた。図々しいやつだ。


「それで? 床を壊してまで俺に伝えたい要件とは?ってかあの狭い1階と2階の間によく入り込めたな……」


 絶対にどこかが引っかかって進めないと思うんだが……絶対に変な技持ってるなこいつ。


「えへへ、私は優秀ですから!」

「優秀ならもうちょっと登場シーン考えんのか。いっつも上から落っこちてくるだっけじゃねーかよ……しかもどっか壊して」

「まあまあ~そこは気にしないで。それで、依頼なんだけど~」

「聞いちゃいねぇ……」

「国王から、心斗君が暇ならぜひ受けてほしい依頼があるって言われてるんだ~」


 国王……あのアンタレス4世だったかなんだったかから? ものすごい面倒ごとのにおいがしてたまらないんだけど。


「とりあえず、ついてきて。王都までは魔導士に頼んで門つないでもらうから」

「しかしだなぁ……」


 俺が渋っていると、新田がため息をつきながら、


「国王直々に会うって言ってるんですよ? 立場上断れるわけないですよね? それに報酬もたんまりもらえてパワードスーツ開発の資金源にできると思いますよ?」


 と言われ、普段はいない赤坂からも、


「さっさと終わらせればいいだけなのでは?」


 と正論を突き付けられる。確かにそうなんだけどさ。それでも……やっぱだらけたい。


「そういわずに、話を聞くだけでもいいじゃないですか」

「まあ、話を聞くだけなら……」


 これ以上粘っても最終的には力ずくで輸送されそうなので、しょうがなく俺は用件を聞くために俺は重い腰を上げる。

 はてさて、どんな面倒ごとが待っているのやら。


ご観覧ありがとうございました。

久しぶりの投稿ですので、おかしなところありましたらご一報ください。

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